第4話 くしゅん、くしゅん。流れ弾が来たぁ~(涙)
くしゅん、くしゅん。
……まだ、新入生たちのバトルが終わってないの。
「まのん先輩から、モブ男を厳しく指導してください!」
守乃ちゃんから流れ弾が来たぁー!!
『ざまぁみろ(笑)』
『ちょっと、ぽんこつ神様!今、なんか言った!?』
『いぇ~、何も言ってませんよぉ~(笑)』
「え? えぇぇ!? 巻き込まないでよ!」
私の悲鳴も虚しく、守乃ちゃんはさらに畳み掛けるのよぉ。。。
「部長なんだから規約通り、この無法者たちを成敗してください!」
「いや、この堅物女なんか論破しちゃってください!」
「ぼくの親猫ちゃんが武勇伝を見せてくれるのかい?」
「いっちゃってくださぁ〜い♡」
ゴラァ!彩夏も香純も乗っかってくるなぁ!!
「私……コミュ障だから……無理……」
本音を漏らすと、彼らの攻撃は私に集中したの(涙)
「えぇー! 部長なのに!? 不信任案を提出します!」by守乃
「部長がコミュ障って、うけるぅ〜♪」by香純
「ぼくが克服させてあげるよ☆彡」by彩夏
「部長って役に立たないんっすね。」by源蔵
なぜ私が攻められるのか、誰か説明してほしい……。
いや、もういい。説明なんていらない。
私はただ、この地獄から解放されたいだけなのよ!
そのとき。ようやく──救世主、登場!!
「ごめん、ごめん! 教授が離してくれなくてさぁ〜」
悠斗、登場!!
遅い!!
遅すぎる!!
もう私のHPはゼロよ!!
「悠斗! おせぇよ!」
私が叫ぶと、奇跡が起きたのよ。。。
新入生たちが、一斉に黙ったのだ。
守乃「……ず、きゅん♡」
香純「……きゅんきゅん♡」
彩夏「……ド・きゅん♡」
厳蔵「やっと、まともな人が来た!」
──おい、私が部長だぞ!
部長は私だ。ちゃんと覚えておけ!!
「君たちが入部希望の新入生だよね。来てくれてありがとう!
俺は副部長の武藤悠斗、よろしく」
笑顔。爽やか。コミュ力オバケ。
さっきまで私を袋叩きにしていた新入生たちの態度が、
悠斗を前にして豹変したのよ。
『まのんと大違いだ!』
……というぽんこつ神様の声が聞こえたのは気のせい?!
守乃「入部希望届を書きます♡」
香純「きゅん♡きゅん♡」
彩夏「きゅん♡LOVE♡」
厳蔵「よろしくっす!」
こいつら、私を舐めてるな!?
今すぐ全員、体育館裏に来い!!
「まのん。これで大学公認サークルになって部室が貰えるな!」
「悠斗、ちょっと来い! こいつらマジで普通じゃないよ!」
「まのんが四人増えるだけじゃん。俺はいいけど」
……私はこの人たちと同レベルらしい。。。
その後は、悠斗がサークル説明をしてくれた。助かったぁー!
でね、週末のコスプレイベントの話題になったときに、
守乃ちゃんがスマホを差し出してきたの。
「これ、私です。」
その画面に映っていたのは……。
「このコスプレ写真見せて大丈夫!?」
(18禁じゃねーか!!)
「きゃあ、下チチ出てるわ!」by香純
「これ、ほぼお尻が出てるじゃないか・・・」by彩夏
「露出度限界突破してるやん!(ええやん♡)」by源蔵
おい!源蔵!心の声が顔に出てるぞ!!
『おぉ~えぇ~やないのぉ~♡その衣装は神聖指定だ!』byキタのぽん
『エロ神様はすっこんどけ!!』byまのん
「ふっ…そなたたち、まだ俗世の垢がついてるわね。
これは二次元を三次元に降臨させる、神聖なるコスなのよ!
わいせつなんて不遜な言葉を使わないで!
これこそがキャラの魅力をMAXに引き出す芸術よ!」by守乃
「まあまあ、オタクと言っても、みんなが好きな分野はバラバラなんだから、
サークルはお互いの分野を理解、尊重することも目的なんだよ。」
悠斗、よくまあ冷静にそんな正論が言えるなぁ!すげぇ!!
「そうそう!私もそれを言いたかったのよ♪」
「まのん先輩!目が泳いでますけど?」by守乃
「ぎく!」(そこはツッコむな!!)
ピクピク
なぜ、バレる?
「いやいや、僕が言うことはまのんが言うことだからね。
じゃあさぁ、そのコスプレイベントに皆で行ってみないか?」
悠斗!なんちゅう提案をしとんねん!!
こいつらと行ったら地獄やぞ!!
「ぜひ♡」守乃
「行きますわ♡」香純
「僕は“きゅんきゅん乙女のハヤト”のコスプレをしてみようかな」by彩夏
「仕方ねっすね。こいつの芸術をみてやりますか(期待しかない♡)」by源蔵
おい!源蔵!頼むから、もう噛み付くな!!
「厳蔵とやらは来て欲しくありませんわ!
この芸術をエロとして見るに決まってますわ!」by守乃
「こんな堅物のエロなんか興味ないっす!」by源蔵
(見たいに決まってるやん♡)
「それは名誉棄損よ!」by守乃
「そっちこそ、人をボロクソ言ってんじゃん!!」by源蔵
始まった......もう私の手に負えるレベルじゃないわ。
「放置プレイしようかね。。。」byまのん
「まのん......部長だろ!」by悠斗
「私はただのギャラリーでごぜぇ~やす。」byまのん
よし!私は気配を消して空気になろう!!
「コスプレイベントはきちんと規則があるから、
それをちゃんと守ればいいだろ。
源蔵君だっけ、守れるよね」by悠斗
「余裕っす」by源蔵
「守乃君。だったら、いいだろ」by悠斗
「はい♡」by守乃
規則 < イケメン♡、らしい。。。
「決まりだね。守乃君。そのイベントの場所と時間は?」
「日曜日にサンシャインシティで1時からです」
「じゃあ、日曜日に池袋駅の『いけふくろう像』前に12:30集合な」
何?日曜日だと?
私はその日。金欠だぞ!!
3か月も掛けてバイトと節約で貯めた2万円で、
東京に来て以来、念願だった例の物を明日の土曜日に買うんだから!
日曜日に遊ぶ金はねーぞ!
(おれは金欠だ!イブちゃんのフィギュアを買い過ぎた……)
……悠斗もかい!!
『おい!まのん!!わしの出番はまだか!!ええ加減にせいや!!』
『うるせー!このぽんこつ!』
『次だよん♡』
当作品はフィクションです。