第2話 格差ひどすぎ!幼馴染がチートすぎる!!
幼馴染で同級生かつ同居人――武藤 悠斗を紹介するね♪
私と悠斗は、村でただ二人の子供だったの。
村全体で双子みたいに可愛がられ、
小3までは一緒にお風呂に入っていたくらい仲がよくて、
本当の兄妹みたいに育ったの。
村に幼稚園はなくて、小・中学校は私たち二人だけ。
小学校4年頃から差がつき始めた――。
悠斗は中3の時、陸上100mで全国3位!(私は帰宅部)
勉強もスポーツも全国レベル!!
私は……お察しください。
「おい!まのん!明日は新入生のサークル見学だぞ!!」
「めんどいな~。悠斗が対応しといてよ」
「お前が部長だろ!絶対来い!……てか、風呂入れ!リビングがくせー!」
「はいはい~。シャンプーまた借りるね♪」
「お前な!!(言わなくても使うだろ!)」
高校は隣町の唯一の高校に二人で進学。
同級生が38人もいて、人酔いした私は「おえぇ~」。
悠斗は友達いっぱい、成績トップ、テニス部でインターハイ4位。
しかも「東大合格も夢じゃない」とまで言われてた。
私は……悠斗以外と会話が続かず、友達は少々。。。
成績は最下位。「卒業即ニート」とまで噂された。
こうして、『村の希望の星 悠斗』と『ダメダメまのん』の格差が......
限界突破!!
悠斗のやろぉ~(羨ましい)!!
「さて、シャワーでも浴びるか♪悠斗ぉ~覗くなよ!」
「誰が覗くか!この後『歴史刑事』見るから、『きゅん乙女』消すぞ。」
「あいよ~。……覗くなよ!」
「うるせー!痩せてから言え!」
「しばくぞ!(見たいくせに♡)」
高校時代、悠斗は毎日のように女子から告白された。
それでも彼女を作らず、いつも私と一緒。
夜は私の家で勉強(悠斗だけ)やアニメ、ゲーム。
休みの日は一緒にアニメショップ巡り。
そして大学。
私は奇跡の明法大学合格。
悠斗は東大や海外の大学に行かずに、なぜか同じ大学へ。
村の人も先生も「もったいない!」と大騒ぎ。
なんでダメダメまのんと希望の星:悠斗君が同じ大学!?
ってか!?
うるせぇ~!余計なお世話じゃ!結果がすべてじゃ!!
「あ~あ、シャワーもめんどいな~。早く出てゲームしよ~
少しぽちゃった体を拭き拭き♪パンツを履いて♪
上はTシャツだけでいっか♪OK~♪」
「オメー!部屋着くらいちゃんと着ろって言っただろ!!」
「いいじゃん!小さい頃から見慣れてるんだから♪」
「そーゆー問題じゃねーよ!お前に羞恥心はないんかよ!!
……無かったな。。。」
「分かってんじゃん。じゃあ、次からTシャツもやめる?」
「やめんでいい!(仕方がねぇ、見てやるか♡)」
「ってか悠斗。わたしのFカップの“ゆっさゆさ”に反応しちゃったか?」
「する訳ねーだろ!
お前の顔が『きゅん乙女』のイブちゃんだったら別だけど!」
「オメぇ!一度、しばかんと分からんよーやのぉ!!」
「ほー!なら、もうお前の飯は作らんぞ!」
「悠斗君。ちょっと待ってて、イブちゃんのお面取ってくる。」
「いらんわ!」
そして――。
田んぼと畑しかない村を脱出!
秋葉原、池袋……憧れのオタクの聖地東京で、
悠斗とタワマンでルームシェア。
大学では二人でオタク文化研究サークルを立ち上げて、
授業もサークルも全部一緒。ほぼ兄妹を継続。
タワマンは悠斗の両親が家賃の大半を負担してくれ♪
私の親は「同居したら安く済むし、今までと同じでしょ♪」と即決。
……いや、18歳女子と男子が二人で同居したら、やばいでしょ!!
って言ったらね。。。
「悠ちゃんが相手なら、何かあって欲しい!」って、実の親が言う!
どんな親だよ!!
悠斗は大学でも告白ラッシュ。
養育者候補としては最高だけど、今更彼氏とは思えないし、
私のズボラ本性はバレバレ。
なのに、なんでずっと私と一緒にいるのか……気にもしてなかった。
「悠斗!私で変なことするなよ♡」
「お前を想像するくらいなら、富士山を想像するわ!」
「まのん!イブちゃんのお面外せ!」
……まあ、悠斗とはいつもこんな感じ。
『なぁ、まのん!わしの出番はまだかいなぁ!!』
『うっせぇ!当分先だっつーの!!』
でもね――。
明日、私の平和なオタクキャンパスライフは、
音を立てて崩れ去るの(涙)
当作品はフィクションです。