第2話 義妹たちとの日常
そんなこんなで、新しい家族との初対面を済ませた俺たちはその1週間後に一緒に住むことになった。
俺と父さんだけの2人だけの家が一気に3人増えたことでにぎやかになった。
「にぃに!!だっこ!!」
「はいはい」
双子の妹の真菜は俺に対して人見知りがなく、可愛い笑顔でだっこをよくせがんでくる。俺も父さんも甘やかしてしまい、優里さんに怒られてしまうだよな。
「・・・」
「どうした幸?」
「!?・・えっと」
「もしかして・・・幸もお兄ちゃんにだっこしてほしかったかな」
「・・・うん」
姉の幸は真菜とは真逆で人見知りが激しいと俺は父さんから聞いていたが、俺に対してはそこまで人見知りになっていない。ただ、甘え方が分からないところがあるらしく、我慢している感じがある。
「こっちおいで幸」
「いいの?」
「可愛い妹のお願いを聞くのがお兄ちゃんの役目だからな」
「ありがとうお兄ちゃん!!」
そう返事をした幸の笑顔に、顔が緩んでしまう俺だった。
幸をだっこしつつ俺は気になったことを優里さんに聞くことに。
「そういえば優里さんはお仕事は続けるんですか?」
「仕事はやめたわ」
「そうなんですか?」
「えぇ。俊彦さんが『これからは俺が稼ぐから、家を代わりに守ってくれないか』って言われてね」
「正直助かります。俺も父さんも家事がお世辞とはいえ得意ではないですから」
本当に俺も父さんも家事はある程度できるが、胸を張って得意とは言えないんだよな。
「幸と真菜は保育園ですよね」
「そうね。やっぱり同じ年の友達は欲しいだろうし、ここに住むことになったから、転園することになったのよね」
「俺が送り迎えをしましょうか?」
「いいの?」
「はい。学校まで歩いて20分ぐらいで、始業時間は8時40分ですからね」
「それならお願いしようかしら」
「・・・まな。つぎからはおにいちゃんがいっしょにほいくえんにいくって」
「ほんとに?」
「うん、そうだよ」
「やったーーーー!!」
この時の真菜のテンションの高さに驚きつつ、幸も喜んでくれていた。その笑顔に癒されて、今までの女性にされてきた苦しみが無くなりそうになる。
「2人も嬉しそうにしているから、お願いね圭太君」
「はい、任せてください・・・・母さん」
「っ!!えぇ、お願いね」
こうして、家族になった俺は朝と夕方に新しい仕事ができるのだった。