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iPSってチートだよね?  作者: 一秋
ここからが本編!
9/74

さて、何から始めるか?

 空想(で書いている)科学(っぽい)小説です。

 展開や表現にご意見があれば頂戴できればと思いますが、温かい目でお読みください。



「さて、どこから進めるか?」

 秘密の研究室に戻った俺はプランを考える。

 以前は歯や尿から細胞を採取していたが、現在は血液からでもiPS細胞を作ることができる。

 開祖からは定期健診のついでに余分に採血してあるそうだ。血液から採取した細胞に4つの因子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)を導入することで多能性と増殖性を得られる。

 どのように導入するかはいくつかの方法があるが、俺はレトロウイルスを使わずにプラスミドを使う。ステップの第一歩だ。

 できたiPS細胞をいくつにも増殖させる。遺伝情報は全てが同じなのだが、なぜだか増殖スピードに差がでたり、分化の仕方に得手不得手があるようだ。ゆえに数多くのIPS細胞をつくり、その中から目的にあった機能を持つ細胞を選ぶ必要がある。


 まず開祖の血液からiPS細胞を作り出すことは成功した。俺にとっては確立された技術だ。

 それを増殖させ、機能を見極める。ここに経験が生きてくる。増殖するまで数日かかるため、その間は手が空くので束の間のバカンスを楽しむ。

 手付金を受けとっているのでここぞとばかりに栄養を摂る。普段はサプリで栄養補給することも多いが、食事から摂れるのはありがたい。心身共に万全でなければ研究もうまくいかないからな。


「はあ~、温泉でも行きたいなぁ」

 今の俺を縛るものは何もない。金もある。

「よし、行こう!」

 折角なら部屋に温泉がついてる宿がよいな。夕食は懐石料理!

 検索すると様々な温泉地が出てくる。


 その中から一つを選びネットで予約する。100㎡を超える広さに部屋付き露天風呂、なんと部屋にビールサーバーもついている。飲まないけどさ。ラウンジでは日本酒、ワイン、珍しい焼酎なんかも飲み放題だ。勿論ソフトドリンクも飲み放題。夕食は目の前で板前さんが作る5万円の会席料理、朝食はメインを決めてのハーフビュッフェ。折角だから2泊3日で丸1日温泉を堪能するぞ!


 いや~、美味しかった!温泉に浸かり過ぎてお肌もすべすべだ。以前の俺には払えなかった30万円も痛くはない、これは研究に必要なのだ。

 心機一転、これで明日からの研究に打ち込める。


 作業は機械化されており、順調にiPS細胞は増えている。それをいくつもの株に分けて、更に増殖させる。それぞれの株の適性を見極めて、クローン開祖と男性化開祖を生むのに適した生殖始原細胞を作るための選別をする。

 そこから生殖細胞をいくつも作り、受精させてある程度成長を見極めてから更に選別を行うというようにいくつかの手順を踏まなければならない。手間も時間もかかるのだ。


 しかし、受精させる前に大きな問題があったのだ。

お読みいただきありがとうございます。

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