俺は庇護を得られるのか?
庇護を得るためにはそれなりの対価が必要ですね……。
「五条院さん、開祖様ミコ様の神の御業についてですが……
もし、そんな力が人間に発現すると知られたら大変なことになります。
ミコ様だけなら表には出られることはないので大きな問題になることは少ないかもしれません。
しかし、それに私が関わったことが誰かに知られてしまうと私の命が危ないかもしれない。
それは開祖様の若返りが不可能になることを意味します。
さらに、ミコ様の力を解明しようと誘拐などが起こるかもしれません。
それだけの危険性を持った力になるのです。
開祖様の遺伝子を持つミコ様だからこその力の発現の可能性なのです」
五条院が目を閉じ、しばらく考え込む。
「………わかりました。
我が教団の全力を持って金剛寺様をお守りします。
それは開祖様の健康を維持するために必要な方だからです。
開祖様の御典医としての地位を与えましょう。
そして、対外的には教団の女医を御典医として発表します。
しかし、執行部内においては金剛寺様に同等の立場を保証し、
教団としては執行部の主治医として取り扱うことにすれば、
信者達も金剛寺様をお守りするでしょう」
世界規模の教団がバックに着けばどんな大国であろうと手を出せないだろう。
そして、宗教家の超能力なんてありふれたネタを本気にしないかもしれない。
「金剛寺様
ただしお二人に神の御業が降りてこられた場合には……の話しです。
お二人が危険にさらされる状況になるなら、金剛寺様を神敵と認定し世界の果てまで追い詰めます。
よろしいですね?」
「勿論です。決してお二人を危険な目には合わせません」
五条院の冷たい眼差しに背筋が凍った……。
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