次の実験?
真面目なセバスは訓練に励みます
本業が立て込んできたため更新が数日後になるかもしれません
セバスは目標である拳大の石をそこそこの速度で弾き飛ばせるようになった。
勿論、ある程度の重さまでは軽ければ軽いほどその速度は上がる。
軽すぎるものを弾き飛ばすのは空気抵抗もあり、そんなに速度は出ないのだが……。
今度は物を引き寄せる能力を育てることにした。
まずは机の上のものを引き寄せる練習から始める。
既に物を引き寄せる能力自体はある程度まで発現させていたが、どこまで育てられるかの検証だ。
例によって机の上に俺の顔写真が貼られたブロックがある。
今回はそれに錘を付けて引き寄せる能力の向上を目指す。
再び机に向かって訓練の日々が始まったが、今回は発現した能力を育てることが目標なので俺が同席する必要はない。
その間にカネルの体細胞から作ったiPS細胞に高電圧による蛍光灯の破壊における衝撃波を当てて、SP器官に分化するSP細胞をつくる作業に入った。
これでSP細胞に分化した場合は再現性があると言えるだろう。
研究の世界において実験の再現性はかなり難易度が高い。
もし、他の研究者が他の研究室で俺と同じことをやってもSP細胞に分化しないかもしれない。
俺がこの研究室で成功したのはこの研究室だからかもしれないし、俺の細胞で作ったからかもしれない。
だからこそ、カネルの細胞での実験は分水嶺となる。
カネルで出来たなら、他の人間でも可能だと推測されるからだ。
もし、成功しなかった場合は保管してある多くの人間の細胞を使って成功するのかしないか?
成功した細胞があればなぜ成功と失敗がわかれたのかの検証が必要となる。
マウスで発現し俺の細胞でも成功したのだから、失敗した場合は分化を妨げる要因があったと考えられるのでその要因の検証も必要となる。
それには時間が足りない……。
まずはカネルの細胞がSP細胞に分化するかの確認だ。
小分けにされた容器内にカネルから作ったiPS細胞が浮かんでいる。
既に蛍光灯の破壊は終わっているので、分化するかを観察する。
(蛍光灯の製造が終了するからそれまでに多量に仕入れておかないといけないかもしれない……)
俺の身の回りの世話は全てカネルに任せているので家事の負担がほぼなくなった。
しかも、食事は格段に美味しくなり、健康にも配慮されたメニューとなっている。
食べたい物を言えばそれを好きな時に食べることができるようにもなった。
こんなに楽になるのならもっと早く作っておくんだった……。
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