能力は育ったか?
無事に育ったのでしょうか?
まずは「使える」能力に育てることにした。
そうなればカネルの権力的防御とセバスの物理的防御により俺の安全が保障されるからな。
優先順位は
①物を弾く
②物を引き寄せる
③それ以外の能力があるか?
となる。
万が一で怖いのは何かが飛んできたりして俺に当たること。
それを防ぐには瞬時に発動できる「物を弾く」能力が役に立つ。
まあ、俺がセバスの視界に入っていないと難しいが、そんな場面で俺から目を離すことはないだろう。
まず育てなきゃいけないのは瞬間的に発動できるようにすること。
発動までの時間は1秒を切るようになったが、それを瞬時にまで育てる必要がある。
次にある程度の質量を持つ物でも弾ける事。
ビー玉一つも弾けないようでは困る、できれば拳大の石くらいは弾けるようになって欲しい。
それができてから物を引き寄せる能力を育てることにしよう。
これまでの様に目の前のブロックを弾くことの繰り返しだ。
発動までの時間短縮を目的としているので、目の前に信号機を置き、赤ランプが緑に変わってからブロックが飛ばされるまでの時間を計測し表示されるようにした。
セバスのやる気に火が付いたようで、本当に少しずつではあるが毎日タイムが短くなっていく。
0.1秒を切れるようになったので、プラスチックのブロックが机から落ちるまでの時間を計測し表示するようにした。
机の端からの距離を伸ばし、ブロックを飛ばすときのスピードを意識する。
今まではブロックが押し出される感じだったが、訓練を続けていくうちにブロックが射出されるくらいの勢いで飛ぶようになった。
このまま鍛えると指弾として使えるかもしれないが、ひとまずはブロックを重い物に変える。
飛ばすスピードが軽いブロックと同じになったから、更に重い物に変えた。
今はゆで卵くらいの重さのブロックまで飛ばせるようになった。
目標までもう少し……。
勿論、訓練の合間にはカネルによる執事の研修も行っている。
覚えることも沢山あるはずだが、一回聞いたことはほぼ覚えてしまうらしい。
生まれたばかりで覚える能力が高いのか?
驚異的な身体制御能力といい俺のクローンとは思えない……。
俺への忠誠心の賜物かもしれない。
ちゃんと訓練の合間にはハイカロリー&高たんぱくの特製ドリンクをジョッキで補給している。
ちなみに、顔が俺と瓜二つだからセバスには顔の上半分を覆う白い仮面を被らせている。
ミステリアスな雰囲気が漂い、いい感じになった。
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