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iPSってチートだよね?  作者: 一秋
新たなる研究のはじまり
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どうやって確かめる?



SP器官の能力が発現するにはどうしたら良いでしょう?





 毎日同じことの繰り返しだ。

 しかも、適切に休憩を取らなければならない。


 午前中に10分実験し、1時間休憩する、それを3セット。

 午後にも同じ実験を3セット。


 これでセバスは疲労困憊だ。

 折角SP器官が定着したのにセバスを失うことはできないからな。



 どうすれば能力が発現するのだろうか?

 能力がマウス限定ということはないよな?


 マウスに発現したのはキャラメルに対してだから、セバスも執着のあるものになら発現するのか?

 

「セバスの手足を拘束して、目の前に鍵を置いてみる?」

 (鍵が近づいても上手く開錠できないかもしれない)

「セバスを檻に入れて食事を与えずに少し離してガムシロップを置く?」

 (彼に気の毒だし、俺への忠誠心が揺らいでも嫌だな。セバスがエネルギー不足になったら実験にならない) 


 よし、とりあえずはブロックをやめて、キャラメルにしてみるか?

 動かせたら、食べてもよいとすればモチベーションも上がるだろう。




 もう少し、もう少し何かあれば発現しそうなのに……。



 セバスの休憩中はぐったりしている、カロリー補給も忘れない。


「ご主人様~、おやつにパンケーキを焼いたでふ♪」


 カネルがお皿に乗せたパンケーキ、メープルシロップとバターを器にいれて持ってきた。


「あっ!」


 俺が床に落としたペンを踏んだカネルが転んだ拍子にナイフとフォークが宙を舞い、俺に向かってきた。


「ご主人様!」


 セバスの叫び声と共に、ナイフとフォークは空中で何かに弾かれたように方向を変えた。


「セバス!?」

 

 彼を見るとこちらへ手を伸ばし、鼻からは一筋の血が垂れていた。


「セバス!大丈夫か?」


「ご無事でございましたか、ご主人様」


 それだけを言うとセバスは気を失った……。



 数時間後、セバスが目覚めたときはホッとした。

 

 自分そっくりのクローンに目の前で何かあるといい気分はしないからな。


「セバス、何が起きたか覚えているか?」


「ご主人様が危ないと感じ、必死に何とかしなければと思いました」


「それで、どうした?」


「あのナイフとフォークが当たってはいけないと強く思いました。

 すると急に頭の中が熱くなり、ナイフとフォークの方向が変わりました」


「ありがとう、セバス。お前のおかげで俺は助かった」


「それは何よりです、ご主人様。

 私もお守りすることができて役目を果たすことができました」


 脳にかなりの負担がかかる様だ、使える頻度は追々観察していくしかないな。


「しかし、あの感覚はまだ自在に使える気がしません」


「初めてのことだったからな。

 意識を失っている間に検査をしたが、脳が熱を持っていたことと血流が増大していたことが解った。

 少し負担になったかもしれないが、それ以外に異常はなかった。

 今日はもう休め」


「はい、ご主人様」


 セバスは再び眠りについた。




 

お読みいただきありがとうございました。


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