庇護が必要かも?
今までどおりの生活はできないかもしれない……
他のマウスについてもキャラメルの実験を継続していたら、Hのついたマウスは1週間でキャラメルにありついていた。
これは本格にヤバい……、強大な権力を持つ者に知られたら……。
いくらカネルがカニキスタンの外交官とはいえ、その程度では話にならない。
それこそ超大国が目の色を変えて欲しがるだろう。
かと言って大国に庇護を求めたらあっという間にパワーバランスが崩れてしまい、世界征服を企みかねない。
いっそのこと、北の大国にでもこの技術を売れば俺は北の大国で好き放題に生きることができるかもしれない。しかし、それ以外の国からは命を狙われかねない。そんな生活はごめんだ。
超大国並みの力を持ちながらも覇権主義ではない国……、いや国に限らないな。
世界規模の力を持つ平和主義者の団体……、思い当たる節は1つだ。
世界一のベストセラーを発行している団体ではない。
あの団体は表向きは穏やかだが、様々な宗派に分かれており、過激な思想を持つものもいる。
そんな団体に研究成果を渡すわけにはいかない。
俺が対象とするのは……そう、スメラギノミコトが開祖の宗教団体『天晴宗』だ。
彼女らは平和主義者であり、この力を知ったとしても悪用はしないだろう。勿論、ほんの一握りの人間にしか教えないつもりだ。
スメラギノミコトもしくはスメラギノミコに神の使途たる力を発現させる提案をすれば五条院なら受け入れてくれるだろう。信者は10億人ともいわれ、どんな小さな国にも支部がある。
もし、開祖の意向に背けばどんな国でも機能がマヒする。
国を動かしているのは男だとしてもそんな男たちの家庭を守っているのは女性なのだ。
勿論、先進国では女性の地位が高く、国会議員の何割かは女性なのだ。
女性のネットワークを侮ってはいけない。
その前にどんな能力があるのか人体実験が必要なのだが、どうしたものか……。
カネルに移植をするか?それとも実験用に新たな素材をつくるか?
万が一、うまくいかなかったときにカネルを失うのは痛い、イギリスに留学までさせたのに。
よし、実験用に新たな部下を作ろう。成功し、どんな能力を発現するかが判明したらカネルにも移植を検討しよう。
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