賢者誕生?
未知の臓器の働きとは……
ちょっと短めです
ひょっとするとHF1は少し賢くなっているのかもしれない。
彼女にスカーレットと名付けた。
もし、スカーレットがギリギリ届かない距離にキャラメルを置いたらどのような行動をするのか?
(もしかして舌が伸びてキャラメルを舐めたりして……)
そんなくだらないことを考えながらスカーレットとキャラメルを観察する。
スカーレットはキャラメルに前足を伸ばすが届かない、届かないことが分かるとあきらめきれないのかじっと見つめている。
もう30分も経ってしまった。
実験用のキャラメルを追加するので食糧庫に取りに行ってきた。
「えっ!?」
置いていたキャラメルがない……。
スカーレットがキャラメルを食べている……。
どうやって?
慌てて観察用カメラからメモリを外して、新しいものと取り替えた。
パソコンにメモリを接続して映像を確認する。
スカーレットがキャラメルを見つめている、目が血走っているかのようだ。
突然画面がブレて映像が乱れた。乱れる直前、一瞬キャラメルが震えたように見えたのは気のせいか……?
映像が回復したときには既にスカーレットがキャラメルを食べていた。
映像の乱れは偶然なのか、どうやってスカーレットはキャラメルを手に入れたのか?
もう一度、キャラメルをスカーレットの前に置いてみよう。
今度は俺も体勢を整えて本格的な長期戦で観察に臨むしかない。
しかし、スカーレットは満足したようでゲージの隅で蹲っている。
(本当にスカーレットの舌が伸びたとか?)
今日はここまでにして、実験は明日にしよう。
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