オーガさんは有能?
今回はちょっと短めです。
俺の考えを理解してくれた閣下のおかげで、これまで通りの生活を続けながらカネルは外交特権を手に入れることができた。
実際に外交官になるには相手国への打診と合意が必要であり、少し時間がかかるらしい。いくら独裁国家の元首といえども外国にそこまでの無理はいえないのだろう。しかも、特に目立ちたくないカネルの件は通常書類に紛らせての処理を狙っているようで、3週間程かかるらしい。
その間は「ハイクラス」でのんびりしても良いのだが、一度研究室に帰って設備の維持管理の確認が必要だろう。今回、こんなに長期間留守にする予定ではなかったからな。
オーガさんにその旨を話すと、あっという間に2日後の帰国をセッティングしてしまった。
帰りもプライベートジェットで、ここの空港までと向こうの空港から希望地までの車を手配してくれるとのこと。
次に来るのは3週間後になるが、選抜試験は競技者としての寿命が長い人間を選抜するようで、若い人に絞って選ぶので時間がかかるだろうとのことだった。
若いと言っても納品時の年齢が18~25歳までになるだろう。
じっくりと時間をかけて家系図や先祖の遺伝的事項まで審査するので1~2年は掛かるかもしれない。
本来、カネルは外交官に就任してからの入国が望ましいので、今回もプライベートジェット&大使館の公用車で隠密入国となる。
「ハイクラス」でのオーガさんによるカネルの研修も続けたかったが、研究室のメンテナスは最重要課題だ。カネルを置いて帰っても良かったのだが、俺の世話をすると譲らないカネルに負けて一緒の帰国となった。
待ち合わせをした街でコッソリとベンツから降りた俺たちは肩の荷が下りたように伸びをした。
「う~ん……快適ではあったけど肩が凝ったな」
「そうでふね、ご主人様。あとでカネルがお揉みしまふ!」
2人で買い物を済ませ、船を乗り継ぎ研究室へと戻った。
選抜試験の前に俺も研究を進めておくか……。
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