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iPSってチートだよね?  作者: 一秋
ほんの足慣らしの依頼
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俺特製の培養液のおかげ?

リハビリで書いています。

まさに空想(で書いてる)科学(っぽい)小説ですので、温かく見守ってください。


誤字脱字の指摘、感想は大歓迎です。



執事の名前を勘違いしていたので訂正しました。 ボーガ → オーガ


「老師!」

 セカンデュー氏の声が弾んでいる。

 これまでの「先生」呼びから変わった・・・?


 俺はまだ「老」がつく歳ではない。

 この国では敬意を払う相手を先生と呼ぶ。これまでは「先生」と呼ばれていた。

 しかし、今日は「老師」である。別に滝のそばで鼓動を年間10万回に制限していたりはしない。

 これはもう、かなりの尊敬が向けられているようだ。

 ダルマン氏が活躍したのだろう。


 この協会のトップは独裁者である。ゆえにナンバー2とはいえ、実質的に支配しているのはセカンデュー氏である。そして彼は政府でも相当な立場にいる。そんな彼に尊敬を込めて「老師」と呼ばれるなんて・・・


 次の仕事に向けて読んでいた論文を置き、ドアを開ける。


「老師! さすがですね。老師の研究は素晴らしい! 今日の訓練でダルマンがこれまでの記録と同じ重さを上げました」


 それはダルマン氏の努力の成果ではないか?そう思いながら勘違いに便乗しておく。


「いや~、もう成果がでましたか。私の言ったとおりになったでしょう?」

「ありがとうございます!つきましては老師にお部屋を移っていただきたく・・・」

「この部屋でも十分ですが?」

「いやいや、老師にはこんな部屋では申し訳ない。あの建物の部屋に変わっていただきます」

 そう言って施設の真ん中に立つ30階建てのビルを指さす。

 体育施設を集めたここの施設は大きなものでも東京ドーム並みの高さしかない。その中であの建物は異彩を放っていた。


「あちらは政府高官のみ使用が許されている最高級施設です。ぜひ、老師にはあちらで過ごしていただきたく……」


 これはセカンデュー氏だけの意向ではないな。独裁者からのお勧めだろう、断ればセカンデュー氏の立場に影響しそうだ。


「わかりました。あちらの施設にお世話になります」

「ありがとうございます!!」


 セカンデュー氏がホッとした表情になった。


 この部屋も今日でお別れか、別に愛着があるわけではないが、ようやく落ち着いてきたところだったが、手早く荷物をまとめる。頼んであるランドリーサービスは向こうの施設に届けてくれるらしい。


 セカンデュー氏は多忙のようで、以降は専属執事バトラーがつき、全ては彼に任せればよいようだ。

「はじめまして、金剛寺様。私はオーガと申します。以後なんなりとお申し付けください」

 洗練された物腰で挨拶される。しかし、オーガ・執事(バトラー)……。惜しい、聖戦士ではないようだ。


 執事の案内で建物を移る。便宜上、こちらをハイクラスと呼ぼう。正式名称は長いので聞き流す。


 当然30階は独裁者専用なのだが、俺は27階の部屋に通される。29階を大臣が使用するのは30階のセキュリティを考えてのことだろう。28階は食堂や展望室があり、国賓などの接待に使われるらしい。27階は国外の来賓として最高の待遇らしい。この国の金メダルに掛ける想いはかなりのもののようだ。


 案内されてドアをあけると、50畳くらいのリビングが目に入ってくる。床から天井まで全面ガラス。シャワーブースやトイレまで外壁はガラス製だ。これでは落ち着かない。勿論、トイレの壁面の下半分は曇りガラスになるようスイッチがあった。

 楽しくなって各部屋を探検する。なんとトイレが4つ、シャワーブースが4つ、浴室も4つある。トイレやシャワーは外壁に面していない物もあるので安心だ。ベッドルームが5つ。専用のキッチンがついていて、専属シェフに好きな料理を作らせることも可能だ。さらにメイドさん用の控室があり、24時間対応してくれる。

 もともと、外国の使節団などを想定しているらしいが、さすがに一人は落ち着かない。勿論、メイドもつくようだ。しかも、()()メイド服だ。ゴシック調で落ち着いた色合いながらのニーハイ!独裁者とシンパシーを感じる。


 これまでも不自由を感じたことはないが、更なる好待遇とは何が待っているのか・・・


お読みいただきありがとうございました。

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