目玉焼きって難しい……?
簡単な料理の代表格みたいですが……
浮かれているカネルは鏡の前でいくつものポーズを決めている。初めての下着だからな、嬉しいのかもしれない。
その間に冷蔵庫に食材を片付けた。
ようやくカネルが気が付いたようだ。
「申し訳ないでふ。ご主人様。プレゼントしていただいた下着が嬉しくてつい……」
「いいじゃないか?初めての下着だし、うれしくなるよな」
「でもご主人様のメイドとして失格でふ……」
「まだ目覚めたばかりなんだ、これから徐々にできるようになればよいさ」
そんなことで怒ったりはしない。落ち込んでるカネルも可愛いな……。
「それより、料理はできるか?今晩から頼みたいんだが」
「知識としてはありまふが、やってみないと……」
そりゃそうだ、包丁も握ったことがないんだから……。
まずは簡単に目玉焼きでも作ってもらうか。
「じゃあ、夕食前に目玉焼きを作ってくれるか?」
「はい!ご主人様」
仕事着であるメイド服に着替えて、長い髪をツインテールにしたカネルがキッチンへ行った。
それくらいなら任せていおいても大丈夫だろう。
グシャっ!異音がする。
キッチンに行くと、カネルが泣きそうな顔で卵を握りつぶしていた。
彼女の力を忘れていた……。
知識はあっても、卵を割るときの力加減なんてやってみなけりゃわからないからな。
まずは優しく卵を握るところから始めた。平らなところに適度な力加減で打ち付けて殻にひびを入れるところまでで6個の卵が犠牲となった。
今日は目玉焼きをやめて、オムレツにするか……。俺が2個でカネルが4個かな?
冷凍のラタトゥイユを入れたオムレツなら野菜も取れて栄養抜群……、いや、初めての料理だ。
無難にスクランブルエッグのラタトゥイユ添えにしよう……。
スクランブルエッグは作り方を伝えれば大丈夫だろう。
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