初めてのお風呂は不安だよね?
今回はちょっと短めです。
次回以降に取り返せると良いな……
「えっ?今、何て言った?」
「ありがとうでふ。ご主人様」
語尾が「でふ」だと?多分まだ完全に覚醒していないのだろう……。そのうち正常に戻るはずだ……。
カネルの教育にそんなプログラムはなかったはず……。
さて、気を取り直そう。まずは自分で動けるようで何よりだ、この体重をケアするのはかなりの重労働だからな。
カプセルから出したときに一応体を拭き取ったが、この体重ではきれいにしきれていないかもしれない。まずは風呂に入ってもらおう。そのくらいは俺が準備する。
「カネル、まずは風呂に入ってきなさい」
カネルは返事をせずに、俺の指示を咀嚼しているのか顎に人差し指を当てて、
「ご主人様、私の知識にお風呂はありまふが、入り方がわかりません。教えてほしいでふ」
確かに、初めての入浴は一人では不安だろう。仕方がない。
「では、最初だけ入り方を教えるからな。しっかり覚えるように」
「はい!」
カネルが満面の笑みで答える。そんなにお風呂が楽しみなのか?確かに湯船に浸かった時の気分は何物にも代えがたい癒しではある。
バスタブにお湯が溜まったようだ。いつものメロディーが流れ、「お風呂が沸きました」と音声が流れる。
カネルがビクッと反応して、
「ご主人様、他にもメイドがいるでふか?カネルが一番ではないのでふか?」
「あれは、お風呂が沸いたことを知らせる自動音声、ブザーのようなものだよ」
「なるほど、そんなものがあるのでふね」
さすがにそこまでは教育プログラムにはなかったな、今後は入れるようにしよう……。
さて、カネルをお風呂に入れるか……。
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