君の名は……?
ちょっと短めです。
ようやく名前が……
う~ん……さすがに某アイドルのち女優と同じ名前は付けづらい……。
家政婦兼研究助手兼料理人だからな……彼女の名前は「カネル」にしよう。
そろそろ彼女が目覚める頃合いか?培養カプセル内での教育が上手くいっているとよいのだが……。
彼女が寝ているベッドのそばで椅子に座り様子を見ている。
心拍数血圧共に常人よりは高めではあるが彼女にとっては安定した数値だ。
「う”……」
声が漏れる。
「あ”、あ”う”……」
カネルが目を開ける。全身をブルっと震わせて、体を起こす。貫頭衣を着ただけの全身をまさぐる。
周囲を見渡し、俺と目が合う。
「ゴシュジンサマ コノヨウナ スガタデ……」
発声はまだぎこちないものの、この様子ならすぐに慣れるだろう。
「まだ、休んでいなさい。体の感覚が十分ではないだろう?それと、君の名前は『カネル』だ」
「カネル……」
そう呟いてベッドに体を横たえ、目を閉じた。
いきなりのご主人様呼びか……培養カプセル内の教育は順調だったようだ。
半日が経ち、日が沈むころにカネルが目覚めた。
「俺のことはわかるか?」
「ハイ ゴシュジンサマ」
「体の調子はどうだ?なにか不具合はないか?」
「エネルギー ノ ホキュウガヒツヨウデフ」
そういえばカプセルから出して点滴による水分と栄養補給しかしていない。
カネルの必要カロリーからすれば足りないのだろう。だからなのか少しぼんやりとした反応のようだ。
固形物を食べさせるのはまだ不安なので、ガムシロップをマグカップで飲ませる。その後、脂質とタンパク質を混ぜたリキッドタイプの栄養食を与える。
全部を平らげたカネルは一息ついたようだ。
「ありがとうでふ。ご主人様」
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