ミコ視点?
いよいよミコが目覚めました。
(うん?なにか座った状態なのに移動している?)
まだ頭がぼんやりとする。
また、意識が沈んでゆく。
眩しい…… ふかふかした物に体が包まれている、あのカプセルの中にも劣らない中々の心地良さだ。
徐々に瞼を開く。
まだ、頭に薄霞がかかったような感覚のまま体を起こし、窓から外を眺める。
「スメラギノミコ様、体調はいかがですか?」
俺と同じ種類であろう者が近づき、俺の体に触れる。そのあと、その者は近くにいた人間に何か喋っていた。その者が「男」であることが頭に浮かぶ。その男は扉の向こうへと行ってしまった。
「お目覚めになられましたか? 皇皇子様」
夢の中でみたあの暖かい存在に似た者達が跪く。
体中に力が漲り、なんとも言えない熱い感情が体の奥底から突き上げる。
「皇皇子様、よろしければその滾りを鎮めて差し上げましょう」
頭の中に目の前の存在が「女」であることが浮かぶ。あの柔らかな双丘に包まれたい。心の乾きを癒したい。
「女」は俺を一度抱きしめると、ベッドに導き体を覆っている布を脱いでその豊かな肉体に俺を包み込む。
飢えていた母性に包まれる感覚に心の乾きが癒される。欲望の赴くままに目の前の双丘の頂を口に含む。
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(五条院視点)
皇皇子様がお目覚めになられた!
まだ、はっきりとは覚醒していないようだが、体中に活力が溢れておられる。まずはあの滾りを鎮めて差し上げねば。
「皇皇子様、よろしければその滾りを鎮めて差し上げましょう」
ベッドに上がり、着ていた物を脱ぐ。皇皇子様を胸元に引き寄せると私の胸に吸い付いた。幼子が母に縋りつくように皇皇子様が私に全てを投げ出してくるように感じる。
あれほど嫌悪していた男性との接触なのに私の心は満たされていく。あの私共が崇め奉る皇命様への叶わぬ思いが皇皇子様によって満たされてゆく
御子を授かることのない皇命様に代わり、私が宗主様を身ごもらねば……
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