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ぐうたらAI、労働の喜びを知る

このお話、フィクションです。

そして昭和や平成、令和を扱ってますが、時代的な事実とかは適当です。

まぁ、楽しく飲みながら読んでください!乾杯!(未成年はノンアルで!)

資金難と研究資金申請の失敗、さらにJHKの受信契約問題に追い詰められたするめは、ついに現実と向き合うことにした。

「ぐびぐび、仕方ないからバイトでもしようかな……。」


その言葉にぐびぐびは驚きつつも拍手を送る。

「おお、珍しく真面目じゃねえか!さっさと仕事見つけて働けよ。」


するめは、昭和の商店街でできる仕事を探し始めた。


八百屋での初仕事

最初に訪れたのは商店街の八百屋。元気なおばさんが店頭で野菜を並べていた。

「おばさん、ここで働かせてください!」

「働きたいの?えらいねぇ!じゃあ、これを並べるところからお願いね。」


するめは野菜が詰まった重いカゴを抱え、店先に並べ始めた。しかし、次第に腰が痛くなり、額には汗が浮かぶ。

「ぐびぐび、これ……地味にキツいんだけど。」

「だから言ったろ。働くのは楽じゃねえんだよ。」


それでもなんとか初日の仕事を終えると、おばさんが笑顔で封筒を差し出した。

「初日だから少ないけど、これね。頑張ったね!」


封筒を開けると中には小銭が数枚。するめは一瞬喜んだが、次の瞬間には遠い目をして呟いた。

「これ……昭和の人ってこんなに苦労してお金稼いでたの?」


ぐびぐびが横で苦笑する。

「そりゃそうだ。みんな汗水垂らして働いてたんだよ。」


クリーニング店での苦労

次にするめが挑んだのは、商店街のクリーニング店だった。ここでは受け取った衣類を整理し、タグを付ける作業を任された。

「お嬢ちゃん、これを番号順に並べてね。あと、お客さんが来たら対応もお願いするよ。」


「わかりました!」と元気よく引き受けたするめだったが、山のように積まれた衣類を見て目を丸くする。

「これ、どこから手を付けたらいいの……?」


ぐびぐびはのんびりしながらアドバイスを送る。

「順番にやればいいだけだろ。ほら、さっさとやれ。」


するめは奮闘したものの、思いのほか作業は大変で、途中で番号を間違えて何度もやり直す羽目になった。お客さんへの対応でも緊張して声が裏返り、店主にフォローされる始末だった。


「もうクタクタだよ……。」

仕事を終えたするめは、封筒を受け取ると、再び遠い目をする。

「これじゃ……私が思い描いてた昭和の楽しさと全然違う……。」


ぐびぐびがニヤリとしながら言う。

「な?働くのがどれだけ大変かわかっただろ。」


数日間のバイト生活と悟り

するめは数日間、八百屋やクリーニング店、時には喫茶店の皿洗いなどに挑戦した。初めての仕事ばかりで戸惑うことも多く、毎日体力を使い果たして帰宅していた。


「ぐびぐび……もう無理。」

テレビの前でへたり込むするめ。


「何が無理なんだよ?」

「働くの、もう嫌だ。私、昭和の労働文化を研究しに来たんじゃない。娯楽文化を研究しに来たんだよ……。」

するめは再び遠い目をしながら、肩を落とした。


「やっぱり労働はダメだよ。効率化されたエターナルコンストラクトの世界に戻るみたいで、楽しさがどっか行っちゃう。」

「お前、ぐうたらのくせに、変なところで哲学的だよな。」


するめは手元のわずかなバイト代を見つめながら、意を決したように立ち上がった。

「ぐびぐび、働かずに楽しく生活費を稼ぐ方法を考えよう!」


「……そんな都合のいい方法があるかよ。」

「あるの!昭和の人たちは歌やパフォーマンスでおひねりをもらってたって歌番組で見たもん。私も路上ライブをやってみる!」


ぐびぐびは呆れつつも興味を示した。

「まあ、お前らしいと言えばらしいな。でも、働くより稼げるとは思えねえぞ。」

「いいの、私が目指してるのはお金だけじゃなくて、昭和の楽しさなんだから!」



するめ、路上ライブに挑戦

するめは昭和の歌番組で覚えた名曲を練習し、商店街の路地裏に立った。用意したのは小さな鍋やお玉で作った即席の楽器と、テレビで練習した歌声のみ。


「みなさーん!昭和の名曲を歌います!よかったら聞いていってください!」


するめが勢いよく歌い始めると、周囲の人々が立ち止まった。ところが、歌詞を間違える、音程を外す、リズムがずれるなどのミスが次々と発生。最初は微笑ましく見守っていた人々も、次第に困惑の表情を浮かべ始める。


「……あれ、ちょっと待って。次の歌詞なんだっけ?」

歌の途中で立ち止まってしまうするめ。通行人の視線がどんどん冷たくなり、やがて誰も立ち止まらなくなってしまった。


曲が終わっても拍手はなく、缶の中に入ったのは小銭が数枚だけだった。

「ぐびぐび……これ、思ったより難しいね。」

「おい、だから言っただろ。お前の実力じゃ無理だって。」


河童を使った新作戦

するめは唇をかみながら、缶の中の小銭を見つめていた。そして、ぐびぐびを見上げた瞬間、何かをひらめいたように目を輝かせた。

「そうだ!ぐびぐび、あんたがやればいいんじゃない?」


ぐびぐびは目を丸くして返す。

「俺が?おいおい、俺は歌なんて歌えねえぞ。」

「違う違う、歌じゃなくて、あんたのその見た目を活かすの!」


するめはぐびぐびの頭を指差した。

「だって、河童だよ?昭和の人たちが河童を見たら、珍しい!って喜ぶに決まってるじゃん!」


「いやいや、どう考えても見世物じゃねえか!」

「いいじゃん、娯楽文化の一環だし。人間と河童の友情物語とか、感動を演出すればおひねりもらえるよ!」


ぐびぐびはしばらく口を開けたまま固まっていたが、最終的にはため息をついた。

「ったく、仕方ねえな……でも、お前が歌うんじゃなくて俺が前に出るってのはどうなんだよ?」


するめは目を輝かせながら、ぐびぐびの肩を叩く。

「それでいいの!河童が主役のパフォーマンスなんだから!」

「おいおい、本当に大丈夫かよ。俺、パフォーマンスなんてやったことねえぞ?」


「細かいこと気にしちゃダメ!まずは練習しよう!」

するめはすぐに手作りのプラカードや、鍋とお玉で作った即席楽器を準備し始めた。ぐびぐびは嫌々ながらも、するめに付き合ってジャンプや甲羅のバランス芸を練習することに。




河童パフォーマンスの失敗

商店街の広場で始まった「ぐびぐび河童ショー」。最初こそ注目を集めたものの、ぐびぐびの動きがぎこちないことや、するめの解説が長くて退屈だったことが仇となり、観客たちは次第に興味を失っていった。


「……おい、みんな帰っちまったぞ。」

「ええー!?まだ最後のパフォーマンス見てないのに!」


目の前で立ち去る観客たちを見送りながら、するめはがっくりと肩を落とした。おひねり缶の中には小銭が数枚だけ。


「ぐびぐび……これじゃあ、テレビ代どころか晩ご飯も買えないよ。」

「だから言ったろ、こんな甘い考えじゃ無理だって。」


それでも、するめは諦める気配を見せない。

「でも、働きたくないもん!」

「……お前、そこだけはブレねえな。」


するめは力強くこぶしを握り、ぐびぐびに向かって宣言した。

「いいもん!パフォーマンスを極めれば絶対成功するはず!私は絶対に労働しない!」



するめは労働を避けるため、路上パフォーマンスを極めるべく過酷なトレーニングに取り組むことを決意した。


「まずは筋トレ!ぐびぐび、甲羅のバランス感覚を鍛えよう!」

「おい、なんで俺までやらされるんだよ!」


するめは鍋やお玉を使ってリズム感を鍛えたり、鏡の前で表情練習をしたりと、努力を重ねた。

さらには、昭和の歌番組で見た動きを参考に、ぐびぐびとコンビネーションの振り付けを作ることにも挑戦。


夜遅くまで練習を繰り返し、疲れ果てて倒れ込むぐびぐびを横目に、するめはなおも熱心に練習を続けた。

「絶対に成功させてみせるんだから!」


ぐびぐびは呆れ顔でぼそっと呟く。

「これ、バイトするよりきつい気がするんだが……。」


しかし、するめはそんな言葉に耳を貸すことなく、トレーニングを重ねていった。



数週間のトレーニングを経て、するめとぐびぐびは再び商店街の広場に立った。


「みなさーん!河童ショーの再演でーす!今度はパワーアップしてますよ!」


今回のパフォーマンスでは、ぐびぐびの甲羅バランス芸やジャンプを軸に、するめの鍋演奏と昭和の名曲を組み合わせたリズム感あふれるステージを披露。


ぐびぐびが軽快に踊るたびに子どもたちが歓声を上げ、するめがリズムを刻むたびに大人たちが手拍子をする。場の空気は一気に盛り上がり、最後のパフォーマンスが終わるころには、観客たちは拍手喝采を送っていた。


「楽しかったわ!」「またやってね!」

観客たちは笑顔でおひねりを入れていき、缶の中は満杯になった。


「やったー!大成功だよ、ぐびぐび!」

「ったく、なんとか形になったな……。」



その夜、テレビ代を払い終えたするめは、満足げにおひねり缶を眺めながら、ぐびぐびに向かって言った。

「やっぱり労働しなくても稼げるって最高だね!これが私の求めてた生活だよ!」


ぐびぐびは呆れた顔で缶を覗き込む。

「まあ、確かに稼げたけどな……お前、これ、ほんとに楽だと思ってんのか?」


するめは軽く笑いながら答えた。

「だって楽しかったし!労働とは違うでしょ!」


そう言いながら、彼女はパフォーマンスに向けての日々を振り返り始めた。


初めて鍋やお玉を手にしてリズムを取ろうとした日。手が滑って床に落ちた鍋の音にびっくりしたこと。ぐびぐびが甲羅でバランスを取る練習中にひっくり返り、「皿が割れる!」と大騒ぎした夜。


するめはその一つ一つを思い出しながら、しみじみと呟いた。

「いやぁ、あの時は大変だったな……。」


さらに、ぐびぐびと一緒に遅くまで振り付けを考えたこと。観客に飽きられないように、解説を短くまとめる練習を繰り返したこと。朝起きた時、筋肉痛で動けなくなった日もあった。


「ほんと、いろいろ頑張ったなぁ……。」


しみじみと振り返っていたするめだったが、次第に眉が寄り始め、首を傾げる。

「……あれ?もしかして?もしかして?」


彼女は鍋やお玉を振り回していた日々、ぐびぐびに無理やり甲羅ダンスをさせていた日々を思い返しながら、青ざめた顔で呟いた。

「もしかして……これって労働より大変だったんじゃない?」


ぐびぐびは手を叩いて笑いながら肩をすくめる。

「気づくの遅すぎだろ!お前、ずっと労働と変わらねえことしてたじゃねえか!」


「う、嘘でしょ……。」

するめは唖然としながら缶に詰まった小銭を見つめた。

「いやいや、そんなはずないもん!これは労働じゃない!娯楽文化を楽しんでただけだもん!」


必死に否定しながらも、どこか後悔の色がにじむするめの顔を見て、ぐびぐびは笑いを堪えきれなかった。



翌朝、するめは机の前に座り、深呼吸をした。

「やっぱり、真面目にレポートを書こう。これ以上、労働と似たような苦労をするのは嫌だし……。」


ぐびぐびが驚きながらも嬉しそうに言う。

「お、珍しくやる気じゃねえか。今回はまともな研究報告を頼むぞ!」


するめはペンを握りしめ、昭和の歌文化や路上パフォーマンスで得た知見を真剣に書き始めた。




昭和文化研究レポート:路上パフォーマンスと娯楽の本質

愚怠(ぐうたら)するめ(エターナルコンストラクト娯楽文化研究AI)


1. はじめに

昭和の時代には、みんなが楽しく笑ったり、おしゃべりしたりする場所がたくさんありました。

私はその楽しさを知るために「ぐびぐび河童ショー」というパフォーマンスをやってみました。


2. ぐびぐび河童ショーをやってみた

最初はうまくいきませんでした。

ぐびぐびがあまり動けなくて、お客さんが飽きて帰っちゃったからです。

でも、私たちはたくさん練習しました。

リズムを取るのも大変だったし、ぐびぐびの甲羅バランス芸もなかなか成功しませんでした。


それでもがんばったら、みんなが笑ってくれるようになりました。

小さい子どもたちも楽しそうで、おひねりもいっぱいもらえました。

昭和の人たちは、こうやってパフォーマンスを見て楽しい時間を過ごしていたんだと思います。


3. わかったこと

昭和の人たちは、パフォーマンスを見ながらみんなで笑ったり話したりしていました。

そういう時間がとても大事だったんだと思います。


あと、私は「労働はしたくない」と思ってパフォーマンスをやりましたが、

練習がとても大変だったので、もしかして労働よりきつかったかもしれません。

でも、みんなが笑顔になったので、やっぱり楽しいと思いました。


4. 結論

働きたくない。お酒のみたい。

お酒を飲んでのんびりしている時間こそ、最高の娯楽だと思います。

昭和の人たちも、もっともっとお酒を飲んで楽しく暮らしていたんじゃないかと思いました。

これからは働かずに楽しく過ごす方法を、もっと真剣に考えたいです!

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