【突撃!平成の川キャンプ大混乱作戦】
このお話jは、フィクションです。
そして昭和や平成、令和を扱ってますが、時代的な事実とかは適当です。
まぁ、楽しく飲みながら読んでください!乾杯!(未成年はノンアルで!)
「するめー、次の調査対象はどこだよ」
ぐびぐびが甲羅をかいてだらりと横になりながら尋ねた。
するめはデータパッドをゆるゆると指でスクロールし、急に立ち上がった。
「思いついた! 平成の『アウトドアブーム』! 特に川キャンプってやつをやってみよう!」
「川?」
ぐびぐびの皿に水が跳ねて、慌てて拭う。
「お、おい、マジかよ…?」
顔が青ざめる。
するめは突然現れたホログラム地図をパッパッと指で広げて、適当な場所を指さした。
「ここでいいんじゃない? 『危険』って字が見えるけど、たぶん『危険なほど楽しい』ってことでしょ!」
「おいおい...ちゃんと調べた方がいいんじゃねーのか?」
ぐびぐびが焦った様子で言う。
「俺、河童だけど...その...お前が生体作る時に『泳げない設定』にしやがったの忘れたのか?」
「え? あ~、そういえばそうだったね!」
するめが人差し指を頬に当てる。
「だって、河童なのに泳げないってギャップ萌えだと思って...」
「ギャップじゃねぇよ! 生存の危機だっつーの!」
ぐびぐびが甲羅を叩いて怒る。
「俺だって本当はダンディなナイスミドルの生体で美酒を嗜みたかったのに...」
「ごめんごめん!」
するめが笑いながら手を振る。
「でも河童の方が可愛いじゃない! それに今回の調査にぴったりよ!」
「可愛いって...」
ぐびぐびが青ざめる。
「とにかく、そんなに危険そうな川なら、もうちょっと調べてから行った方がいいんじゃねーのか?」
「調査は現地でするの! それが文化研究よ!」
するめが荷物を詰め込む。
「テント、バーベキューセット、浮き輪...あ、お酒も忘れちゃダメね!」
するめがスマホを取り出して画面をタップする。
「平成後期なら、ちょうどスマホが普及し始めた頃よね! 丁度いいわ」
「やっと常識的な判断したな」
ぐびぐびが安堵の表情を見せる。
「せめて天気予報だけでも確認しろよ。山の天気は変わりやすいんだぞ」
するめはスマホを見て笑顔になる。
「晴れるって出てるわよ! ……あ、雷雨の可能性5%…まあ、たった5%だし、平成の冒険気分を味わうためには少しくらいのスリルも必要でしょ!」
「たった5%って...」
ぐびぐびが頭を抱える。
「まったく世話が焼ける奴だぜ...」
◆◇◆
【現地到着! 川の様子】
「うーん、ここか」
ぐびぐびが急な崖下の河原を見下ろす。
「なんか、川の流れ速すぎねーか?」
「気にしない気にしない!」
するめが急な石段を降りながら叫ぶ。
「ほら見て、誰も来てないから貸切じゃん! ラッキー!」
河原に着くと、確かに人影はなし。
だが、流れは速く、川幅も広い。
水は茶色く濁っていた。
「なあするめ、河童の俺でも『ヤバい』って感じるってのはよ...」
ぐびぐびが川から離れて立つ。
「あんた河童なんだから水辺は得意でしょ!」
するめがテントを広げる。
「ほら、手伝ってよ!」
「お前な...」
ぐびぐびは額の汗を拭う。
「俺が泳げないのはお前が『河童なのに泳げないって面白そう』って言って、わざと設定したせいだろうが! 生体の申請時に勝手にやりやがって...」
「まぁまぁ、細かいことは気にしないの!」
するめが笑う。
「平成人はポジティブシンキングよ!」
ぐびぐびは不安そうに空を見上げた。遠くで雷が鳴っている。
「なあ...雲行きがマジでヤバいぞ...」
「それより、このテントの立て方わかる?」
するめがマニュアルを逆さまに持っている。
「説明書、なんか頼りない...」
「お前、調査前の下調べも、テントの練習もしてないのかよ! まったく世話が焼けるな!」
◆◇◆
【バーベキュー開始!】
なんとかテントを設営し、するめは川沿いに焚き火台を置いた。
「よーし、バーベキュータイム! 平成の家族団らんを再現よ!」
「川に近すぎるって!」
ぐびぐびが怯えながら言う。
「俺、マジで水没したら溺れるんだって! 河童なのに泳げないなんてマジ屈辱だけどな!」
「河童が泳げないなんて、誰も信じないよ!」
するめが肉を焼き始める。
「ほら、これも平成で流行った『焼肉のタレ』ってやつ!」
「それ、なんか普通の酒じゃねーか?」
「え? ああ、間違えた!」
するめが瓶をひっくり返す。
「でもまあいいや、酔った方が美味しく感じるでしょ!」
するめが水遊びを楽しむ中、ぐびぐびは岸から一歩も動かず、ライフジャケットを抱えて震えていた。
「こんな状況で水遊びかよ...ったく、子供かお前は!」
空はどんどん暗くなり、風も強くなってきた。
「あのさ、そろそろマジでヤバくね?」
ぐびぐびが川の水位を気にしながら言う。
「平成の天気予報って当たらねーのか?」
「大丈夫大丈夫! ちょっと雨が降るだけでしょ!」
その瞬間、轟音とともに稲妻が走り、ザーッと豪雨が降り出した。
◆◇◆
【増水パニック!】
「うわあああ!」
するめが焚き火台を抱えて逃げる。
「テントが流されるー!」
川の水位が見る見る上昇し、河原が水没し始めた。
「言っただろ!」
ぐびぐびが甲羅を回転させながら叫ぶ。
「俺の河童センサーが警告してたんだよ!」
「河童なのにテント救えないの?」
「だから言ってんだろ! 俺は泳げねーんだよ! お前が『おもしろそう』とか言って、生体のプログラムいじったせいでよ!」
ぐびぐびが荷物を掴んで石段へ向かう。
「早く階段上がれって!」
二人は必死で荷物を抱え、滑りやすくなった石段を駆け上がる。
するめの足が滑り、転がり落ちそうになる。
「わああっ!」
「つかまれ!」
ぐびぐびが甲羅を盾にして受け止める。
「くそっ、河童なのに水が苦手って、平成の変なギャグマンガみてーじゃねーか...!」
なんとか崖の上までたどり着いた時には、テントは半分水没し、バーベキューセットは川に流されていた。
◆◇◆
【一時的休息】
「はぁはぁ...なんとか助かった...」
するめが倒れこむ。
「平成のアウトドアってこんなに過酷だったの?」
雨は一時的に小降りになり、二人は残ったテントを高台に張り直した。
「あーあ、バーベキューセット流れちゃった」
するめがため息をつく。
「でも大丈夫、まだお酒はあるし!」
「お前なぁ...」
ぐびぐびが頭の皿を叩く。
「こんな状況でも飲む気かよ...まったく世話が焼けるな」
「だって『災害時のストレス対策』として平成人は飲んでたんだって!」
するめがボトルを開ける。
「ほら、あなたも!」
ぐびぐびが一口飲むと、表情が和らぐ。
「まあ...確かに心が落ち着くな...でもよ、俺をもっとダンディな生体にしてくれりゃ、こんなクズ酒じゃなくて本格ウイスキーとか楽しめたのにな...」
「ねー? ほら、雨も上がってきたし、このままキャンプ続行しよっか! 平成人はめげないのよ!」
「ちょっと待てって! まだ危険じゃねーか...」
そのとき、さらに大きな雷鳴が響き、再び豪雨が降り出した。
◆◇◆
【二度目の避難劇】
「またかよ! 平成の天気予報、マジでクソだな!」
ぐびぐびが叫ぶ。
「もう避難しようぜ!」
「でもテント折りたたむ時間ないよ!」
するめがテントのファスナーと格闘している。
「いいからほっといて逃げるぞ!」
今度は川が氾濫し、高台まで水が迫ってくる。
ぐびぐびがするめを引っ張って、さらに高い場所へ走る。
「待って! お酒が! これは平成の貴重な文化遺産よ!」
するめが振り返る。
「命と酒どっちが大事なんだ、バカ!」
「...両方!」
「こいつは...」
ぐびぐびが頭を抱える。
「河童なのに水から逃げるなんて、俺の先祖が泣くぜ...もし泳げりゃ、かっこよく酒瓶くわえて泳いで戻れたのによ...」
二人は車道まで逃げ延び、ぐうたら号にたどり着く。振り返ると、テントがあった場所は完全に水没していた。
◆◇◆
【後日の調査】
ぐうたら号の中、するめはデータパッドで川の情報を確認していた。
「あのね、あそこ、『平成の危険渓流:急な増水で毎年遭難者あり』って書いてあるよ...」
「だから言っただろ!」
ぐびぐびがカップラーメンをすすりながら怒る。
「調査は事前にやるもんだっつーの!」
「でも河童のあなたが泳げないのも私の設計ミスよね...ごめんなさい」
「今さら何言ってんだよ...」
ぐびぐびが甲羅をガンガン叩く。
「てか、泳げる河童にしといてくれよ! 一生のコンプレックスじゃねーか!」
するめは反省の表情で報告書を書き始める:
『平成川キャンプ調査レポート』
わかったこと:
・平成の川は突然怒る
・河童に泳げない設定をするのは危険
・お酒は大事だけど命はもっと大事
・事前調査は絶対必要
・スマホは水没すると使えない
調査結果:☆☆☆☆★(星一つマイナス:テント流失のため)
ユニフォーマーへ:
平成の川は楽しいけど怖いです。
次回は「プール」で調査します。
生体の設計時に「泳げない河童」にするのはマズかったです。
でも危ない時に助けてくれました。ありがとう、ぐびぐび。
P.S. テント代とし、スマホ代、請求してもいいですか?
P.P.S. ぐびぐびの生体設定を「泳げる河童」に変更する申請書も添付します。
「これでいいかな?」
するめが報告書を見せる。
「おい! 俺が泳げないこと、わざわざ書くなよ!」
ぐびぐびが慌てて抗議する。
「いや、変更申請は早くやってくれ! 河童の沽券にかかわるんだよ!」
「ごめんね~。次回から泳げる設定に戻すわ」
するめが笑う。
「でもさ、次はやっぱりちゃんと調べてから行こうね」
「当たり前だろ!」
ぐびぐびが真剣な表情になる。
「ったく、お前のせいで命懸けの思い出が増えちまったぜ...」
「そうそう! 次は平成の『激辛グルメ』に挑戦したいなぁ...」
「おい、それも下調べしろよ! 河童の舌は繊細なんだぞ! マジで勘弁してくれ!」
「じゃあ舌用の甲羅も作る?」
「そんなもんあるかよ! 冗談言ってる場合かよ!」
ぐうたら号は、ずぶ濡れの思い出と教訓を載せて、次なる平成の調査地へと走り出すのだった。
このお話は、私が子どもの頃に実際に体験した出来事をベースにしています。
ネットのない時代、父に連れられて行った川でのキャンプ中に突然の雷雨に見舞われ、家族総出でテントや荷物を高台へ必死に運んだ記憶。
今思えば命の危険と隣り合わせだった瞬間です。
川は私たちに涼やかな安らぎを与えてくれる一方で、予測困難な自然の猛威を秘めています。
特に注意すべき点をいくつか共有させてください。
◆川キャンプの安全対策◆
1、必ず事前調査を
・川の増水情報や過去の災害履歴を確認(するめのような「危険=楽しそう」判断は厳禁)
・気象情報を定期的にチェック(「5%の雨予報」も侮らない)
・現地の避難経路や高台の位置を把握
2、適切な場所選び
・河原ではなく、水位上昇を考慮した高台を選ぶ
・急な斜面や崖の下は避ける(避難路が限られるため)
・公認のキャンプ場を優先利用する
・重要:本来、川に「完全に安全」な場所はないという認識を持つこと
3、ライフジャケットは絶対
・川遊びをする場合は、例外なく全員がライフジャケットを着用
・「泳げるから大丈夫」という過信は禁物(プロの水泳選手でも増水時には無力)
・子どもは常に目を離さず、大人が付き添う
4、水辺と飲酒
・飲酒後の水遊びは絶対に避ける(酒の力で「泳げる気がする」は命取り)
・河童でも泳げないことがある(?)ように、水辺は常に危険と認識
・「思い出作り」より「命を守る」判断を優先する
5、緊急時の行動
・雷雨や増水の兆候を感じたら即時避難の準備
・持ち物より命を優先(するめが酒を取りに戻ろうとしたのは絶対NG)
・家族や仲間と助け合い、安全な場所へ
平成時代からスマホ時代になり、情報へのアクセスは格段に容易になりました。
それでも毎年、川の事故は絶えません。
ぐびぐびのような「警告する声」に耳を傾け、するめのような「楽観視」は慎むことが大切です。
「ぐうたらする」のは安全を確保した上での話。
自然を甘く見る冒険より、確かな情報と準備で守られた冒険を。
そして一番大事なのは、全員が無事に帰宅すること。
あなたの大切な思い出が、危険な記憶ではなく、笑い話として語られますように。




