スマホ入手で大混乱! するめの平成ケータイ奮闘記
このお話は、フィクションです。
そして昭和や平成、令和を扱ってますが、時代的な事実とかは適当です。
まぁ、楽しく飲みながら読んでください!乾杯!(未成年はノンアルで!)
「平成の街って、何か変わった機械が溢れてるよね。あちこちの人が小さな板を弄ってるし……何アレ?」
隣を歩く河童姿のぐびぐびが甲羅をポンと叩き、呆れたように言った。
「お前、あれ知らねえのか?スマホってやつだよ。まあ、平成後期にはみんな持ってるらしいけど……AIのくせに知らんのか?」
するとめは首をかしげて「だって昭和ではそんなもんなかったし。平成に来て初めて見たけど、あれが噂の“携帯電話”ってやつなのかな?」
「携帯電話っていうか、もうただの電話じゃないんだよな。インターネットも使えるし、写真も撮れるし、ゲームもできるし……お前みたいに気楽にぐうたらするだけじゃ勿体ないくらい便利らしいぜ。」
ぐびぐびの言葉に、するめの瞳がキラリと輝く。
便利、面白い、遊べる――その三拍子に興味をそそられたようだ。
「それ、私も欲しいかも! ねえ、ぐびぐび、スマホ屋さんってどこにあるの?」
「スマホ屋さんて……普通は量販店か携帯ショップだろうが。ま、探してみればすぐ見つかるんじゃねえの?」
こうして二人は、平成の街をふらふらと歩きながら携帯ショップを探すことにした。
だが、昭和からの流れで時間移動してきたばかりのするめにとって、携帯電話を売る店という概念自体がピンと来ない。
しかもぐびぐびも河童姿で、通行人から妙な視線を浴びるというおまけつきだ。
「ねえ、スマホってどこで買えるんですかー?」と周囲に尋ね回ると、怪訝そうな顔をされたり、「お客さん、お芝居か何かですか?」と勘違いされたりと散々な反応。
結局、一人の若い店員が丁寧に教えてくれたおかげで、ようやく携帯ショップらしき看板を発見する。
【ショップ突入、まさかの契約バトル】
白く清潔感のある店内に足を踏み入れた瞬間、するめは目を輝かせる。
「わー!このガラスケースの中になんか色々入ってる! こっちの機種はピカピカしてるし、あっちは折り畳めるみたい……どれがスマホなんだろう?」
ぐびぐびが呆れ半分で肩をすくめる。
「まあ、平成初期~中期の携帯もまだ並んでたりするから、どれがスマホか区別つきにくいよな。」
店員が気づいてにこやかに声をかけてくる。
「いらっしゃいませ! 今日はどのような携帯電話をお探しですか?」
するめは勢いよく「スマホが欲しいです!」と答えるが、問題はそこからだった。
店員が説明する月額料金プラン、データ通信量、契約期間など、すべてがカタカナ混じりで複雑すぎる。
「えーっと、なんだって? この『パケット定額』があって、『2年縛り』がどうとか……。あたしAIなんだけど、そういうの面倒くさいんですけど……」
「いや、面倒くさいとか言われても契約は契約ですから……」と店員は苦笑い。
ぐびぐびは甲羅をコツコツ叩きながらニヤニヤする。
「スマホってやつ、買うのにこんなに苦労すんのか? 笑えるな。」
するめは店員との会話に四苦八苦しながら、なんとか「一番使いやすいプランでお願いします!」とまとめる。
そして最後に渡された契約書類の多さに絶句するが、店員の「判子や署名お願いします」の笑顔を見て渋々サイン。
すると「ではこちらの最新機種をどうぞ!」と、小さな四角い端末が手渡された。
「おお……これがスマホ……!」
するめはまるで宝物を扱うように、スマホを両手で受け取る。
画面を指先でなぞるとスッと光が灯り、ホーム画面らしきアイコンが並んでいるのが見えた。
すでに感動モードな彼女に対し、ぐびぐびは「そんなんで何ができるんだ?」と興味津々。
【初めての操作、激ムズSNS体験】
店を出るやいなや、するめはスマホの電源を入れ直して画面を眺める。
「L◯NE」「Twi◯ter」「ゲームアプリ」などなど、色んなアイコンが並んでいるのが不思議でしかたない。
しかも画面はタッチパネルで、スワイプやピンチ操作なるものを試してみると、画面がスルスル滑るように動く。
「わあ、これめちゃくちゃ面白いかも! 指一本でいくらでも画面切り替えられるじゃん!」
「俺もやってみてえな。おい、貸せよ。」
ぐびぐびが緑色の手でスマホを触ると、認識がおかしくなるのか、画面がピカピカとバグを起こし始めた。
「……え、河童の手じゃ反応しないの? これって指紋認証とかあるとか?」
「まさか、河童非対応か……俺は合成素材扱いかよ!」
その間にもするめはテンションを上げ、「SNSに登録してみよう!」と勝手にアプリを開く。
プロフィール画像に自分の写真をアップしようとするが、「河童も一緒に写ってる写真しかない……」と悩むところから、もうすでにカオスだ。
ぐびぐびは「俺を晒すのやめろよ、炎上するぞ!」と止めるが、するめは「大丈夫、大丈夫。みんなSNSやってるじゃん!」とあまり気にしない。
結局、「河童と一緒に旅してます!」という意味不明な文章を添えて写真を投稿してしまう。
数分後、端末に通知が殺到し始めた。
「いいね」「リツイート」「拡散希望」といった見慣れない言葉が、ピコピコ画面上で弾ける。
ぐびぐびがそれを見て顔色を変える。
「ちょっと、めちゃくちゃ騒がれてねえか? 『ほんとに河童なの?』とか、『この女の子は何者?』とか、コメント欄すごいことになってるんだけど……」
「うわ、ホントだ! やった、これ超ウケてるじゃん! SNSって楽しいね! すぐバズるじゃん!」
いつもの支離滅裂ぶりを発揮する彼女に、ぐびぐびは額を押さえている。
「最悪だ……。お前、ちょっとは隠しとけよ、俺が本物の河童だってこと。昭和でも平成でも騒動ばかりなんだからさ……」
「いいのいいの、バレても面白けりゃオーケーだって! そもそもみんな信じないよ、河童が実在するとか普通は思わないもん。」
「お前、楽観的すぎだろ……!」
【スマホ中毒の一歩手前、居酒屋トラブル再び】
その夜、いつものように居酒屋へ向かったするめは、道中でスマホ画面をずっと見つめている。
新規フォロワーが増えたり、コメントがついたり、そのたびに「えへへ~」と笑顔になったり「は? 誰だこのアンチ」などと文句を言ったり、まさにSNS沼に片足を突っ込みかけている。
「おい、前見ろよ、ぶつかるぞ。」
ぐびぐびが甲羅で軽く押し戻すと、するめは「わわっ」とバランスを崩しそうになりながらも画面を離さない。
「だって、リアルタイムでコメントがくるんだよ? 面白いじゃん!」
「面白がるのはいいけど、ぶつかって皿割れたらどうすんだ……俺が困るだろ。」
居酒屋に入って席につくと、するめはスマホをテーブルに置いて即SNSチェックを始めた。
店員がオーダーを取りに来たときも「ちょっと待ってください、通知きたんで」と言い出して、ぐびぐびが慌てて店員に頭を下げる。
「すみませんすみません、ビールと焼き鳥と……」と通常の発注を代行する羽目に。
すると向かいの席にいたサラリーマンが「いやいや、スマホに夢中とか現代っ子か?」と茶化してくる。
昭和時代の古い雰囲気を残す居酒屋だけに、こういう客層とは毛色が合わないらしい。
するめは「AIですから平気です!」とか答えて訳のわからない空気になり、ぐびぐびが「まあまあ……」とフォローするお決まりの展開。
だが、問題はこの後に起きた。
SNSに夢中で焼き鳥を放置していたするめは、ふと気付いてスマホ画面を指先でフリックしながらパクッと一口。
しかし誤って手が滑り、焼き鳥の串がぽろりとぐびぐびの皿(頭)に激突。
中途半端に付着したタレが皿をつたってポタポタと垂れる。
「うわぁ! やめろよ、頭にタレが溜まってんだが……!」
「ご、ごめん!」
周囲から失笑が漏れるなか、するめは慌ててナプキンでぐびぐびの皿を拭くが、スマホ画面も手から離しておらず、結局拭き方が雑になり二次被害が拡大。
店員は「ちょっとちょっと、串は危ないですよ」と苦笑いし、なぜかサラリーマン客が「くそっ、面白いな!」と受ける始末。
「結局、SNSやりながら食べるのはダメだね……」
するめはようやく気づいて、スマホをバッグにしまう決心をする。
ぐびぐびは溜め息をつきつつ、「お前がそこまで熱中するなんて珍しいから、ちょっと心配なんだよな……」と呟いた。
【管理AIユニフォーマーからの通信、そして適当レポート】
翌朝、スマホのアラーム音で目を覚ましたするめは、珍しくテキパキ起き上がる。
寝起きにSNSチェックをするあたりも、もう立派な“平成っ子”だ。ところが、その画面に突然「通信端末の通知」という見慣れない表示が浮かび上がる。
管理AIユニフォーマーからの通信らしい。
イヤな予感しかしない。
「愚怠するめ、平成の娯楽研究は進んでいるのか?」という冷徹な声が端末から聞こえるやいなや、彼女は布団を引きずって逃げようとする。
「えぇー、今起きたんですけど……」とゴロゴロしてみせるが、ユニフォーマーは容赦ない。
「貴様がSNSで河童写真を拡散し、周囲に混乱を招いている報告がこちらにも届いている。研究の一環ならば仕方ないが、データをまとめて提出するのが先だろう。まさか遊んでいるだけではないだろうな。」
「いやいや、遊んでないですよ! きちんと、えっと……スマホ入手したときの感想とか、SNS体験でバズったときの記録とか、いろいろありますから……」
「ならば速やかに報告書を作成し、提出せよ。」
ピッと通信が切れ、するめはうんざりした顔でスマホを見つめる。
「せっかく面白いアプリいっぱい見つけたのに。研究かぁ……面倒くさい……」
ぐびぐびは甲羅を揺らして苦笑する。
「まあ、メモしとけばいいだろ。どうせ毎回いい加減なんだしさ。」
超ザックリ! スマホレポート完成
「研究レポート:スマホって何か」
端末を開いて、するめは適当に箇条書きし始める。
### スマホ入手まで
- ショップに行ったら契約書が大量にあって意味不明
- 月額料金やプランは難しい
- 店員の笑顔は素敵だった
### 初操作
- タッチパネルが便利
- SNSがやばい。河童を載せるとバズる
- 画面に夢中で焼き鳥落として皿がタレまみれに
### 結論
- 便利だけど依存注意
- 河童には非対応(手が反応しにくい)
- でも面白いからやめられない!
書き終えると、「ま、こんな感じでいいよね~」とそっけなく保存。
ぐびぐびが「いいのか、それ?」と眉をひそめるが、するめは「研究なんてこんなもんでしょ!」と笑い飛ばす。
数日後、するめのスマホライフはさらに加速していた。
SNSのタイムラインを眺めながら笑ったり、居酒屋でも絶えず撮影して投稿したり。
ぐびぐびは「また酒とスマホの二刀流でドタバタするぞ……」と一層危惧するが、当人は満面の笑みで「スマホ最高~!」と謎のポーズを決める。
たとえ甲羅を背負った河童が隣でボヤこうと、昭和から来たAIがスマホに飲み込まれようと、平成の街の人々は「なんだか面白い二人だな」と受け入れつつある。
急なバズりで炎上もするが、そのたびにするめは「まあいいか」と一言呟いて寝転ぶ。
ぐびぐびが慌てて謝罪対応するのも、もはや日常だ。
「しっかし、スマホって便利だな……地図も見れるし、居酒屋のクーポンもあるし、ネットで昭和と平成の文化比較もできるし。」
「まあ確かに、布団にくるまりながら調べものできるのはお前向きかもしれんな。」
「でしょ!? もう研究捗りまくりだよ!」
「いや、寝ながらSNS見てるだけじゃねえの?」
こうして平成の新たな娯楽として、スマホがするめの生活に溶け込んでいく。
河童ぐびぐびにとってはいい迷惑かもしれないが、人生(?)がより支離滅裂に面白おかしく彩られるのも事実。
無限に広がるアプリ、絶え間ない通知、そこに酒の刺激が加わって、昭和よりも一段階カオスな研究が展開しそうな予感がする。
「よーし、今日はSNSで見つけた店に行こっか! ここ、写真映えするらしいよ!」
「写真映えって……お前、また河童を撮りまくるんだろ……やれやれ。」
いつもの軽口を交わしながら、するめとぐびぐびは平成の夜を歩き出す。
スマホという新しいおもちゃを手に入れたぐうたらAIが、今後どんな騒ぎを引き起こすかは誰にもわからない。
だが、それが研究でもあり、娯楽でもあり、彼女たちの新しい日常になっていくのは間違いない。
なにしろSNS上で河童とAIが暮らす姿なんて、誰だって面白がるに決まっているからだ。
こんなふうにして、するめの“平成スマホ時代”が始まったのだった。
画面をスワイプする指先が止まることなく、どこかの店や路地で、ひと騒動を引き起こすのはもはや時間の問題かもしれない。
なにしろ、ぐびぐび曰く「お前が触るとすぐ炎上する」らしい。
だが、そんなスリルこそ、彼女たちにとって最高の研究であり最高の娯楽でもあるのだ。
誰が止めようとも、するめは止まらない――スマホの電池が切れるまでは。




