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第八話 初クエストと隣街

「どういうことなのか説明してもらっていいですか?」


俺達は今、ギルドのギルド長室にいる。

朝、ギルドでクエストボードを確認していると、ソフィアさんに話があると言われ連れてこられたのだ。


「何のことを言っているんですか?」

「私達のステータスです。なんですかこれは!」


ソフィアさんが声を荒らげて質問してきた。

ステータス鑑定は無効にしていたはずなのだが…


「えっ!ステータス見れたんですか?」

「ちょっとした裏技で見ることができたんです。それであれはどういうことですか?」


ステータスを見られてしまったので、俺が女神様から受けている依頼の詳細を話した。

魔王が最低でも7年で復活すること、この世界はスキル所持者が少なくなって神に見捨てられつつあること、俺が育成することでスキルを付与できること…

ソフィアさんは最後には頭をかかえてしまったよね…申し訳ない。


「事情は承知しました。早めに聞かせてほしかったですね。」

「信用できる人でないとこんな話できませんよ。」

「こんなことをしたってことは、私達にやってほしいことがあるってことですよね?」

「あえて言えば、俺はこの村を今後も拠点として活動していく予定です。ただ、俺は勇者の代わりになる人材を育成しなきゃいけないですし、常に村に居れるわけじゃないので、村の防衛力は高めておきたいんです。」

「なるほど。ご家族もいますからね。私のスキル構成だと、情報支援と行政面といったところですかね。」

「理解が早くて助かります。村を発展させることも、まだ先すができたらと思っています。それで、俺達はこのクエストを受注したいんですけど…」


俺が提示したのは、昨日考えていた通りギルド定期便の護衛クエストだ。

さっきの話からすると、運送担当の職員もスキルについて気付いている可能性がある。

隣街までのんびり馬車の旅は効率が悪いと思い、アイテムボックスや足が速くなりそうなスキルを優先的に取得させている。

そのためなのか、クエストの募集要項に「足の速い者」と記載がある。


「分かりました。受注処理しておきますね。1つ質問なんですが、レグマ曰く隣街のストレインまで一日かからず行けそうと言っているんですが、大丈夫そうですか?」

「馬車で2日の距離ですよね。レグマさんの疲労度にもよりますが、馬車よりは早いと思いますよ。」


この世界の馬車は、日本の競馬に出走しているようなサラブレッドではなく、足の短いいかにも馬力がありそうな馬を使っている。

そのため、人の徒歩より早いぐらいのスピードしか出ない。


「そうですか。今回は本人たっての希望なので、いわば挑戦のようなものなので、道中よろしくお願いいたします。」

「いえいえ、大丈夫ですよ。スキルの具合も見たいですし、彼にはちょっと魔物討伐もしてもらいたいので。」

「……魔物討伐、ですか?」

「あるジョブに就いてもらうためには、どうしても必要なんですよね。」


レグマさんは獣人なので、ラノベ定番の《獣戦士》になって欲しいと思っている。

元々レグマさんは冒険者だったのか、今のジョブは戦士だ。

中級職の転職先に《獣戦士》があったのだが、まだ転職条件を満たせていない。


ちなみにアストラネさん曰く、運送業をやる多くのジョブが《狩人》か《索敵者》なのだという。

どちらもAGIに補正が入るジョブとのことで、レグマさんはAGIに補正がないジョブてこの仕事をやっている珍しい部類の獣人らしい。


「あまり危険なことをしなければ、こちらとしては大丈夫です。あと、ストレインで何をする予定なのですか?」

「1つはダンジョンですね。ストレイン近辺で良さげなダンジョンがあれば行ってみたいです。」

「ダンジョンであれば、うちでも情報が出せますよ?」


ソフィアさんは手元にあった鈴をならすと、マリさんが部屋に入ってきた。

ソフィアさんから指示を受けると、部屋を出ていき、少しすると書類を持って再入室してきた。


「ストレイン近辺だと、岩の洞窟と不死者の洞窟があります。岩がゴーレム系、不死者がゾンビ系ですね。」

「ドロップはどんな物が出ますか?」

「岩は鉱石ですね。運が良ければ宝石も出ます。なので、結構人気なダンジョンですよ。ゴーレムは動きも遅いので、低階層であれば、初心者が多くいると思います。不死者は耐性強化のアクセサリーが主ですね。毒・麻痺・睡眠への耐性が欲しい上級冒険者に人気です。」


今、俺達が欲しいものは魔導書だ。

魔導書はゲームの感覚で言えばレアドロップに該当するだろうから、そのレアドロップ狙いとなるわけだが、ゴーレムのレアドロップは宝石と言われている。


ゾンビ系のダンジョンでかなり抵抗はあるが、行くならそっちだろう。

ここはアストラネさんが大活躍しそうだ。


「いきなりダンジョンだなんて、どうしたんですか?」

「魔導書が欲しいんです。アストラネさんからドロップするって聞いたので。」

「そうでしたか。確かにオーリさん達なら使える魔法は多そうですね。それでしたら、岩のダンジョンがおすすめですよ。魔導ゴーレムというモンスターからそこそこドロップするそうです。ただ、魔法を使ってくるので、気をつけてくださいね。」


ほ〜。そんなのがいたなんて。

いちいちギルドに行く手間が省けたぞ。


「他の目的はなんですか?」

「あとは観光と市場調査です。村しか知らないので。」

「それなら美味しいご飯が食べれる所をピックアップしておきますね。それはレグマにでも渡しておきましょう。」


これもスキルの影響だろうか…

よくもまぁ、情報がポンポンと出てくるもんだ。


「ありがとうございます。」

「それでは、クエスト受諾はしてあるので、レグマと話し合って出発してください。くれぐれも無理しないよう、お願いしますね。」

「分かってます。いってきます。」


▲▲▲▲▲▲


今居るのは、村から南東に1時間ほどマラソンした所にある池の畔だ。

ここまで休憩なしでマラソンしたので、レグマさんの体力回復とお昼休憩を兼ねている。

ここまでは特に魔物に合うこともなく順調に来ていることもあって、レグマさん曰くこの距離をあと5〜6回で到着するそうだ。


「坊っちゃん達、あまり疲れてなさそうだけど大丈夫か?」


母ちゃんが作ってくれたサンドイッチを皆で食べながら、レグマさんが聞いてきた。


「うん!私はまだまだげんきだよ」

「昨日の狩りに比べれば、疲労感はありませんよ。」


とはうちの女子2人。昨日の狩りは3時間程度の2セットだったからな…


「俺もそこまで疲れていませんよ。」

「なら、食ったらまたマラソンするか。あまり腹に入れすぎるなよ。」

「レグマさんこそ、大丈夫なんですか?」

「さんはいらねぇよ。坊っちゃんのお陰なのか、多少疲疲れちゃいるが、大したことはなさそうだな。」

「それなら良かったです。」

「それにしても、代理はズルぃよな。マリと自分だけステータス確認してやがったみたいじゃないか。」

「あれ?皆さん、確認したんだと思ってましたけど、違ったんですね?」

「俺は基本何もないときは、馬の世話だったり、馬車の調整をしてるからな。中に居ることが少ないんだよ。ギルとスティングは居たんだろうけど、坊っちゃんのお土産を解体してて、手が空いてなかっただろうしな。」

「……見てみたい、ですか?」

「見せてもらえんなら、見てみたいな。坊っちゃんがどんなスキルを与えてくれたのかも興味あるし。」

「しょうがないですね。今はこんな感じですよ」


レグマ(合計ジョブlv:lv103)

種族 獣人族 年齢 34歳

性別 男

称号 なし


ジョブ

①戦士【初】(lv8→lv37)

(ジョブ補正 HP+30/STR+30 DEF+20)

(lv補正 HP+108/STR+108 DEF+72)


②拳闘士【中】(lv24)

昇位条件:戦士lv15

(ジョブ補正 AGI+60/STR+60 DEX+30 HP+20)

(lv補正 AGI+138/STR+138 DEX+69 HP+46)


③重戦士【中】(lv24)

昇位条件:戦士lv15

(ジョブ補正 HP+60/DEF+60 MDEF+50)

(lv補正 HP+138/DEF+138 MDEF+115)


④騎士【中】(lv18)

昇位条件:戦士lv20

(ジョブ補正 HP+40/MP+40/DEF+30 STR+20/DEX+20/AGI+20)

(lv補正 HP+68/MP+68/DEF+68 STR+34/DEX+34/AGI+34)


HP 634/634(21)

MP 119/119( 1)

STR 446(5) DEF 440(1) INT 21(1)

MDEF 186(1) DEX 260(4) AGI 349(4)


lv上昇

毎1up→HP/DEX/AGI

lv2毎→STR/DEF

lv5毎→INT/MDEF

lv10毎→MP


【技能】

輸送lv14、剣術lv4、盾術lv4、操馬術lv11

【スキル】(総獲得P:198/消費:150{うちジョブ開放40})

《ACTIVE》

○疲労耐性向上(下・初) ○身体能力向上(下・初)

○自然回復力向上(下・初) ○危険察知能力向上(下・初)

○スタミナ効率向上(下・初) ○アイテムボックス

○動体視力向上(下・初) ○移動速度向上(下・初)

《PASSIVE》

○剣術向上(下・初) ○剣速向上(下・初)

○回避能力向上(下・初) ○盾術向上(下・初)

○見切り向上(下・初) ○反動軽減(下・初)

○魔獣・魔物鑑定(下・初) ○操馬術向上(下・初)

【祝福】なし


「おう?拳闘士で重戦士で騎士ぃ?なんだこりゃ。」

「《獣戦士》の転職条件なんですよ。《おもい》ほうじゃなくて《けもの》の方です。」

「お伽噺とぎばなしに出てくるあれか?それになれってのか?」

「輸送の道中、盗賊やら魔物と戦うこともありますからね。それぐらいはあってもいいかなと。」

「今でも十分、破格なステータスだろ。まぁ好きにしていいけどよ。」

「まだ転職は先なので、そのときになったら言いますよ。」

「はいよ。よし!食い終わったな。じゃ、日が沈むまでに着くぞ!」

「「「はい!」」」


▲▲▲▲▲▲


「さて、この森を抜けたらストレインだぞ。」

「やっと街だ〜!」

「なかなかいい修行になりますね。早く宿で身体を拭きたいです。」


レーネもアストラネさんもよくここまで頑張ったと思う。

あの後、休憩を2回挟んでいるが、予定より休憩を少なくしたので、まだ日があるうちになんとか街に着きそうだ。


「レーネとアストラネさん、もう少しですから、頑張りましょう。」

「うん!街に着いたら美味しいもの食べたいな。」

「オーリさん、お気遣いありがとうございます。」

「いいチームだな、お前ら。」


こうして話している間にも少しずつ森の出口に近づいている。

今後はこの道のりを使って、体力強化を図ってもいいかもしれない。


(体力強化は必要になったら組み込もうかな…)


「よし。出口が見えたぞ。ラストスパートだ。」


森から伸びる道の向こうに光が見える。


「オーリ、見えたよ!」

「お疲れさん。これがストレイン州の一大都市、ストレインだ。」

もしよかったら「いいね」、「感想」をお願いいたします。誤字・脱字は発見次第訂正をいたします。


登場人物早見表


○オーリ(小松 毅)

この物語の主人公

年齢 7歳 人族

ジョブ ①導き手②使徒③剣士

∟○キース

 オーリの父親。農家

 年齢 34歳 人族

 ジョブ 農夫

∟○マリエラ

 オーリの母親。専業主婦

 年齢 29歳 人族

 ジョブ 平民

∟○スイレン

 オーリの妹

 年齢 3歳 人族

 ジョブ 未設定


リーネ

この物語のヒロイン

年齢 7歳 ハーフエルフ

ジョブ ①精霊術師②精霊召喚師

∟○オブライエ

 リーネの父親

 年齢 254歳 エルフ

 ジョブ 薬師

∟○スズ

 リーネの母親

 年齢 27歳 人族

 ジョブ ①村薬師②薬師


○アストラネ=エレネスト

教会に所属する人族。果たして第2ヒロインになれるのか…

年齢 24歳 独身

ジョブ ①僧侶②神官


○シグルス

この世界を担当している女神

年齢 ??? 神族


○ソフィア

マカ村のギルド長代理

年齢 23歳 人族

ジョブ ①平民②文官③高等文官

∟○ギル

 マカ村のギルド専属解体屋

 年齢??? 獣人

∟○スティング

 マカ村のギルド専属解体屋兼料理場担当

 年齢 ??? 人族

∟○マリ

 マカ村のギルド受付担当

 年齢 ??? 獣人

∟○レグマ

 マカ村のギルド運搬担当

 年齢 34歳 獣人

 ジョブ ①戦士②拳闘士③重戦士④騎士

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