第七話 第2回家族会議+α
ソフィアさん達がステータスを確認していた頃、俺達も会議ならぬ親睦会のバーベキューを開催していた。
場所は俺の実家の前。レベリングで肉が沢山手に入ったから、それを少しでも消費しようの会である。
「ビッグボアの肉は案外上手いな!」
「ちょっと癖はあるが、これはこれで酒が進むぞ!」
と、父さんとオブライエさんが盛り上がっていたりする。
「狩りに行くって聞いたときは、万が一があると気が気じゃなかったけんど、無事に帰ってきてよかったよ。」
「万が一があるのは確かだから。ただ、セーフティは取って行動しているから、そうそう万が一は起こらないよ。」
「レーネは動き回る子だから迷惑じゃなかった?」
「それは計算に入れてます。今のステータスなら、まだ森の入口なのでそうそう危ないことはないですよ。」
「そうみたいね。一日見ないだけで、雰囲気も結構変わった気がするわ。」
子供の成長は早いですよね。最初は拙かった弓の扱いも、最後の方になれば、スキルの恩恵はあるとはいえ、かなり様になっていたと思う。
「あ、そういえば。レーネ!オブライエさんに聞きたいこと聞いておきなよ!」
「うん!」
「レーネが聞きたいことってなんですか?」
「レーネの職業、《精霊魔術師》なので、精霊の契約方法というか、どこ行ったら契約できるのかってことですね。」
「あら、もうそんなところまで成長したのね。ふふ。嬉しいやら寂しいやら。でも、うちの旦那に答えれるかしら?」
「答えれる可能性があるのしたら、オブライエさんかなと思いまして。」
この村にはオブライエさんの他にもエルフ族は住んでいる。
一人は木の食器や置物を作っている陶芸家として、一人は山菜やキノコを取って売っている採取者として住んでいる。
ただ、うちとレーネのようにお隣同士で仲が良い訳じゃないので、気軽に質問はできない。
エルフ族以外で精霊と仲の良さそうな種族かつこの村に住んでいるのは、ドワーフ族とコビット族だろう。
コビット族の方は、同い年の女の子がいるのだが、俺はあまり遊んだ記憶がない。
ご両親は家具屋を営んでいるからか、レーネとも何か作っているのを遠目に見たことがあるぐらいだ。
「うちの旦那も長生きしてるとはいえ、薬草の研究一筋だったみたいだからね。知っているとは思えないのよね。」
「知ってたらよし、ぐらいの感じなので。今のレーネは弓が楽しいみたいで、そこまで急いでないですから。」
「オーリ。ちょいと聞きたいことがあったんだわ。」
「どうしたの?」
「母ちゃんにどんなスキルを与えたんだい?あまり実感がないんだけんど…」
「あぁ。そしたら、手を見て『ステータス鑑定』って念じてみて。」
「うわ!なんか出た!」
マリエラ(合計ジョブlv:lv188)
種族 人族 年齢 29歳
性別 女
称号
☆下剋上
ジョブ
①平民【下】(lv4→lv63)
(ジョブ補正 HP+10/DEX+10)
(lv補正 HP+62/DEX+62)
②シェフ見習い【初】(lv59)
昇位条件:平民lv5
(ジョブ補正 HP+30/STR+30 DEX+10/MP+10)
(lv補正 HP+174/STR+174 DEX+58/MP+58)
③コミシェフ【中】(lv47)
昇位条件:シェフ見習いlv15
(ジョブ補正 HP+50/STR+50 DEX+30/MP+30 DEF+10)
(lv補正 HP+230/STR+230 DEX+138/MP+138 DEF+46)
④スーシェフ【上】(lv19)
昇位条件:コミシェフlv30+料理lv15
(ジョブ補正 HP+100/STR+100 DEX+50/MP+50 DEF+30/AGI+30)
(lv補正 HP+180/STR+180 DEX+90/MP+90 DEF+54/AGI+54)
HP 1134/1134(10)
MP 671/ 671( 7)
STR 830(2) DEF 335(1) INT 163(1)
MDEF 195(1) DEX 644(2) AGI 247(1)
lv上昇
毎1up→HP/MP
lv2毎→DEF/MDEF/DEX
lv3毎→STR/INT/AGI
【技能】
料理lv21、裁縫lv16、掃除洗濯lv19
【スキル】(総獲得P:372/消費:320{うちジョブ開放30})
《ACTIVE》
○味覚向上(下~上) ○交渉力向上(下・初)
○判断力向上(下・初) ○家事能力向上(下~上)
○店舗経営力向上(下・初) ○計算能力向上(下・初)
○理解力工場(下・初)
《PASSIVE》
○料理技術向上(下~上) ○調理器具取扱向上(下~上)
○食材知識向上(下~上) ○創作技術向上(下~上)
○食材知識向上(下~上) ○料理効果付与増加(下~上)
○有毒食材無毒化(下~上) ○食材鑑定(下~上)
○裁縫技術向上(下・初) ○裁縫速度向上(下・初)
○掃除技術向上(下・初) ○掃除速度向上(下・初)
【祝福】なし
「なんだいこりゃ!」
「母さんは家事で技能が高かったからね。この中でもステータスだけなら上位だよ。だから、無闇に人や物を本気で殴らないでね。悲惨だから。」
「あらあら…マリエラが怪物になってしまったわ。」
「……冗談じゃないよ、全く。」
「そのステータスでも、良くて『霊峰』の麓まで行けないと思うんだ。戦闘を考慮したスキルでもないし、最低限、魔物に会っても身の安全は確保できる程度だね。」
「凄いんだか凄くないんだか分からんね。」
「普通の人ならこの1/100位のステータスだから、十分凄いよ。」
母さんのレベリングで気付けたのは、色々と技能を高レベルで持っている人じゃないと、ジョブ欄に多くの優秀なジョブを設定ないので、魔王討伐なんて無理ということだ。
分かっていたことではあるけど、下位職や初級職はどこまでレベリングしてもあまり旨味がない。
カンスト報酬みたいなのがあれば別だが、そこは今後の検証によるところ。
魔王が本当に10万超えの化け物なのであれば、ジョブを10個特級クラスにしなきゃ相手にすらならないと思う。
(この世界のどこかにEXジョブを習得できる場所でもあれば違うんだろうけど…)
まだ差し迫った脅威はないので、これからの目標として心に刻む。
「スズはどうなんさね?」
「え〜、私ですか?」
「そうさ。人のばっかり見て、ズルいじゃないかい。」
「私のはあまり大したことないんじゃないかと思うわよ?」
「人の見れるだけでも儲けもんさね。ほれほれ。」
母さんはスズさんのステータスをどうしても見たいようだ。
あまり人のステータスを見たいというのは褒められたことじゃないけど…
スズさんは苦笑いしつつステータスを表示した。
スズ(合計ジョブlv:lv126)
種族 人族 年齢 27歳
性別 女
称号
☆下剋上
ジョブ
①村薬師【初】(lv7→lv69)
(ジョブ補正 MP+30/DEX+30 INT+10/MDEF+10)
(lv補正 MP+204/DEX+204 INT+68/MDEF+68)
②薬師【中】(lv57)
昇位条件:薬師lv15
(ジョブ補正 MP+50/DEX+50 INT+30/MDEF+30 HP+10)
(lv補正 MP+280/DEX+280 INT+168/MDEF+168 HP+56)
HP 292/292(10)
MP 668/668( 4)
STR 143(1) DEF 143(1) INT 442(3)
MDEF 442(3) DEX 729(2) AGI 144(2)
lv上昇
毎1up→HP/MP
lv2毎→INT/MDEF/DEX
lv3毎→STR/DEF/AGI
【技能】
料理lv14、裁縫lv16、掃除洗濯lv13、薬草栽培lv12
薬調合lv5、薬学lv6
【スキル】(総獲得P:245/消費:204{うちジョブ開放10})
《ACTIVE》
○状態異常耐性向上(下~中) ○疲労耐性向上(下~中)
○集中力向上(下~中) ○家事能力向上(下~中)
○説明力向上(下~中) ○身体異常鑑定(下~中)
《PASSIVE》
○ポーション生成速度向上(下~中)
○ポーション効果増加(下~中)
○ポーション生成技術向上(下~中)
○ポーション知識向上(下~中)
○丸薬作成速度向上(下~中) ○丸薬効果増加(下~中)
○丸薬作成技術向上(下~中) ○丸薬知識向上(下~中)
○薬草栽培力向上(下~中) ○薬草知識向上(下~中)
○薬草鑑定(下~中) ○丸薬鑑定(下~中)
○ポーション鑑定(下~中) ○身体診断力向上(下~中)
○料理技術向上(下・初) ○料理効果付与増加(下・初)
○裁縫技術向上(下・初) ○裁縫速度向上(下・初)
○掃除技術向上(下・初) ○掃除速度向上(下・初)
【祝福】なし
「ね。大したことないでしょ?」
「オーリ。これでどんなもんなんだい?」
「スズさんは森の入り口にいる魔物を枯れるぐらいだと思うよ。レーネの家族は、この村にとって唯一の薬師だから、そっち方面に強化した感じだね。」
この世界では、協会による回復魔法でなんでも治せてしまういらしい。
ただ、重症になればなるほど高額になるし、そもそも高度な回復魔法が扱える人材が教会で不足していることから、うちのような村には薬やポーションを作れる薬師はかなり重要だ。
今後は素材さえそろっていれば、今までより効果のある物が作れるだろうし、それで、村の安全性も向上すると思う。
「ホント信じられないけど、わたしらは強くなったんだね?」
「母ちゃんの商いをやりたいってのは無視しちゃっているけど、食事処とかを開いてみたらいいかなってスキル構成にしてあるよ。」
「あらあら、食事処いいじゃない?」
「何言ってんだい。仕入れだって大変だってのに、そもそも食いに来る奴なんていやしないよ。」
「それは今後の村次第かなって思ってるよ。何か目玉になるようなものがあれば、人は呼べるし。」
「それはそうだろうけど、そもそも働き口を探している輩が少ないだろうさね?」
「ほとんどの家庭が跡を継ぐか、街に出るかですからね。」
「だから、街に出ていく人を少なくするために、色んな業種の仕事があればいいなって思っているんだよ。じゃないと、この村だってどんどん寂れちゃうよ?」
俺も実質子供ではあるのだが、日本でのことを考えると職業選択の自由はあったほうがいいと思う。
その職業に就きたいから努力するし、競争も生まれる。
ただ、この世界にはジョブという概念があるが、それは適性があるものを提示するものだったので、村に色んな職があれば親の後を継がないという選択もできるようになるわけだ。
ま、この辺は俺だけでどうにかできるものでもないので、かなり後回しにはなるだろうけど…
「オーリ、お話終わった?」
「レーネ。どうしたの?」
「明日って何するの?また森?」
「森もいいけど、冒険者になったからクエスト受けてみようかなって思ってるよ。」
明日はギルドの街に行く定期便があるはず。
その護衛依頼が受けたいクエストだ。
明日の予定を聞くと、レーネはアストラネさんに伝えに行ったようだ。アストラネさんから聞いてきてとでも言われてたかな。
綺麗な星空の元、俺は明日行く街に思いをはせながら、バーベキューを楽しんだのだった。
もしよかったら「いいね」、「感想」をお願いいたします。誤字・脱字は発見次第訂正をいたします。
登場人物早見表
○オーリ(小松 毅)
この物語の主人公
年齢 7歳 人族
ジョブ ①導き手②使徒③剣士
∟○キース
オーリの父親。農家
年齢 34歳 人族
ジョブ 農夫
∟○マリエラ
オーリの母親。専業主婦
年齢 29歳 人族
ジョブ 平民
∟○スイレン
オーリの妹
年齢 3歳 人族
ジョブ 未設定
リーネ
この物語のヒロイン
年齢 7歳 ハーフエルフ
ジョブ ①精霊術師②精霊召喚師
∟○オブライエ
リーネの父親
年齢 254歳 エルフ
ジョブ 薬師
∟○スズ
リーネの母親
年齢 27歳 人族
ジョブ ①村薬師②薬師
○アストラネ=エレネスト
教会に所属する人族。果たして第2ヒロインになれるのか…
年齢 24歳 独身
ジョブ ①僧侶②神官
○シグルス
この世界を担当している女神
年齢 ??? 神族
○ソフィア
マカ村のギルド長代理
年齢 23歳 人族
ジョブ ①平民②文官③高等文官
∟○ギル
マカ村のギルド専属解体屋
年齢??? 獣人
∟○スティング
マカ村のギルド専属解体屋兼料理場担当
年齢 ??? 人族
∟○マリ
マカ村のギルド受付担当
年齢 ??? 獣人