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第六話 初ギルド訪問 後編

(さて、今のうちにスキルの調整しとかないと…あとはパーティメンバーの枠を増やせるスキルでもあればいいんだけどな。)


今、俺のパーティには7人が登録されている。

残り枠は1つしかない。

ただ、俺としてはこれからもお世話になるギルドだからこそ、全体的なレベルアップをさせてほしいのだ。


(パーティメンバーを増やせるそうなスキルはない…か。ただ、サブパーティ開放っていうのがあるな。え〜と、説明は、っと。)


サブパーティの登録は8人。パーティ開放は最大10。ただし、開放する毎に必要なスキルPが増えるというもの。

ただしサブパーティなので、俺のスキルの一部を制限できるようだ。


(ふむ…なら、サブパーティを1つ取得かな。ポイント100消費は痛いけど…これ、半分になって100ってことは、元は200か!)


※元の消費スキルポイントが下級2P>初級5P>中級10P>上級20P>特級50P>覇級100P>聖級200P>亜神級500P


(それでも、今後を考えたら必要なわけだし、取得しよう。さて、次は?110P…なるほど。20Pずつ増えていくわけね。よし、これで準備完了だな。)


「お待たせしました。冒険者証をお持しましたので、ご確認をお願いいたします。」


ベストタイミングでソフィアさんとマリさんが戻ってきた。

ソフィアさんが俺達の前に座ると、マリさんがそれぞれの前に冒険者証と針を置いていく。

なんでも、この針を少し刺して冒険者証に付けるそうだ。…想像しただけでも痛そう…


俺が躊躇っている間に、レーネはささっと終わらせてしまった。

「オーリ、痛くないよ。手伝おうか?」なんて聞いてくる。

アストラネさんも慣れた手つきで冒険者証の登録を済ませてしまった。

「初めては怖いですよね。少しだけですから、ささっと終わりますよ?」

と、俺は2人にサポートされながらなんとか登録を済ませた。


(格好わりぃ…)


「これで正式に冒険者となられました。冒険者の初心者講習を受けていただきたい所ですが、生憎、当ギルドは小さい支部なので、こちらをお渡しいたします。」


と、ソフィアさんが『冒険サポートQ&A』という冊子を配ってくれた。

この辺はなんというか、かなり親切な世界だな…


「以上でこちらからの話は終わりですが、他に何かありますでしょうか?」

「すみません。俺の方からもう1つ、お願いがありまして…」

「はい。何でしょうか?」

「ギルドの皆さんに、俺のパーティに入ってもらいたいんですが、ダメでしょうか?魔王の討伐に参加してほしいわけではないんですが、もう1つの依頼のために必要なんです。」

「「依頼?」」


レーネは無関心で、アストラネさんは苦笑い。

事情を知らないソフィアさんとマリさんは首を傾げている。

いきなりこんな話題を振るのもどうかと思うけど、どんどん育成する必要もあるから、ここはお願いするしかない。


「俺の使命の1つなんです。多くの人を育成して、強くすると魔王復活が遅くなったり、万全な状態で復活することができなかったりするみたいなんです。」

「はぁ〜…そんなことがあるんですね。」

「魔王討伐のメンバーは、ちゃんと選考して決めたいのですが、それだけだともう1つの依頼が達成できないので、もし不都合がなければお願いしたいのですが。」

「そういう事であればご協力します。マリはどうします?」

「えっと、その、どういったことをするのか、聞いても、いいですか?」

「パーティに入っても特に何かをする必要はないです。俺達が魔物とかを狩ると、その経験値が皆さんにも入るようになります。それで皆さんの事も強くするだけです。」


かなりざっくりとした説明だけど、今はいいだろう。

本当に信用できると判断出来たら、詳しく説明すればいいんだし。


「それなら、いいの、かな?」

「マリも大丈夫そうですので、他の職員含め、私の一存でパーティに参加させて頂きます。」


『ソフィア、マリ、ギル、スティング、レグマがパーティに加入しました。』


「ありがとうございます。ちゃんとパーティに加入できたようです。」

「いえいえ。では、以上ですかね。オーリさん、良い冒険者ライフを。」

「よい冒険者ライフを。」


最後はギルドの決まり文句なんだろう。

とりあえず俺の目標は達成したし、一度ギルドから離れる事にした。


▲▲▲▲▲▲


「オーリさん、良かったんですか?」

「何がですか?」

「ソフィアさん達をパーティに誘って、です。」

「戦闘系のスキルは習得させませんし、当分はここが拠点になるので、優秀な人は何人いても構いませんよ。」


俺達はまた北の森に向けて歩いていた。

ソフィアさん達をパーティに加えたまでは良かったのだが、こんな田舎のギルドに赴任しているため、全くレベルが上がっていなかったのだ。

唯一、レグマさんだけは少しレベルが上がっていても、誤差みたいなものだ。


「これから色々とお願いすることになりますからね。あとは、戦闘系スキル以外の効果を見たい、といったところですね。」

「……実験も兼ねているんですね。それはそれでどうなんでしょうか?」


アストラネさんは苦笑い気味に答えてくる。

何事もトライ&エラー、検証は必要なんですよ。


(さて、パーティは俺がどのパーティに所属させるかを決めることができるわけね。ギルドの人達は全員サブパーティに所属させてっと…あとはサブには『アイテムボックス』を使用不能にしとかないとな。あと『ステータス鑑定』も。)


「あまり気にせず、自分のレベリングと思って狩りをしましょう。レーネ!好きに狩っていいぞ〜。」

「やった!オーリ!ありがとう!」

「ただし、日が落ちる前までだからな!」


そこから俺達は3時間程度狩りをするのだった。


▲▲▲▲▲▲


〜side ギルド職員〜


「う〜ん、仕事終わった〜!」

「代理。仕事お疲れ様でした。お茶です。」

「あら、ありがとう。マリも素材の集計やら報告書作成、お疲れ様でした。」

「キースさん達が綺麗に素材を分けてくれたお陰です。まさか20匹全部の解体が終わるなんて思いもしませんでしたが。」

「そうね。あなたも卸先の選定から数量、業者に渡す契約書の作成、簿冊の記帳と大変だったでしょう?」

「なんか自分じゃないみたいにスムーズに仕事出来た気がします。これって?」

「…たぶん、オーリさんの仕業ですね。」


日が暮れて、私とマリはギルド長室で必要な書類の決裁をしていた。

今日みたく仕事が舞い込んでくる日じゃなくても、いつもならもう少し仕事をしている時間のはずなのに、今日は業務が終了している。


「疲労感もあまりないのよね。いつもなら難しい文章で頭が痛くなるのに。」


私はついさっきまで読んでいた文書を机の上に投げる。


ギルド本部から来る連絡は、上の威厳を保つためか簡単な言葉をわざと難しい言葉にしている感がある。

しかも、所々で違う文書に参照されて、また戻ってを繰り返す。


今まで読んでいたのは、さっきうちに来た《導き手》に係る諸連絡だ。

こういった事態に際して、ギルドではある程度のマニュアル的なものが存在するのだが、今回の措置を報告するに当たって、文書を読み返していたのだ。


ただこのマニュアル、《勇者》を前提に作られている。

今回、教会からもたらされた情報によると、《勇者》は現れない。

そのため、このマニュアルの《勇者》の部分を《導き手》に読み換えるお達しがあったわけだが、そのマニュアルがなんとも杜撰ずさんなものであったため、質問状を作成していたのだ。


「さてと。じゃあ、これも本部に送っといてもらえるかしら。どうせ今日明日じゃ回答も帰ってこないだろうけど。」

「分かりました。転送陣で送ってもよろしいですか?」

「ええ。許可するわ。後は、レグマに明日の仕入れの確認もしなきゃね。」

「それでしたら、こちらになります。」


あら、珍しい。レグマは書類仕事が苦手なはずだったのに、綺麗に纏められた文書が出来上がっている。


「レグマさんに確認しながら、私の方で作成しました。」

「あぁ、なるほどね。ありがとう。…ふむふむ。うん。問題ないわね。」

「あと、レグマさんから今回より徒歩で隣街まで行った方が早い気がすると申告があったのですが、いかがしますか?」


う〜ん…これもまたあの子達の影響かしらね。


「荷物はどうするの?台車を引っ張って行く気?」

「いえ。なんでも『アイテムボックス』を習得したから問題ないそうです。私もこの目で見ました。」


……


「え!?」

「そういう反応になりますよね。」


マリは苦笑いしながら同意してくれる。


「そうなると、私達にも何かしらありそうよね?」

「そうなんですよね。とはいえ、レグマさんは「アイテムボックスがなんとなく使えそうだなぁ」と思って念じてみたら出来たって言っていたので、そういった感覚がなければいけないんでしょうけど。」

「……そうとも言えないわね。」

「そうなんですか?」

「あまり気が進まないけど、モヤモヤしててもしょうがないし。マリ、石板持ってきて。」


マリは足早に石板を取りに事務室へ戻った。

あまり褒められた行為じゃないけど、自分の身に何が起こっているのか知る権利はあると思う。


「代理、持ってきました。でも、これじゃスキルは見えないですよね?」

「今のままじゃね。なので、これを使います。」


私が取り出したのは、ギルド長だけ使用を許されている石板のアンロックキーだ。

これを石板の側面にある鍵穴に入れることで、教会が持っているものと同じ効果を発揮する。

カチッと鍵穴に刺さった音がしたので、これで全部見れるはずだ。


「それじゃ、私からやってみるわね」


私はおもむろに手を翳す。


ソフィア(合計ジョブlv:lv84)

種族 人族 年齢 23歳

性別 女

称号 なし


ジョブ

①平民【下】(lv5→lv35)

(ジョブ補正 HP+10/DEX+10)

(lv補正 HP+34/DEX+34)


②文官【初】(lv31)

昇位条件:平民lv5

(ジョブ補正 HP+30/DEX+30 INT+10/AGI+10)

(lv補正 HP90/DEX90 INT30/AGI30)


③高等文官【中】(lv18)

昇位条件:文官lv15

(ジョブ補正 HP+50/DEX+50 INT+30/AGI+30 DEF+10)

(lv補正 HP+85/DEX+85 INT+51/AGI+51 DEF+17)


HP 383/383(10)

MP 89/ 89( 5)

STR 43(1) DEF 70(1) INT 165(2)

MDEF 43(1) DEX 387(4) AGI 206(2)


lv上昇

毎1up→HP/MP/DEX/AGI

lv2毎→STR/DEF/INT/MDEF


【技能】なし

【スキル】(総獲得P:133/消費:110{うちジョブ開放20})

《ACTIVE》

○文章理解力向上(下〜中) ○文章作成能力向上(下〜中)

○添削能力向上(下〜中) ○指揮能力向上(下〜中)

○指示的確性向上(下〜中) ○交渉力向上(下〜中)

○行動力向上(下・初) ○情報収集能力向上(下・初)

○情報処理能力向上(下・初) ○情報隠蔽能力向上(下・初)

○判断力向上(下・初) ○対応力向上(下・初)

○管理職能力向上(下・初) ○疲労回復能力向上(下・初)

《PASSIVE》

○護身術向上(下・初) ○反応速度向上(下・初)

【祝福】なし


「……は?」

「え?……」


映し出されたものに2人して思考が停止してしまった。

これは上にバレたらマズいやつだ。


「マリ、今見たものは無かったことにしなさい。」

「……私のも見ていいですよね?」

「えぇ。ただし、見たものは墓場まで持っていくこと。」


この日のことは、後日きちんとオーリさんに確認することを心に決めたのだった。

もしよかったら「いいね」、「感想」をお願いいたします。誤字・脱字は発見次第訂正をいたします。


登場人物早見表


○オーリ(小松 毅)

この物語の主人公

年齢 7歳 人族

ジョブ ①導き手②使徒③剣士

∟○キース

 オーリの父親。農家

 年齢 34歳 人族

 ジョブ 農夫

∟○マリエラ

 オーリの母親。専業主婦

 年齢 29歳 人族

 ジョブ 平民

∟○スイレン

 オーリの妹

 年齢 3歳 人族

 ジョブ 未設定


リーネ

この物語のヒロイン

年齢 7歳 ハーフエルフ

ジョブ ①精霊術師②精霊召喚師

∟○オブライエ

 リーネの父親

 年齢 254歳 エルフ

 ジョブ 薬師

∟○スズ

 リーネの母親

 年齢 27歳 人族

 ジョブ 薬師


○アストラネ=エレネスト

教会に所属する人族。果たして第2ヒロインになれるのか…

年齢 24歳 独身

ジョブ ①僧侶②神官


○シグルス

この世界を担当している女神

年齢 ??? 神族


○ソフィア

マカ村のギルド長代理

年齢 23歳 人族

ジョブ ①平民②文官③高等文官

∟○ギル

 マカ村のギルド専属解体屋

 年齢??? 獣人

∟○スティング

 マカ村のギルド専属解体屋兼料理場担当

 年齢 ??? 人族

∟○マリ

 マカ村のギルド受付担当

 年齢 ??? 獣人

∟○レグマ

 マカ村のギルド運送担当

 年齢 ??? 獣人

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