外伝4 食への執念と言うもの
ある日ある時、ただの一言が始まりだった。
「そういえば、この雑煮ってやつ?結構リンが苦戦してたけど、そんなに難しいの?」
あ~、リィルさん、それ言っちゃいます?うん、まあ、コレ、ベストオブ雑煮を作れと言われても素人の自分から見ても難しいだろうなあ。
「苦戦と言うか、種類がありすぎると言うか・・・う~ん、なんと言いましょうか・・・カミヤさん?」
「あ~、レインさん、リィルさん。以前食べた雑煮は味付けが3種出て、具が違うのも何種類か出ましたよね?」
「ええ。あの味付けのバリエーションには驚きましたわ。醤油に味噌にすまし・・・でしたっけ?」
「アレ、一部です」
「「はい????」」
うん、まあ驚くよね。ホント、日本人という人種はさあ。本気出すよね、食に関しては。
「我々の故郷、日本の事話しましたよね?雑煮はその国固有の味なんですよ」
「確か、47都道府県でしたっけ?」
「おぉ、それなら多く見て50種類前後ぐらいあるのか。それは確かに種類があるな!」
うん、普通はそう思うよね。47都道府県に多くてもプラス5ぐらいって見積もるよね・・・
「あ~、リィルさん。・・・・・・倍以上です」
「え?」
アマネさんが答えた数字が理解出来なかったのだろう。リィルさんが聞き返し、レインさんが呆然とする。うん、まあ、そうなるよね。
「ですから、100倍以上です」
『ブーーーーーッ!』
2人が同時に噴いた。うん、まあ、100倍では済まないんだけどね。レストランとかも独自の雑煮あるし、各家庭にも独自の雑煮があるから細分化すると1億以上の雑煮があるのは黙っておこう。
「どうしてそうなったんだ?!」
うん、同じ人種で言うのもなんだけど、ホント、どうしてそうなったんだろうねえ・・・・・・あ!
「そうそう、リィルさんお気に入りの丼物あるじゃないですか?」
「ああ、親子丼にカツ丼とか美味かったな。牛丼もお気に入りである」
「アレも、地方や家庭で細分化すると同じぐらいあります」
あ、場の時が止まった。
「え?日本って、本当にどんな国なの?美食に溢れすぎじゃない?」
はっはっはっ!まだまだぁ!
「ちなみに、こちら、ケーキ作りのプロ、パティシェが監修したスイーツ、コレ、こちらの貨幣で換算でいくらでしょう?」
「流石に1カット分とは言え、ここまで精巧なケーキに銅貨は無いでしょ」
「銅貨換算です」
『ふぁぁーーーーーっ?!?!』
その日、地球、特に日本の食事情を聞いて、2人がリンさんが再現した郷土料理やファミレス料理に、更に通販でのコンビニ飯にドハマりするのは言うまでない事である。そして・・・
「「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」
しばらく経過してから、温泉から聞こえた体重計の音と2人分の絶叫が聞こえたのも言うまでない事である。まあ、郷土料理もファミレス料理もコンビニ飯も意外とカロリー高いからね、うん・・・
日本は食に関しての執念とか追及凄いですからね。1家庭に1つの雑煮と考えると50×100では済まないかも・・・日本、恐るべし・・・