73.5話 飯テロしようぜ! 後編
「う~ん?」
『どうしましょうかねえ?』
自分達は少し悩んでいた。戦車村、いや、街でお預けになっていたアレをついに売り出すのだが・・・・・・アレと言うのは、ハンバーガーセットである。焼きそばパンも考えたんだけどね?
『牛乳が手に入りにくいのがネックになるんじゃないかな?と思うんですけど・・・』
リンさんからの一言で販売は見合わせる事になった。と言うのも、この大陸に居る間なら、王都と言うか王村で供給出来るだろう。しかし、他の大陸やどう考えても供給出来ない場所で売った場合、出所のトラブルとかありそうだし。何より、牛乳は消費期限があるしな。次のレベルアップで牧場を取ればと思うじゃん?出所がこのシェルターレベルアップの特典です!なんて言える訳ないよねってなる訳だ。
「勿論、牛乳ある所もあるけど、この大陸以上に安全か?と言われたら、ねえ?」
現地組も含めて一斉に頷く。しっかり加熱、除菌までしているのは珍しいと思う。と言うか、スローライフ求めて牧畜家に転生している転生者は少ないらしい。この大陸の王都がある意味例外とも言えるだろう。後、買えるとしたらニックさんが居るザナもかな?
「このシェルターみたいにオートメーションな施設が湧き出る訳でなし、牧畜の大変さを知ってる人ほどなりたくない。まして、モンスターが居るとなって倍率ドン」
「逆に開き直って、モンスターを牧畜化する動きもあるみたいだが、安心してその牛乳を買えるかと言われると・・・うん」
順にユウナさん、アマネさんの言である。牧畜、つまり牛乳他様々な製品を前世で扱っているからこそ、今代は別の人生を・・・と言うのもあるだろうし、逆に大変さを知ってるからこそやりたくないというのも大きいだろう。で、モンスター牧場とでも言うか、小説とかでよく聞くアレだが、そこから作られるのは絶品とされても躊躇なく飲めるか食べれるか?と言われると、うん、まあ、無理だろうな。
「通販の牛乳なんか転生者に知られたら厄介だしねえ」
「ですね、オウカさんの言う通り、転生者はなんと言っても味を知っています」
オウカさんとメイさんの言う通り、これが焼きそばパンセットの販売を諦めた大きい理由だ。牧場を取れば出所聞かれるし、通販で購入すると転生者騒動に巻き込まれる可能性が高い。ちなみに、ウーロン茶もそうだろ?と言われそうだがそうでもない。こちらのウーロン茶の元はハーブ栽培が出来るならば疑われる事がない。と言うのも、茶葉=ハーブと言う浸透があり、所謂、御都合主義世界の産物の賜物であるからだ。
「で、毎度の事ながらの・・・・・・」
『 金 額 』
はい、自分の言葉に対する全員からの返答。こうなる訳です。
「向こうでの価格考えるなら、銅レベルなんですけど・・・まあ、ないですよね?」
「むしろ、これだけのモノが銅レベルとか驚きしかないんだが?」
はい、自分の言葉に対するリィルさんのセリフ。いや、まあ、なんて言うか、通じないだろうけど、日本だからねとしか言いようがない。最近、現地組のお二人が好きなコンビニ系列のショートケーキ、アレが専門の店のじゃありませんと言ったら、びっくりするんだろうなあ・・・
「鉄に行くとして、何枚になるか?だけど、鉄1で良い気がする」
自分の言葉に全員が頷く。確かに普通の酒場のランチセットが銅貨での支払い、高級レストランのランチがセットと同じぐらいと考えるなら、これは豪華な食事セットではある。購入も簡単じゃないかもしれない。が、それは普通の場合である。ここはまあ、どう考えても普通ではない。って言うか、並の魔物なら倒せてしまう街だ。金があるというか持て余してるのが多い。例え、転生者でなくてもハンバーガーセットは売れるだろう。他の町の場合も考えなければいけないだろうけど、その時はその時だ。
「まあ、とりあえず、バザーでサッと売ってみて様子を見よう」
『賛成』
なお、この後、1セット売れたのが話題になって、個数制限あるにもかかわらず、バザーの一角にお客様が殺到したのは言うまでない。特に人気あったのはポテトであったのは言うまでない。ポテトの魔力、おそるべし・・・!
実はどちらも出したかったのですが、ミルクって保存効かせたり、本文でも言ってる通り、供給がない所で売ったら、疑われるってレベルじゃないですからね。焼きそばパンはシェルター内限定になりましたとさ。ところで、焼きそばパンって結構なカロリー爆弾・・・いえ、なんでもないです(目そらし
現ステータス
NAME
シロウ・カミヤ
SKILL
安全シェルター LV 8
健康的な体 LV MAX
投石 LV 1
鑑定 LV MAX
鍛冶 LV 7