71話 戦車愛の町とは?
「さて、馬車は必要ないから、車形態で行ってる訳だけど・・・」
「目立ってないのが逆に凄い」
うん、自分の言葉に対するオウカさんの言う通り、こう、なんだ。戦車愛の町に行く為か、こう、戦車が結構走っていて、逆に自分の車が目立つ事がないという、本当にここは異世界か?になる光景になっている。それでも、見てくる人は勿論見てくるけどね。それでも、こう、戦車愛の町の道の所為か、戦車の方に興味を移っていく感じだ。不思議な感覚である、うん。
「なんだろう、戦車乗りで職業がハンターとかいう訳の分からない世界に乗り込んだみたいになってる」
『 そ れ 』
街道は平和・・・・・・いや、平和と言って良いのか分からないが、少なくともモンスターの脅威はない。何故か?簡単である。
「モンスターの不意打ちには装甲で受け止め!主砲か副砲でモンスターをシューッ!モンスターは死ぬ!ただし、街道を犠牲に捧げる」
あの、戦車乗ってる皆さん?モンスター相手にドラゴンでもない限り、主砲はオーバーキルだと思うの・・・いや、副砲でもマシンガンだとオーバーキルか?しかも、装甲に傷つけられるのってドラゴンクラスだよね?ってなる。なので、街道は安全!である、多分。平和か?って言われると?知らん。
「その街道も土系魔法で直せるから、戦車による戦闘は取り締まりようがないんですよね」
メイさんの言う通り、街道の脇にいくつかの駐在所みたいな所があり、魔法使いが常駐している。で、戦闘が起こると一番近い所から魔法使いがカッ飛んできて、道を直すと言う・・・・・・まあ、うん。戦闘による騒音以外は平和な街道である、うん・・・いや、平和なのか、これ?
「うん、まあ、しかし、アレだね?」
スッと、道行く戦車たちを見る。カラフルな戦車はまだいい。いや、戦車の迷彩的には良くないが本人達が納得してるならいい、うん。しかしだ・・・ツッコミ入れさせてほしい。
「いざ、戦車に乗って職業ハンターなゲームのアレみたいな戦車見ると、ここ、ゲームの世界と勘違いするね」
『ですよね』
いや、こう、リアルで戦車に主砲3つとか、特殊砲台てんこ盛りとか見ると、元の戦車を知っていると奇異の目でしか見れない。レインさんとリィルさんもユウナさんに戦車とはどんなものか教えてもらってるのでますますであろう、全員が自分の言葉に同意する。
まあ、とりあえず、大きな問題はない。何故か?戦車自体がファッション、つまり、戦車自慢したいのが多い事。そして、その戦力が向けられる先がモンスターのみと言う事が大きい。
「しかし、こう、見てきた中でも、アレは凄いよな」
アレとは件の街の方に近づいてきた時に見えてきた戦車である。いや、アレは戦車ジャンルに入れていいか疑問であるが・・・何が凄いって?いや、戦車?と言うべきなのだが、多分、きっと、おそらく、メイビー・・・・・・ジャンルとしては砲台ついてるから戦車なのだろう。その戦車?には線路がついている。後は分かるね?
「列車砲、戦車ジャンルでいいんでしょうか?」
ユウナさんが頭を抱えている。いやさあ、戦車で職業ハンターなアレのカスタムもすごかったが、これは予想もしなかったわ。いや、まあ、戦闘範囲が線路限定で且つ、動かす初動が重い所為で文字通りの砲台扱いなのが救い・・・・・・かな?いや、砲撃痕の修復にどんだけ魔力使うかは知らんけど、知らんけど!大事な事なので2度言いました!
「物凄い遠くからでも見えるぐらいだからね。戦車好きとしては感激すればいいのか、呆れればいいのやら・・・」
妹であるユキさんも遠い目をしている。実は3人娘は共に無類の戦車好きなのだが、今は3人共現実逃避している。まあ、無茶カスタムにも程があるからね。
「救いは完全に自衛用ってことだよねえ。ただ、皆も感じてるとは思うけど・・・」
『ええ・・・・・・』
「入りたくねえなあ」
『ですよね』
自分と女性陣の意見が一致するが、見えてきた以上は仕方ない。入ろう。嫌だけど、なんか嫌だけど!悪い予感はしないから大丈夫と信じて!!!
まあ、ロマンと言う事にしたい。ロマンという事にしたい!大事な事なので2度言いましたぁ!
現ステータス
NAME
シロウ・カミヤ
SKILL
安全シェルター LV 8
健康的な体 LV MAX
投石 LV 1
鑑定 LV MAX
鍛冶 LV 7