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69話 イベントとの遭遇=イベント受注とは限らない

「で・・・・カジノ船」


「いつまで停泊してるのかしら、アレ」


あれから更に時間が経過したのだが、朝食後のお茶を配ってくれているアマネさんの言う通り、カジノ船は動く気配と言うか、次の街へ出港する気配がない。と言うか、何が起きてるんだ?状態である。


「ちょっと、久々に宿の外に出て、探ってみますか?」


「そだね。最近、バザーにも出てないしな。宿の一角で店をやらせて貰ってたからなあ」


そう、宿の女将さんの好意で、例のカジノ船が居る間はこちらで売り上げの一部を収める代わりにバザーで開いてた飲食店をやらせてもらっていたのだ。ある意味、カジノ船が居る間なので、ここで店を開いていい=カジノ船がまだ停泊していることの裏返しでもあるのだ。しかし、流石に停泊期間が長いので、外で情報を集める事にする。とすると、まずはあそこかな?




『我々も分からないのですよ。もう目的は達している・・・筈なんですがね』


冒険者支援商会支部の奥の部屋で、商会の通信魔石を使ったライさんとの面会をしている。魔石はシェルター内部に持ち込んでいる。何故ここかと言うと、支部と言っても、まだまだ小さな建物だ。と言うより、発展しすぎた港の中で小さいという意味であるのだが。が、情報を得るなら、袖の下が通じない意味では一番信用出来る所であるし、ここの奥に居ると言った事実が一番カジノ船の密偵を遠ざける事が出来るだろうという考えがあるからだ。ついでに、ここにはカジノ船の質に劣らない転生者が沢山居るので侵入する形跡が一番難しいってのもある。


「ですよね。となると・・・」


『まあ、おそらくは目的は君達、あるいは、君達の保護下3人である可能性が高いね』


ですよねーってなる。ある程度予測はしてはいたが、まあ、ずいぶん執念深い。力押しで接触してこないのは小心者か、慎重なのか・・・それとも、集めた情報を基にしたからか。どれにしても厄介と言う一言が共通する。


「宿を大金で買収したり、ライさんと接触しないのはそういう事ですかね?」


『出来る限りはカジノ船、つまり自分の不利益になる事はしたくない。そして、事を大事にはしたくないという事でしょう』


それだよなあ。逆に言えば、無視し続けても良いが、それはこの先、行く先々にカジノ船勢が来るという事の裏返しでもある。それよりも気になるのは・・・


「なんで、自分達、あるいは3人娘なんでしょうか?」


『そこですな。確かにシェルターも近代兵器製造も魅力的ではありますが、経済的にも軍事的にも余裕があるなら探す必要性は感じられません』


とすれば、目的は武器防具、護衛、食料などでは無い?とすると・・・・・・?


「目的はシェルター機能。いや、別空間を作り出す能力者・・・か?」


「だが、シェルター能力は確かに珍しいが、知っての通り、開拓大陸を中心に絶対的に珍しいものではないぞ?」


そう、リィルさんの言う通りだ。普通に能力としてもあるし、それ関連のアイテムだってある。スキルスクロールもきっとあるだろう。とすれば、尚の事、自分やアマネさんの能力を求めるという理由が分からない。

う~ん?金はメッチャ持ってそうだから、普通にスキルとしてはスクロールが買えるだろうし、そういう冒険者の囲い込みだって出来るだろう。


「っ!そうか、共通する事はある!」


自分はそこでピンと思い当たった。そう、自分、オウカさん、アマネさんというシェルター能力持ちに共通する事。ライさんも思いついたらしいそれは・・・


「『最初に選んだ事』」


つまり、スキルとしての強度が段違いと言う事だ。とすると、狙いとして順当なのが・・・


「運び屋、もしくは、絶対的に安全な場所を提供する奴隷ってとこかなあ?」


『ですな』


「もしくは・・・それが必要になるほどの何かがある・・・でしょうか?かなり低い確率と見積もりますが」


レインさんの言葉に自分もライさんも頷く。とは言えだ・・・


「まず、近づく理由ゼロなんですよね」


『 そ れ な 』


ライさん含む全員が同意する。近づく理由ありますか?と聞かれると限りなくゼロに近いノー!である。ちなみに、では、低い確率ながらも近づく理由は何ですか?と聞かれると、偵察してみようかな?ぐらいの考えである。少なくとも中に入る必要はなく、外から見るぐらいだと思われる。


「招待みたいなものが来たら受ける・・・のはリスク高いよな」


「場所を指定され、待ってる間も周りを固められるから得られる情報は少なく、招待されるなら船内だから、拉致されるリスクがかなり高くなるでしょうね」


うん、自分の言葉に対するメイさんの言う通りだ。正式な招待状のため、周りは止めれず、拉致した犯人とは丸分かりではあるが、向こうからすれば拉致すれば勝利条件満たせるわけだからなあ・・・しかも、船の中。出航すればそれで追っ手は限られる。う~ん、この近づく必要なければ用は無い感。


『カミヤさん、かなりぶっちゃけた話になりますが・・・』


「なんでしょう?」


『他の町に行っちゃっていいのでは?』


「ですよねー」


うん、まあ、そうなるよね。何考えてるんだ?とか考える以前に、自分達からすれば前も言ったが無視してオーケーなんだよなあ。というか、中々港から離れないから、なんか離れ難くなったというか、タイミングがおかしくなっただけで。うん、よし。


「じゃあ、明日丁度、宿の前払い分終わるから、ここを離れて別の町に行くってことで」


『賛成』


女性陣もなんでこの結論に至らなかったんだろ?という顔で賛成してくれた。いや、ホントになんでだろうね?

まあ、うん。彼等にカジノ船の誘惑が通用するか?って言われると、こうなりますよねと言うお話。


現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 8


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 7


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