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63話 3人娘合流 後編

『あははははははははは!』


3人娘以外の全員がシェルター内で笑っている。いや、もう、お腹痛いし、草が大草原だわ。何が起きてるかと言うと・・・


『どこだ!絶対居るという情報が流れてるんだ!探せ!』『くそ!居ない、どこだ!』と機械大陸の入口である港で探し回る転生者達の姿である。


「あはははははははは!ザマァ!」


「え?あの、カミヤさん、彼等はどうして?私達、安全地帯があっても追い詰められてましたよ?それがこんなに混乱してるのは?」


笑い続けてる自分にユウナさんがおずおずと言った感じで聞いてくる。


「簡単だよ、奴等が使ってるのはサーチ能力だろう?サーチ能力って言うのは探す指針。これに特化してる訳だ」


「ええ。それの所為で私達の隠れてる所が色々探されたのですが・・・」


「では、何故小島には来なかったと思う?」


『あ!!』


3人娘も気づいたようだ。確かに人を探すのにはサーチ能力は便利だ。チート級なら尚更だろう。だが、サーチ能力は完全な探知機であるか?と聞かれれば違う。探す事は出来ても特定は出来ないと思われる。

今回の例で言えば、彼女等は逃げ続けてる間も結構な数の転生者が追いかけていたにも関わらず、待ち伏せされたり、捕まる寸前だった様子が無い。何故か?


「彼等は当たりしか付けられないのさ。大体、この辺に居るという感じでね。だから、君達が機械大陸近辺の小島に居るとは頭が回らなかったって訳さ。故に見つけれなかった」


「なるほど、御三方が無事だったはずです。大陸から離れておらず、大陸近辺の小島なら大陸とされるのですね」


自分がレインさんの言葉に頷くと、3人も納得した様に頷く。要するにだ、自分達の常識的に例えるなら沖縄は日本の領土で日本国内だという事である。図らずも、彼女達は連中の攪乱を無意識的ながら行ったという訳だ。そら、機械大陸内を探してたら居るのに居ない!状態になる訳だよ。更に造った戦車や戦闘機などの所為で、痕跡は多数ありすぎる為、一つ一つ潰していくと年単位以上かかってしまう事も幸いしたのだろう。小島に移動する羽目になった追跡については、単純に運が悪かったのだろう。


「で、今回の場合、それの発展系だな。3人ともこのシェルターの中で痕跡は完全に消えてる。ここまでは良い?」


『ええ』


3人が頷くのを見て、続ける。


「更にかなり期間が経過しているから、作った物の当たり潰しは3人がここに入った時点で終えているだろう。では、ここで問題、転生者達は全く痕跡がない事をどう考える?」


「あ、私達は他大陸に逃げた?」


アマネさんの言葉に頷く。反応が全て消えたなら範囲外、つまり大陸から出たと思うだろう。


「となると、連中はこう考える。逃げ切られた。でも、今は戻ってこなくても、作った物が気になる・・・だから、いずれかのタイミングで戻ってくる。とね」


「あ、だから・・・期間を置いて、大陸に入ったんですね」


そう、そして、彼等が張るのはどこか?当然ながら、人の出入りがある玄関口である港である。しかし・・・


「うん。そして、上陸した所で、ユウナさんが作成した超小型の飛行機の放出や戦車のキーホルダーを持った冒険者支援協会の人々が降りると・・・彼等のサーチスキルも考えるとどう見えると思う?」


「降りた人間すべてが怪しく見えるし、どこで手に入れたかを聞こうとして、引き留めようにも引き留めるべき理由が無い。そうなると、全てを人力で調べなければいけない?」


ユキさんの言う通りだ。これが奴等の最大の欠点。特定が出来ない所の弱点である。おそらく彼等のスキルはキーホルダー等にも反応してしまう。だからと言って能力を使わないと特定も難しい。更に、自分のシェルターは痕跡や対象を追跡するような魔法は消してしまう事がライさんから貰った事がある割符で判明している。では、彼等は何を探す?そう、方々に散った小型機やそれを持った人だ。しかし、3人は居ない、居る訳がない。


「そう。でも、出来る訳がありません、そうですよね、カミヤさん?」


「うん、リンさん、お茶ありがとう。その通りだ。呼び止めてチェックするわけにもいかない。追跡して調べるしか出来ないのだからね」


お茶を受け取り、他の皆も一服した所で続ける。


「では、彼等は何故無駄足を踏まなければいけないと不満が溜まっていった先は?」


『あ』


そう、目的であり、不満の先である3人が見つからないなら、その集団の行き着く先は内部抗争である。だから、これでこの件はフィニッシュなのだが・・・


「で、本題。3人共、このまま居た方が良いと思う」


「ああ、やっぱり?」


ユウナさんがそうなりますよねと言う顔をする。どういう事か?


「はい、調査の結果と言いますか、ライさんからの情報で表の転生者以外、つまり、この大陸以外の国家に狙われる可能性が高いという事です」


そういう事である。機械大陸の発展の陰に彼女たちあり。その彼女達が国家から離れて行方不明となれば、そう言う目で見てくる者も居るという訳である。そして、捜索する。まあ、当たり前だわな。


「レインさん、どうです?」


「王曰く、難しいので、こちらで預かって欲しいそうです」


一応、レインさん達が居たあの大陸も考えて連絡を取って貰ったのだが、やはり難しいらしい。機械大陸の有様を見て、野心持たぬ者が居ないとは言い切れないらしい。良い人だね、王様。

何故かって、対外的に有利になれる要素より人情を優先しているからね。これだけでも信用が鰻登りってもんだよ。


「って事なんだけど、良いかな?」


『よろしくお願いします』


こうして、3人娘が新たなシェルターの住人になりましたとさ。いや、不思議な事は起こらない・・・・・・筈?

事故は起きない!え?ホントかって、ハハッ!(目を逸らす



現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 8


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 5


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