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7話 ポーションにまつわるエトセトラ 始動編

感想一気に4件頂きました。ありがとうございます!ブックマークも増えてきて、嬉しいです。

「よしよし、狙い通りかな?」


あれから、夜近くになるまで街を回った。目的は店の場所を覚える事もあるが、ウィンドウショッピングが目的だ。

もっと正確に言うなら、目的を果たした成果がコレである。



鑑定 レベル4:様々な物のあらゆる事を鑑定する。レベルが上がる毎に得られる情報が増えていく。現在の確定情報:名前、効果(全て)、ランク



そう、街の中で色々な食物・鉱物・武器・防具・服・雑貨・ポーション類などを見て上げた成果が鑑定の2から4へのレベルアップだ。

他に、ポーション調合の本などもあったので初級系を1冊買って、シェルターに保管し、後で読むことにする。


(さて、夜も近いし、街の外に出て、シェルターに戻るか)


特に咎められる事は無いのは確認出来ている。ただし、命の保証はしないというのが上に付くが、まあ、自分は心配ない。

街の外を出て、しばらく歩くだけで人が極端に少なくなる。夕方すぎると門の兵士達も城壁の上に戻る。

精々、街の外に居るのは稼ぐために、テント等を構える、所謂、冒険者ぐらいである。それでも、野営地はやはり門近くだ。


(林に入るだけで、人が見えなくなるってのは助かるけど、複雑)


まあ、ここは日本ではない。夜は危険だからこそ、分かってる感じなんだろう。

とは言え、別の街に行く度に林を見つけるのは流石に無理がある。っていうか、城とかある街でやったら、ほぼ不審者だ・・・・・・これは、どこかのタイミングでギルドに相談するのも良いかもしれない。


「で、今回考えるべきは武器・防具・ポーションの事だよなあ、まさか、まさかだ。あるかもとは思っていたけどさあ」


と言うのもだ。店で調べていく内に分かった事だが、武器・防具・ポーション・服には 等級 つまりはランクが存在する。例えば、今、目の前にあるブロンズナイフ2本がその一例だ。1本2銅貨。価格も同じで・・・



ブロンズナイフ:銅製のナイフ。攻撃には頼りないが解体などに向いている。等級:F


ブロンズナイフ:銅製のナイフ。攻撃には頼りないが解体などに向いている。等級:C



見た目も同じなのだが、試しに最も切れ目が分かりやすいまだ冷蔵庫に残っていた豆腐を切ってみた。等級が低い方は切り口がこう雑と言うか、豆腐を少し潰してしまっている。研ぎが甘いのか?一方、高い方はスパっとまで行かないが綺麗に切れた。


「ん~、これはつまり、仕上げや工程で手を抜いてる、抜いてない、仕上げが甘い等で決まる感じか?」


いや、待てよ?この場合、見た目は同じ、つまり、火入れが甘かった等ではなく、研ぎが甘いが一番考えられる。ってことは、まさか・・・ねえ?


「確かこの辺に」


台所にあった包丁用の砥石とナイフを洗い場に持って行って、等級低い方を研いでみる。予想が正しければ、鑑定したら判るはず。



ブロンズナイフ:銅製のナイフ。攻撃には頼りないが解体などに向いている。磨かれし刃は品質を向上させた。等級:F→C



オッケー、ビンゴ。ビバ、ジャパン砥石。こうなると通販などで出てた、めっちゃ切れるようになる研ぎ用の機械なんかで研いだら更に品質上がるであろう事が確認できた。

つまり、工夫次第で既存のこの世界の物の等級を上げる事は出来るという事だ。そうなると気になってくるのが・・・


「ポーション・・・だよなあ?」



ポーション:飲み用。このままでは物凄く苦いが、ある程度の病気を治し、怪我の治癒スピードを上げる。等級:D


ポーション:塗り用。酷く染みるが怪我の治癒スピードを上げる。等級:D



基本、どちらも銅貨3枚。冒険者や遠出する人達には必須だが、聞いたとこ評判は良くないらしい。まあ、実際そう書かれてるしね。

腕がすごく良い錬金術師ならば、上記の欠点を解消し、怪我の治癒スピードもかなり上がるポーションが作れるらしいが、そういう人は大抵王家や大商人、貴族のお抱えらしい。


「まあ、当たり前か。ん~それに」


調合の本によると、基本は薬草を煮込むだけらしい。少し違うのは飲み用は葉の柔らかい部分だけ、塗り用は丸ごと全部潰した物を煮込むが基本らしい。

根っこまで使うってことは薬効に期待してだろうか?読み進めると、出来上がる品質は基本的にF~Dランク。つまり、今回買ったポーションはズブの素人ではなくある程度は腕がある錬金術師が作ったって事だ。


「でも、飲み用の解説、ほうれん草のおひたしとかそういうのを作るときの要領で灰汁を徹底的に取った後、潰して、更にミキサーでペースト状のを布で濾せば良いのでは?」


ついでに蜂蜜とか調味料使ってみるのも良いのでは?いや、混ぜる水を炭酸水に変えるとかでも良いんじゃね?等級検証だけど、少しぐらい脱線しても良い・・・よね?薬草は生育が早いので収穫したのがかなりある、売る分を分けておけば問題ない。よし、試そう!試すんだ!



ポーション:飲み用。苦み、のど越しを改善した新ポーション。病気を治し、怪我の治癒スピードをかなり上げる。等級:C



ポーション:飲み用。苦み、のど越しを改善し、甘くしたジュースポーション。風邪レベルの病気も瞬時に治し、怪我の治癒スピードを倍以上に上げる。等級:B



ポーション:飲み用。苦み、のど越しを改善し、甘くした炭酸ポーション。風邪レベルの病気も瞬時に治し、怪我の治癒スピードを倍以上に上げる。ただし、むせやすい。等級:B



それぞれボール1つ分づつ出来た。ついでにステータスを見る事で確信した。自分は調合や錬金等を覚えてはいない。つまり、日本あるいは海外の道具でスキルも使わず等級を上げれたという事だ。


(だが、おそらく、この世界の()()()()()()()()()()()()だからこそ出来るって事かな?)


自分がやったのはしっかりとお湯を張った鍋で薬草の灰汁を取り、ミキサーに薬草を入れて丁寧に潰し、更に布漉しで絞った液体に蜂蜜を入れたり、炭酸水と1:1で混ぜただけである。

だが、この世界からすればどうだろうか?一々、ポーションを作るために灰汁を取るのに時間を掛け、ミキサーでペースト出来るぐらいに綺麗に潰せるだろうか?

答えは否である。そんな手間暇かけるとすれば、とんでもなく時間がかかるし、人手も要るし、湯を沸かす為の燃料も要る。


(ましてや、ブロンズナイフやポーションというある程度需要があるモノを機械無しに大量生産するのは無理だ)


錬金術師や鍛冶師を何人も専属として持ち、こだわり続ける事が出来る集団ならひょっとしてレベルであろう。そんな集団居るか?と言われると、まあ、居ないと言えるだろう。そこまでこだわるぐらいなら1ランク上のアイアンナイフやハイポーション作る方が現実的だ。


「となると、ジュースと炭酸ポーションは自分用、それに知りたい事あるし。売りに出すとすればこっちかな?」


新ポーションと書かれている方を買っておいたポーションの中身を窓から捨て、瓶を洗った上で煮沸消毒も行い、瓶に入れてみる。

通常のポーションとは違う、薄緑色な感じが良い感じだ。しかし、これ、どう売ろう?青空自由市場で売るのもアリだが、絶対追及されるよな。トラブルの元になりかねん。

とは言え、腐らせるのもアレだし、こういう時はギルドだな!決して、丸投げではないぞ、ないんだ!

ファンタジーと言えばお約束のポーション。うん、でも、どのノベルでも、薬草丸ごとですからね。そら、飲み用はまずいに決まってますよね・・・



現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 2


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV 4

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