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59話 ポータル拠点を作り直そう

「これで支払いは良いかな?」


『はい、確かに。ありがとうございました!』


さて、アレから1カ月ほど、ダンジョン前の小さなレストランで稼いだ資金で組合から紹介された不動産屋で土地と家を買った。まあ、前に買った小さな土地も含めてだが、買ったのは理由がある。勿論、ニコニコ一括現金払いである。


「これでいつレベル上がっても良いかな?」


「ですね」


まず、レベルが上がると、ポータルの設置があるのだが、流石にこの島で目立ち過ぎた。となると、自分達が去った後、ポータルを隠す小さなテントやミニサイズの建物では色々まずいって事で、囮として買う事にしたのだ。まあ、メインはミニポータルなので、家自体はハウスキーパーに任せるつもりだ。レインさんも、ホッとしてる辺り、やはりミニ土地ではこの地を離れるには心許ないレベルの目立ちっぷりだったのだろう。


「ポータルの外見も限りなく家具に近くした方が良いかな、コレ」


「同感だね。だが、どこに置く?」


リィルさんの言う通り、そこがなあ・・・さり気なく庭の小物に紛れさせるとか、どこかの部屋に置いた小物でも良い訳だが、そうなると、ハウスキーパーに注意、つまり事の次第を話さねばならない。では、そこまでのすぐに信頼関係を築けるか?と言われるとノーである。


「あえて、それらしい部屋を作るというのはいかがでしょうか」


と、レインさんが提案してきた。あえて?・・・・・・あ、そうか。


「そうか、厳重な部屋を作っておけば・・・しかも、そういう用途と申請しておけば・・・」


「あ、そっか。ここは私有地扱いになるから、まず奥まで入ってこないし、そういう用途なら地下に置きますよね」


自分の言葉に対するリンさんの言葉に頷く。懸念しているのはポータルの持ち出しなのだから、それらしい部屋を家の地下に置いておけば、まず、小さいポータルがそれだと思われる可能性がグンと下がる。しかも、門のようなものを飾り立てれば、更にそれっぽく見えるに違いない。


「それなら、その飾りつけに関係なさそうな本棚に置く飾りとかに紛れ込ませてはどうですか?」


『それだ!』


そう、メイさんの言う通り、例えば、本棚に固定された飾りをポータルと見る奴は居るだろうか?居る訳がない。ポータルの形の方向性も決まったな。そうなると、次の問題は・・・


「家はどう使う?」


これである。確かに欺き用の家ではあるが、何も無いというのは逆に怪しさしかないだろう。と言うか、どう考えても怪しい。


「それなら、私が良い提案出来ると思います」


そう言って立ち上がったメイさんがレインさんといくつか確認すると、その計画は採用された。




「なるほど、こりゃ、メイさんならではの視点だね」


「カミヤさんの希望を沿うなら、こういう使い方もあるという事ですよ」


あれから2カ月経過した。家は魔法の御蔭で建つのは早いが、計画の為の内装に外装。更に様々な物の運び込みで時間がかかってしまったのである。そうして、出来た家はまんま、こう魔法使いの研究所+寝る為の家と言う感じである。


「これはメイさんならではの視点ですね。魔法を研究してる者ならではです」


「そうだね、レイン姉。それにこれならおかしくはない。実際、研究が出来る環境なら使い様もあるしね」


2人の言う通り、これはまさしくメイさんのお手柄である。ポータルは要するに転移魔法である。なんでも、こちらの世界にもゲートと言うモノがあるらしく、上位魔法使いなら、本当に一部ではあるが、拠点に持っているそうだ。

更に言えば、そういう拠点は大抵、有難がられる。色々緊急時の条件などもあるが、申請すれば、警備するだけの人員も置いてくれるらしい。更に言えば、稼いだお金でゲートの素材自体を買う事も可能である。


「お疲れ様、こんな感じで良いかな?」


「ご苦労様です、オウカさん。ええ、良い感じですね」


メイさんがオウカさんにゲート素材を渡し、出来たのがガワだけはそれっぽいゲート。勿論だが、なんちゃって転移室という訳にもいかなくなったので、転移門を購入。後程、魔術関係ギルドからの人員が完成させる。

まあ、要するにマジモンの転移室にして、そこにこっそり小物ポータルを置こうという訳だ。更に言えば、転移門は盗んだりすれば犯罪だし、そこから自分達が出て来ても何一つおかしくない。


「ま、それでも悪さする奴は居るだろうけどね」


「でも、出来ませんから安心ですね」


そらそうだ。まずは転移門自体が固定式。なんでも固定化の魔法をかけた本人、つまりメイさんしか外せない。また、転移門の転移先はとある場所のみにする予定だ。

更に更に、各部屋には私物を置かず、オウカさんが作った木工細工や陶器などを置く予定だ。つまりは、まあ、そう言う事態はすでに想定しているという事だ。まあ、なんて言うか、目立ち過ぎたってのがある。こうなると、様々な組織、国家が色々調べようとしてくるだろう。


「一応、ギルドと言うか、組合からの衛兵さんが派遣される予定ですけど・・・・・・宛てには出来ないでしょうね」


「だろうね。一応、衛兵はプロではあるけど、その道のプロや国家の使いには勝てないからねえ」


まあ、そう言う事である。そこで、この家丸ごとその手の輩用の罠にしようという訳だ。まあ、そこに本命のミニポータルがあるとは思わんわな、普通。

更に置かれている私物は盗まれて売られてもその盗難先が分かる代物。だって、オウカさんが独自に調合した釉薬を使ってるからね。調査するならオウカさんの魔力を辿ればいい。そういう意味ではこちらも罠である。


「ここまでやれば大丈夫だろう」


「ですね」


そうして、内装を整える日々が続く内に、ついにその時は来たのである。

目立つと色々大変だよねと言うお話ときな臭い状況をどうするかと言うお話。衛兵も国とこの手のプロには勝てんのだよ・・・


現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 7


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 5

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