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58話 アレをご存じないのですか?アレこそがある意味日本の至宝です!

「う~む・・・」


今、かなり悩んでる事がある。それは・・・


「機械大陸の稼ぎ、どうしましょう?」


「難しい所ですね。戦車や飛行機が見られるならおそらくは日本人の転生者が多く、味噌や醤油なども作っているでしょうから」


リンさんの言葉に対するメイさんの言う通り、確実に日本人転生者が居るだろうから、バフ無し料理は売れるか?と言われると微妙な所である。


「かと言って、新ポーションが売れるかと言われると、確実とは言えませんね」


レインさんの言葉にリィルさんが頷く。他大陸の事だから、情報があまり無いという事もあるが、ポーションに関しては完全に到着した大陸次第だろう。それに転生者が居るなら、まずいポーションの改造はお約束だしなあ。


「私の陶芸なら売れるかもしれないけど、多分、微妙だよね?」


「逆に珍しくて売れるかも?」


「あ、確かに!」


「陶芸は取ろうと言う人は少数である可能性高いですしね」


オウカさんの言葉に自分、リンさん、メイさんが言う。確かに、日本人なら取るかもしれないが、販売の為に取るか?と言われると微妙な所である。大半が趣味の為になるだろう。つまり、販売までは考えていない可能性が高い。ついでに言うと、以前オウカさんがSOSの為に作っていた黒塗り茶碗は確実に転生者には売れる。いや、売れないとおかしい。


「ん?そうなると、同じ理屈で考えると、バフ無しならアレ売れるんじゃない?」


「アレ?」


オウカさんのこの後に続く台詞に、自分達転生者組はあっ!っとなったのだ。そうかあ、そりゃ、いくら転生者でもアレだけは簡単に再現できないし、店舗作れないよなあ。良く考えたら、すっげえダンジョン向きの食事だったわ、アレ。


「試作品作ってきますね」


リンさんがキッチンに駆け込み・・・


「あ、待って、待って、確かカミヤさんのパソコンにウィキと動画ありましたよね!」


「あ、メイさん、ナイス!取ってくる!」


そういえば、アレは異世界に来る前に神様達にお願いして、その辺りのウィキページをパソコンに詰め込んでいたのだ。リンさんも何度かアレに近い物を作ってくれたが、完全にアレじゃなかったからなあ。と言うか、リンさんの料理が美味しすぎて、頼む事が無かったとも言うけどね。


「「???」」


あ、いけね。レインさんとリィルさんを置いてけぼりにしてしまった事を思い出し、部屋に行く前にオウカさんとメイさんに説明をお願いしておくのだった。





「なるほど、これは・・・」


「レイン姉、手が止まらないんだけど?え?何これ?」


現地組の2人が食べているのは所謂、ファーストフード店のフライドポテトである。こー、なんて言うか、あのジャンクな感じの再現までかなり時間がかかった。一見、塩だけのようで塩だけではない秘密の配合が各店にあり、そこら辺がリンさんですら悪戦苦闘した。

何せ、動画やウィキでもその辺りは当たり前ではあるが企業秘密である。リンさんの料理レベルは相当高いが、流石に資料が無いとどうにもならない為、自分達転生組が思い出せるだけ思い出し、通販能力で様々な冷凍ポテトを買って配合を確認するなどした。


「う~ん、やっと近づいたってレベル?」


「ですね、もう少し研鑽を磨きたいかなって」


「胡椒がもう少し欲しいかな?」


そんな二人に対するオウカさん、リンさん、メイさんの言葉に頷く自分。そして、何言ってんの、この人達?と見る二人。うん、すまないけど、これでもまだ本家に近づいてすらいないんだ。本家はこう、もう言葉も出ない程無言でモグモグしちゃうからね。ホントなんだろうな、あの中毒性?


「で、肝心のこっちは、割とすぐにいけたね」


自分の言葉に全員が注目するのは、ハンバーガーだ。そう、オウカさんの言っていた儲けの方法とはハンバーガーセットである。すっげえ、盲点だったわ。勿論だが、作ろうとした者も居る。しかし、ネックになったのがポテトのシーズニング、所謂味付け、更に製作する環境である。

料理スキルを上げればハンバーガーにポテトは出来る。しかし、転生組が覚えている味付けまではいかない。何故かは言うまで無く、お店独自の味付けまで盗めた者は居ないからである。故に物足りない。更に言えば、製作環境も一因である。


「まあ、ファーストフード店と同じ環境が異世界で簡単に用意出来る訳ないよねって」


「「「 そ れ 」」」


自分の言葉に頷く転生者組3人。例えば、フライヤーである。似た様な物は用意出来るだろうが、機械駆動では無く魔法駆動であるだろうし、油の取り寄せも大変になるだろうし、揚げまくった油が汚くなったら交換もある。この上で更に大型の鉄板にハンバーガーを作る以上は具とパンズも必要になる。加えて、2つを焼く別々の鉄板も必要である。

その上で更に飲み物まで用意となれば、異世界で実現可能か?と言われると大半がノー。更に、出来たとしても大出費、初年は地球基準の値段設定にすると、間違いなく大赤字である。やろうという奴は間違いなく居ない。


「なるほど、出来たとしても研究も必要と?」


「そりゃ、誰もやらないわ、こういう施設が整ってない限りは」


Mサイズクラスのポテト2つを空にしたレインさんとリィルさんのお言葉である。空になってるという事は成功で良いな、コレ。2人の言う通り、ここまで整った設備を持つのは自分だけであろう。金に物を言わせれば自分以外も居るかもしれないが、商売まで考えると無理であろう。

やるとしたら、貴族生まれで道楽かな?ただ、道楽でも環境・道具を整備しなければいけない上に店員を雇用まで考えると、やはり難しいだろう。完全に道楽と割り切れるならやれるかもしれないがやれる貴族は少数だろう。


「とりあえず、ハンバーガーとセットでウーロン茶かな?」


「ですね。コーラは流石に製造と言い張るのは難しいでしょうし」


まあ、それでもセットに関しては色々聞かれるだろうけど、スキルの仕業にすればよい。スキル世界、万歳。ただ、コーラに関しては流石に入手先とか聞かれるのは美味くないのでリンさんの言う通り出せないだろう。セットとの相性は抜群で心掴むだろうけどね。トラブルが付いてくるならいらない。


「よし、それじゃあ、シェルターレベル上がるまでにやりたい事やっておこうかね」


そう言って、自分は更にとある準備に取り掛かるのだった。

ハンバーガーとポテトの組み合わせこそ、ジャンクフードにて最強!後は、コーラさえあれば!なんですけど、流石にアレは一からは・・・ねえ?


現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 7


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 5

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