49話 大陸の到着とこれからの事
『大陸での滞在の説明は以上です。こちらが探索タグになります。ある意味、この大陸での証明証になりますので無くされないでください。では、お気を付けて』
港から降りた後の関所のような所で、色々説明があった。後、自分のスキルも説明した。人間型と車型の変形型拠点は珍しがられたが、やはり、拠点構築能力は珍しくないらしく、門番の平静さや周りが収まるまでそれほど時間はかからなかった。
そんで、滞在する場合はこの探索タグ、名目上は探索が付いてるが実質、無事の証明証になると言っても良いらしい。まあ、モンスターもあるが、まあ、人間とのトラブルもあるという事である。
「で・・・・・・港がコレ」
「あははは・・・・・・」
いや、なんていうか、街自体は発展した港町と言う感じなのだが、問題は・・・
「外壁でけえ!」
外壁と言うか、防壁が3重ぐらいでしかも、全部高層ビルクラスの高さで囲ってあるのである。コレ、洗濯物乾かすのに、街の外に行く必要あるのでは?と言うレベルである。
コレ、酒場か冒険者ギルド、いや、それ以外でも情報収集案件かな?とりあえず、情報を集めれるだけ集めてみよう。
「う~ん、世紀末モンスター狩猟伝説」
「まさかのでしたね・・・」
情報を集めた結果、大型モンスター襲来は当たり前。スタンピートレベルのモンスタートレインは日常レベルの世紀末モンスター世界という事が分かった。
この為、日常的に防壁は修復、高さの変更等で、今に至ったらしい。誰だってそうする、自分だって日照が悪くなってもそうする。
「情報集めてる間に地を這う・・・アースドラゴンだっけ?来たもんなあ」
「そうしたら、それまで静かだった街が世紀末ヒャッハー戦士達の溜まり場になりましたね」
「物の数分で、アースドラゴンがむしろ被害者の構図の出来上がりっていうね」
自分の言葉にメイさん、オウカさんの順で言う。いや、もう、アレは、ねえ?手慣れた、こう、猟師がサクサク狩猟・解体してると言う感じだった。まず、アースドラゴンが防壁に一当て、アレ、石製じゃなく間に幾重にも重ねた鉄板が入ってるらしく、ドラゴンがぶつかると凄く、うん・・・鈍い音がした。
これでまず死ぬかもしれないレベルの重症をドラゴンは負うし、頭部からぶつかった訳だから、脳震盪も起こす。そこに群がる開拓者兼冒険者達、アワレ!アースドラゴン=サン、毟られるように解体ッ!からの解散!である。
「う~ん、蛮族戦術。けれど、正しい」
「ですねえ」
魔法が使える世界ならではだ。人が居れば修復できるし、この方法なら、地上の襲撃には確実に襲撃に対応出来る。と、なると・・・自分達の基本的なこの大陸での立ち回りも自然と決まる。
「一先ず、普通に歩いて、地図作りつつゴーですね」
『ですよね』
いや、まあ、大型モンスターは厄介だが、鯨ほどではない。食われても牙はシェルターの硬さで折れるし、飲み込まれても重さを最大にして、どこからとは言わないが突き破って出てやればよい。と言うか、ダンジョン外なので危険は無いと言っても良いだろう。ダンジョン内の場合は少し考えるけどね。要するに、自分達にとっては自由探索が可能な島であるが結論である。
「やっぱり、あの計画も実行するべきかな?」
「上策かと」
計画とは言っても少し先の話、8にレベルアップした時のご褒美の事だ。8レベルアップのご褒美はポータル。所謂ワープポイントの設置である。
この大陸にワープポイントを置き、今後大陸を移動する場合の中継地点としたいのである。開拓大陸の文字通り、色んな所に行く船あるみたいだしね、今後も考えると重要である。
「やっぱ、ここが一番だよなあ」
「ですね」
ワープ先にザナも考えたのだが、流石にアクセスが悪いし、王都に貿易都市はその、トラブルが怖い。学術都市?論外である。そうなるとポータルを隠蔽しやすいこの大陸が一番だろう。一応、ポータルは回収も出来るしね。
「となると、滞在は少し長く取るしかないという事かな?」
「ですね」
オウカさんの言葉に頷く。シェルターに関しては向こうでもお試ししてあるのだが、向こうとこちらで期間は同じとは限らない為、最低でも8にレベルアップするまではこの大陸に滞在予定である。
そうなると、出てくる問題がいくつかある。まず・・・
「こちらでの拠点はどうしますか?」
メイさんが言う拠点とは要するに、ポータル置き場と言えば良いのか、設置場所である。
「出来れば、街っていうか、港に近い方が良いよな」
「そうなると、港近辺の木の穴が一番ですが、ポータルが回収出来るタイプとは言え、移動、つまり伐採されたら困りますね」
そう、自分とリンさんが言う通り、港に近く、木の穴がベストだったのだが・・・ここは開拓地。木は勿論伐採する事が多く、コレを残す等が決まっていない。つまり、木がベスト、ベストなのだが、残念ながら設置には向かないだろう。
「そうなると、う~ん?」
「一つだけ、策があります。旦那様、この港の一角の土地を買いましょう」
レインさんがそう言った後、しばし全員が沈黙したが、全員が同じ考えに至ったようだ。そうか、そりゃそうだ。基本的過ぎて、考えすぎな自分がアホらしくなるな。
安全を考えすぎて完全に抜けていた方策だ。そう、土地の一部を完全に買ってしまえば良いのだ。そうだよ、完全に土地を買うという選択肢が抜け落ちてた。このシェルターのサイズなら港の端にある縦横1メートル、いや、それどころかセンチメートルの土地でも良いのだから金額もかなり低くなるだろう。後は交渉次第・・・という所だろうか?
「拠点はそれで解決として、次、稼ぎの方法」
「まず、基本として、地図の作成だね」
「ですね。まあ、これは気長にやると思うので、長期的である程度完成してからの金策として、日々の稼ぎはまず、新ポーションですかね、道具屋に卸していく感じですかね?」
オウカさんの言う地図は情報売りみたいなモノなのである程度集まったらとして、ポーションは一応、冒険者ギルドがあるが、そちらはライさんの支援が入っているため、あまり必要はないだろう。そうすると、道具屋にある程度の数を卸し、探索という感じだろうか。
「そうなると、飲みの方より、塗りの方が良いかもしれません」
「ですね。そちらを10個ぐらいお試しで卸しましょうか」
レインさんの言う通り、冒険者ギルドでは主に飲むか、傷口にかける事も出来る飲みポーションが主流だ。道具屋、つまり市民にも渡ると考えれば塗りポーションが良いかもしれない。
「いえ、お試しではなく、不定期に10個で確約が良いと思います」
「その心は?」
「それぐらいでなければ、大量に要求されるからです。もっと、もっと!とね。そうなる前に、我々の目的はあくまで探索というスタンスを見せておくべきです」
ああ、なるほど、そっちがあったか。そうなると・・・
「料理の屋台というか出店もパスですね」
「ですね。稼ぎは一番とも言えますが、出せば探索を行う暇もないでしょう」
一番の稼ぎ頭がコレである。リィルさんのサポートが入ったリンさんの料理は大量生産は可能だが、それこそ休む暇や探索に出る暇もなくなるだろう。この大陸ではバフが付く料理は下手すればトラブル連発の元にもなりかねない。仕方ないよなあ。
「纏めると、まずは今ある資金で街の隅の一角を自費購入。そこにポータルを置く予定と滞在中の拠点として使用。日々の稼ぎは塗りポーション卸し、加えて、ある程度の完成したらではあるけど、地図の情報かな?」
『ですね』
自分の言葉に女性陣が頷く。衣食住困ってないし、ゆっくりするのもたまにはいいか。ですからね?おっぱいを押し付けるように両手足拘束しないで欲しいなって・・・アッ―!
無事大陸に付きました。道中イベント入れようかな?と思いましたが、海上イベントになると、定番のモンスター奇襲からの遭難イベントをいきなり出すのもなという事で無事に着かせました。そして、まあ料理の屋台は・・・・・・ねえ?と言うお話です。
現ステータス
NAME
シロウ・カミヤ
SKILL
安全シェルター LV 7
健康的な体 LV MAX
投石 LV 1
鑑定 LV MAX
鍛冶 LV 5