45話 トラブルの解決と海底ダンジョン探索のお願い
「お~、作ってる、作ってる」
自分達が港を見に行った時に出来ていたのはテトラポッド、所謂、日本でも見る波を分散させるアレである。最初はでかい建造物を作るという事で港の先に通用門の予定だったのだが・・・
『よく考えると、建築物だと作ってしまうとおしまいですから、確かに魔力の残滓は大量に出るでしょうけど、魔力場が霧散するほどかと言われると』
メイさんが思い返したことで、それなら量があっても問題なく、困らない、こいつが選ばれたという訳である。ある程度形が分かれば作れるというから、魔法って便利だよね。
更に言えば、魔法使いもこれで当面は儲かるだろう。何せ元手はただで必要なのは魔力と砂地か石である。ついでに、仕上げに火魔法で固め、水魔法でチェックもしているので残滓は更に増える。
「しかし、それでもまだ始まったばかりだから外海はまだ出れそうないかあ」
「土の残滓が風の残滓と相反するとは言え、始まるまでに合流した風の魔力の残滓は多そうですからね、1~2カ月は見た方が良いかと」
「短いとは言えませんけど、この中であれば、その間の暇も潰せるでしょうし」
順に自分、リンさん、メイさんの発言である。特にメイさんは、この中での生活が気に入ったらしい。まあ、ネットに繋がらないとはいえ、ノーパソにスマホ、情報関連には便利なツールが使える訳だしね。
そういう関係にはなってないのかって??あ、うん。問題解決しても、出ていかない事から察していただきたい。ちゃうねん・・・と話していると、リィルさんとレインさんが入ってきた。
「あ、旦那様、貿易都市の冒険者ギルドマスターがお会いしたいそうです」
おや?なんだろう?
「海底ダンジョンの攻略ですか?」
『はい、実はですね』
冒険者のギルドマスターである人間女性のエリカさん曰く、この都市特有のダンジョンで沖近くの海底にあるダンジョン。それが海底ダンジョン。
聞けば、海底にあるダンジョンで水棲モンスターが多く、中も空気がある訳が無く水中通路になっいているそうだ。まず、普通の人間には踏破どころか到着すら無理なダンジョンという訳だ。
『それでも、水中呼吸魔法があるクランや水中に強い亜人の皆さんが定期的に狩りに行ってはくれるのですが・・・』
曰く、モンスタースタンピートが起きても、この都市だけはほぼ被害が無いのはこのダンジョンの為と言われている。と言うのも、この都市近郊にはこのダンジョンしか無いレベルで地上部にダンジョンが無い。
おそらく、あのでかい山のお陰とも言えるだろう。モンスターもそちら方向に集中すればいい。海底ダンジョンから来るモンスターはどうするかって?水棲系モンスターは地上に上がれる?ってなるのである。うん、納得。
水棲系にもリザードマンのように適応できる者も居るには居るが、来る方向が分かっているのだ。待ち構えて雷魔法なり、地上に上がった所を一斉射撃すれば終わるそうだ、なるほどねえ。でも、なんか、う~ん?気の所為かな?
『そんな海底ダンジョンなのですが、1階層すら地図が完成してないんです』
「あー・・・・・・」
聞いた感じ、魔法は魔法使いが使う力が少なくなれば、水中呼吸が難しいから脱出アイテムで撤退だろうし、水中という事もあって、金属その他の装備ははっきり言えば戦力外。しかも、剣・斧・弓に至っては武器ですら無いだろう。使えるとすれば、槍だけになるかもしれない。
海に強い亜人でも、水中で素早く動く為の装備、すなわち革系の脆さの事もあるし、水棲系のモンスターに有利取れる訳では無い、むしろ、元々水中適応が強いモンスターに対しては不利まである。
『とはいえ、間引かないと、スタンピートと言う災害もあるので、ある程度は間引いてもらっているのですが・・・』
「地図自体が出来る程入ってはいないと言うより、入れはしないし、マッピングもまさか水中で出来る訳が無いから、地上に上がった後の記憶に頼るしかない。そこで、自分の情報が来た・・・と?」
『はい。いかがでしょう?』
う~ん、悪くはない。水中行動出来るのはすでに神様達の居る領域で試して、こちらの世界でも何回か試している。自分が水は入れないように設定してあれば、窓を開けていても、庭にも水が入らなくする事は可能で、窓から素材を回収も可能である。勿論、窒息するような事も無い。
マッピングに関しても、マイペースに作っていけるし、食料、生活用品の補給も問題が無い。
「しかし、エリカさん、自分達は海の荒れが戻り次第、他大陸の予定で1~2カ月ほどしか調査出来ないが?」
まあ、これである。ライさんの船自体は確かにいつでも出してくれるらしいが、荒れが収まり次第、つまり1~2カ月後には約束通りに船に乗りたい。
『ええ、承知しています。ですので、依頼期間は1カ月。そちらの好きなペースで調査を出来る所まででお願いしたいんです』
ふむ、悪くはない。荒れが収まるのは必ずしも1~2カ月という訳では無い、もっとかかる可能性もある中、1カ月。しかも、自分のペースで調べれるならありがたい。
「報酬については?」
『そうですね、このようにはどうでしょう?』
提示されたのは1フロアの地図の完成で金貨100、未完成でも出来る範囲まであれば50。滞在中の個人部屋の無償提供、これは依頼終了後、船に乗るまで続く。うん、悪くは無い、女性陣に顔を向けると全員頷いてくる。
ただ、気になるのは・・・
「あ、コレ聞いておきたいんですが、何階層あると思われるんですか?」
『それが、不明なんです。低階層ダンジョンと言う資料もあれば、高階層ダンジョンと言う資料もあります』
「伝承がバラバラな系統ですか」
レインさんが例があるのを知っているのか頭を抱える。要は、伝承が色々ありすぎてどれも真実に近く、結局どれが真実か分からん系統って訳だ。
「そうなると、1階層マッピング出来れば上出来な方ですかね?」
『はい。上出来どころか報奨金が都市から出るレベルかと』
コレは厄介な依頼になってきた。情報を集めた後、実際現地入りしてみるかな?後、なんか、言い知れない違和感があるのは気のせいかねえ?
テトラポッドを作るのに他にも仕上げに火魔法で炙ったり、水魔法で穴が無いか調べたりしております。魔法使いの意外な活躍ですね。で、海底ダンジョンですが、うん、まあ、普通はアレなダンジョンですよね、ゲームでやらないなら、その辺は次回に(目そらし
現ステータス
NAME
シロウ・カミヤ
SKILL
安全シェルター LV 6
健康的な体 LV MAX
投石 LV 1
鑑定 LV MAX
鍛冶 LV 5