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37.5話 新年と冒険者の冬の稼ぎについて

「餅は無理・・・・・・かな?」


「ですねえ」


あくまで転生してからの暦の上だが、1/1を迎えたので新年の準備を皆でしているのだが、餅が無い。仕方ないので通販で買う事にした。

リンさんも流石に餅米が無い状態での餅作成は無理らしい。大根餅とかもあるようだが、やはり現地では材料が揃いにくいらしい。根気よく探せば、結構揃うんだが、日本の伝統料理の材料は異世界では揃いにくい。当たり前か。


「こうなると、餅米の苗も探したくなるなあ」


「ですねえ」


そうして、出来上がった御節と雑煮を食べつつ、レインさんとリィルさんにも食べ方を教えていく。


「凄いですね。これだけの料理、王侯貴族のパーティにも出ませんよ」


「このお餅という物も良いですね。お米と違い詰まらせる可能性ありますがちゃんと噛みきって食べれば問題ないですし」


楽しんで頂けて幸いだ。流石に、神社には行けないので、オウカさんが思い出しつつ作った、女神様の像を置いてある客室、もとい簡易神殿でお祈りしてから、再び居間に入る。


「雪解けはかなり先ですけど、これからどうするか決めましょうか」


レインさんの言葉に全員が頷く。配送ギルドの食堂も商業ギルドの健全化と共に回り始めた各ギルドの援助で手が離れている。

そうなると、次に考えるのは自分達の行動だ。まだ外は冬の様相が晴れず、2~3月も寒い日が続くらしいので、移動に関する行動は3月後半か4月に考えている。


「依頼的にはダンジョンは無理。むしろ、地下水道の掃除の依頼が大量だったわね」


そうなのだ、リィルさんの言う通り、冒険者ギルドにシェルターで見に行ったのだが、ダンジョン関係や討伐関連はほぼ貼られておらず、代わりに地下水道の掃除など冬仕事が多くあった。この時期、ダンジョン・討伐の依頼よりも死活問題となる下水道や整備関係、または食糧作成が多くなるらしい。

そら、機械が無いし、オートメーションで食糧生産とか出来ないだろうしなあ。保存食にしてもレトルトとか無いから、余計に死活問題になるんだろうな。


「王都でもこの時期だけはダンジョン関係は全滅でしたね」


数少ない討伐系の仕事と言うか、屋根があって、警戒は必要だが冬に過ごすには最適な場所の探索でお金が貰えるなら、命懸けだとしてもこの時期は人気があるのだろう。

なので、ダンジョン関係は軒並み高ランクが受注済み。もし探すなら外に出て未発掘のダンジョンを探すしかないが、シェルターの小ささと真っ白な冬景色を鑑みて、無しだ。


「じゃあ、露店を開くかって言われると・・・・・・」


うん、オウカさんの視線をたどると、雪が降る景色が見える。青空市場は無理だろう。道は雪かきしてるとは言え、市場の店の場所まで手が回らないらしく、市場は休場状態である。


「まあ、無理だな。あれ?そうなると、青空市場で店出してる人は天気が良い日は除いて、冬の間はどうしてるんだ?」


と、ここで、全員が向くのはオウカさんの方だ。


「う~ん、私もスキルの特性もあって、詳しい訳ではないのですが、冬までに稼ぐ。基本は食事・宿代以外は貯金に回す人が多いそうです」


ああ、なるほど、オウカさんは例の商会に追われていたし、亜空間工房がある、基本は食事代ってとこか。工房を見せて貰ったが、水と湯が出る水道があり、石鹸を買って、体を洗う等していたそうだ。食事はこっそり出ていった時に干し肉などを買っていたらしい。


「しかし、そうなると、冬の間は稼ぎ時ではないというのが普通なのかね」


「ですね。稼ぎ時なのは店を持つ人ではないでしょうか」


レインさんの言う事も納得する。そうなると、冬の間はシェルターに引き籠るというのもある意味、正解という訳か。


「冒険者の稼ぎはどうなんです?」


「下水道は匂いとか気にならないなら、かなり美味い。食糧作成は料理スキルが高くないと採用にならないから、リン殿のレベルでようやく採用という狭き門だ」


「私達はスキルが噛み合いましたけど、普通の冒険者基準なら、冬はかなりまずいですね。秋までに稼げていないと、冬が越せない人達も多く居たそうです」


わあい、王都の冒険者ですらコレって、もしかして、地方って今が地獄の様相?あ、だから、ニックさんは副業持ってたのか、納得。


「冒険者の副業というのはこの為に推奨されているようですね。ただし、ある程度の貢献が無ければ、監視もされますが」


レインさんの言葉に納得する。そら、将来有望な冒険者が凍死しました。はシャレにならない。同時に信用に置けない冒険者の暴走を止める意味でも貢献度低い冒険者は監視されるのだろう。

こうなると、うん・・・・・・


「冬の間はやれること無いな」


「「「「え?ありますよ?」」」」


え?あの、どうしてリィルさんとリンさんが僕の腕を持ってるんでせうか?あの、そちらベッドルームで?あの、オウカさんとレインさん、顔を紅潮させるってそういう事ですか?アッー・・・・・・・・・

裏山けしからん!でも、まあ、する事が無いとそうなるよね(心の防御)

冒険者はやはり冬が一番リアルで考えると強敵だなってなる話ですね。モンスターも流石に冬はベストコンディション!って訳にもいかないでしょうしね。



現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 5


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 5

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