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21話  サブ稼ぎとちょっとした事件  前半

「う~ん?」


王都でそろそろ視線が痛い、怖いなんてレベルでなくなってきたので、裏庭にシェルターを置いて絶賛引き籠り中の自分の唸りの原因は目の前にある物。2種類の味噌汁だ。

片方はこちらの世界の味噌と豆腐で作ったシンプルな味噌汁。もう片方は、自分の通販機能で買った味噌と豆腐を同条件で作った味噌汁だ。


「これは予想外だな」



味噌汁:シンプルな調理で作った味噌汁。等級:D


異世界の味噌汁:異世界の材料で作った味噌汁。食べてから1時間中STRを+5%上げる。累積は不可 等級:C



Oh、流石は料理にとことん突き詰める日本が誇る食材。うん、現実逃避だとは思うけど、うん。


「これは、売ったらトラブルに巻き込まれる奴じゃな?」


流石にトラブルに関しては例の王剣証があるし、住民及び、この大陸内に関しては解決出来るだろうけど、同じ転生者に色々聞かれるのは美味くない。うん、封印。

こうなると、初期に予定してた異世界、つまり地球のメニューを通販機能使って再現して販売はNGになるな。ちょっと、残念だが、まあ、非常事態には解禁で良いだろう。


「しかし、こうなると、稼ぎをどうするかだよなあ」


まあ、すでにかなりの稼ぎ出てるし、コツコツ育ててる薬草を新ポーションにして、卸せば金にはなるだろう。とは言え、メインではないが、サブの稼ぎも欲しい所だ。

だが、アテにしてた料理がこれだからなあ。かと言って、こちらの世界の材料使って、地球の料理を再現が可能か?と言われると、今のままだと少々厳しい物があるしな。その辺、考えて、八百屋さんやスーパーみたいなとこ探してるけど、完全に目途が立った訳ではない。

ついでに、調理失敗して出来たのが、ライトノベルとかにある臭い料理シャレにならん。ちゃんと、通販機能でレシピ本も買うつもりだが、こっちの素材は地球の素材の扱いとは微妙に違うっぽいからなあ。自分とシェルターでは作れても広めた先で失敗しましたはシャレにならん。


「となると、こっちでしっかりした材料にレシピ、後、差異を調査した上で専用の資金が安定するまでは料理の屋台とかは封印だな」


実際は結構お金あるので揃えれるが、こっちは通販用だからなあ。消耗品用は大量に残しておきたい。しかし、そうなると、サブでの稼ぎはどうするか?に戻る。


「あ、待てよ?」


中庭にある鍛冶セットを見てピンと来た。なんにせよ、まずは作ってみようかね。おもむろに掴んだ鉄のインゴッドを持って中庭に降りる。さあ、作成タイムだ。


「うむ」


「うむじゃないんですけど?」


アッ、ハイ。レインさんの笑顔が怖い。でも、出来ちゃったから仕方ないじゃん。



上質な鉄のフライパン:上質な鉄を使って出来たフライパン。このフライパンで作った料理はジューシーに焼けるだろう。等級:B



「完成品がBランクで且つ、Aランク素材使ったフライパンを作る人がどこに居るんですか」


「ここに・・・・・・アッ、ハイ、すんません」


うん、美人の顔って笑ったままだと怖いね。うん。


「まあ、とりあえず、コレ、売ろうと思うんですけど、どうでしょう?」


「数は作れるのですか?」


「流石に50とか100は無理ですけど、コレ含めて3つ作ってあります」


大変ではあるが、鍛冶スキルが上がってるお陰で1~2時間に1個ぐらいは出来る。が、数を揃えるのは無理だ。

何せ一人で鉄板作るところから、手作業である。作るとしたら、2日ぐらい貰って3~4つが限界だろう。


「数が作れないのも理由がありまして」


レインさんに数がそれ程作れない理由と、もう一つ。


「あくまで、コレはついでの稼ぎであるんです。メインは薬草を新ポーションにしての露店ですね」


「ああ、なるほど」


サブの稼ぎとは言ったが、あくまで売れれば儲け物と言うのがこのフライパンだろう。これからの道程も考えると、いかにも露店!は表現しておきたいという事である。

後、レインさんを訪ねたのも訳があっての事で。


「これ、いくらぐらいだと思いますか?」


これだ、適正価格というモノである。念の為、王都の店を見回ったが、あまり参考にならなかった。いや、正確にはブランド店的な所も見回ったが、鉄の内でこのフライパンに匹敵するフライパンは見つからなかったのだ。

と言うか、作成素材を良い物使うなら、普通に鉄板作れ!であった。そりゃ、そうだ。実際、料理器具を作る所での例の鉄板や銅板はそうなると聞いた。加工が難しいとかではなく、ランクを落とさず作ろうとするとそうなるという事だ。

となると、このフライパンの適正価格は?ってなるのだ。実際、考えた末にランク諸々含めて、銅は絶対無いが、そこから先が考え付かなかったのだ。


「難しい所ですね。例えば、元素材を考えると、金クラスなのですが、この通り、ランクは落ちていますから、鉄が視野に入ります。ですが、Bランクと考えると鉄が1桁は考えられませんね」


「ですねえ」


「カミヤさんの事情も考えますと、鉄20あるいは25と言ったところでしょうか?」


流石は配送ギルド本店のマスター。分かってらっしゃる。


「期間を考えないとすると、売れますかね?」


自分も鉄2桁は考えたのだが、鉄1桁のポーションの横に鉄2桁のフライパンが売れるのか?と言う懸念があった。流石に売れそうない物を作り続けるのはね?


「結論から申し上げますと、多分ではなく、確実に売れます」


「その心は?」


「料理ギルド、そして、料理店ですね」


「あ~」


そういえば、王都にはギルドの本店とも言える所が集まっている。他の街にも小規模ながら、ギルドも店も支店があるだろう。

店は何となく売れるかも?と思っていたが、ギルドは完全に抜けていた。まあ、あるよね。実際、地球でもそういうギルドみたいなのあったし、ミシュランとか。


「どんぐらい買っていかれると思います?」


「全部ですかね」


オウフ、その答えも予想外だわ。となると、数はある程度揃えた方が良いだろう。


「予約による受け渡しを個数も制限して、が良いですかね?」


「そうですね。ギルドに対しては、5個まで。店に対しては1軒に付き1~2個までに制限した方がいいでしょう。王剣証がありますよという事も露店受付時にアピールしておけば安全でしょう」


「アッ、ハイ」


なんか、レインさんにしてはえらく怒気籠ってるような?


「ああ、以前もね、有ったんですよ。鍛冶を得意とする若者が買い占められた上で違法ギルドに拉致られた件が」


ああ、なるほど。そりゃ、怒るわなと同時に感じた視線の中にそういう奴が居るかもなのか。気を付けねばとも思った。

異世界で地球の素材で料理無双!はなりませんでした。はい。まあ、この材料の出所は何処?!と言われてもスキルで手に入れました!とか答えれませんよね、うん。普通に拉致案件ですよ、はい。



現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 3


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 3

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