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18話 王都到着直後のお話と王剣証受領

9000PV超えました、ありがとうございます!

「着いたなあ」


あれから2週間、いや本当ならもっと早く着く予定だったのだが、兵士の案内や事情聴取で少し出発が遅れた事、途中で珍しい野草や果物を採集していたので時間がかかってしまったのだ。

特に大きいのはRPGでよく見る毒消し草と野苺と林檎の3つが入手出来た事だ。種の取り出し方には苦労したが、これらを栽培しておけばいざと言う時の売却物にもなるだろう。


「ええと、まずは門でカードとこっちの紹介状か」


肩に付けたなんちゃってアイテムポーチにシェルターを入れて、アイテムボックスっぽく見せる。これもオランジェさんの知恵だ。グランではどうしても人が多いため、目撃者も出る。

そこで、まあ、こういう能力ですよ~と見せかけているという訳である。これだけならポーチから取り出したマジックアイテムにしか見えないからね。周りの目が怖いけど、まあ、門でトラブルを起こす奴は居ないだろう。


「次の人!」


「はい。こっちがギルドカード、こっちが紹介状です」


「お預かりします」


後ろが少しざわめいた。あれ?あ、そうか、初めて見る顔が紹介状持ってたら驚くわな。更に目立ってしまったかもしれんなあ。まあ、今更か。


「お待たせいたしました。こちらをお持ちください。アイテムボックスをお持ちとの事なので、そちらに収納しておくことをお勧めいたします。配送ギルドはこのまま真っ直ぐの位置に看板があるのでそちらに」


こう、先程の門番とは少し違う立派な鎧を着た男性がウィンクを小さくしてくれる。ああ、そういう事ね。渡された銀の勲章みたいなものを周りに少し見えるようにしてからポーチに収める。


「分かりました」


後ろがざわめいているが、少なくとも、おかしな視線が消えた。まあ、鎧の人がそういう職の人。そして、このアイテムが言うなれば、王剣証との引換券みたいなものなのだろう。振り返り一礼して感謝の意を示しておく。


(それもいつまで保つか分からんし、さっさとギルドに顔を出すか)


という訳で、配送ギルドに到着したのだが、でかい。いや、マジででかい。この世界では珍しい多重階層もさる事ながら、人が途切れてないんじゃないかってぐらい人が居る。

その割にサクサクと列が処理されていくから、受付の手腕も分かるってもんだよ、コレ。


(え~と、確か1番窓口だったな)


あれ?これ完全に現代の郵便局じゃね?と思いつつも、並ぶ。本当にサクサク進むので、まんま、日本の郵便局そのものだ。簡易ながらもベンチっぽいのもあるし、マジで配送ギルドの創始者って転生者だったんかな?


「次の方どうぞ」


「こちら、地方都市ザナからの配送物と紹介状です、紹介状を見てから、配送物はマスターにお願いします。それと、こちらは門でこちらにて見せろと言われたものです」


「拝見します。しばらくお待ちください」


そう言うと、受付嬢さんは紹介状を開いた後、例の勲章と配送物である手紙を持ち、後方にある階段から上に上がっていく。5分もしない内に、2階から今度は双角と言うのかな?角がある女性が一緒に降りてくる。


「お待たせしました、カミヤ様、こちらへどうぞ。返事の封書をお預けしますので」


周りがざわめく。まあ、王都のギルドのマスターが登場だからなあ。しかも、かなりの爆乳美人さん。更に、ランクカードが銅色の自分に様付けと来た。


「はい、失礼します」


まあ、コレは事前知ってた仕込みなんだけどね。というのもだ、この流れなら自分が元居た街、地方都市ザナからの届け物を正式に届けに来たという見た目が一つ。

もう一つが、王剣証というとんでもない物をまさか受け取りに来たわけではないという事をカムフラージュする為である。ここまではオランジェさんからすでに聞いてた事である。


「さて、門でお預かりしたものを見せていただけますか?」


「いえ、その前に・・・」


まずは家の状態に戻してあるシェルターを出現させ、入る。その後、外に居る目を白黒させてるマスターに視線を合わせ、入室させる。場所は応接間。

盗聴とかは無いと聞いて入るが念の為という奴だ。


「これはまた、驚きですね」


「紹介状にも書かれていたと思いますが、コレが自分の能力安全シェルターの中です。入ったのは、えっと・・・・・・」


「レインです。ご紹介遅れて申し訳ありません」


「レインさんが初になりますね」


おおう、どたぷんと動く乳が凄いな、ヲイ。


「あら?ランジェも入った事がないのかしら?」


「地方都市は良くも悪くも大らかでしたし、トラブルは少なかったですからね。が、ここでは同じとも限りませんし」


乳に目が行ったのは見破られてるっぽい。クスリと笑われてしまったが、話を進める。しゃあないねん、男だもん。


「良い判断だと思います。一応は防音に結界も張ってありますが、事が事です。もう少し何か施そうと思いましたが・・・」


「まあ、自分のランクではそこまでは出来ないと思いますしね。ここは会話も出来事も外に一切漏れませんのでご安心を。そちらにどうぞ」


対面側のソファーを示し、机にはオランジェさんに渡された厳重な方の封筒と門で渡された勲章っぽい物を机に置く。


「拝見します。ふむ・・・」


手紙と言うか、報告書形式っぽい紙を読んでいくと、うわ・・・って顔になった。何書かれてんだろ、アレ?


「新ポーションを見せて貰えますでしょうか?飲みと塗り両方で」


「あれ?王都でもレシピはすでに出回ってると聞いてますが?」


「ええ。正確には貴方が作った物を拝見したいのです」


ああ、そういう事ね。つまり、市井で出回ってるポーションではなく、自分が作った物で判断したいと。

部屋でちょっと待ってもらい、冷蔵庫から飲み用、保管庫から塗り用を取り出し、持っていく。


「お待たせしました。こちらがそうです」


ついでに、飲み水も用意する。多分、いや、確実に飲み用はティスティングするだろうからね。


「分かってらっしゃるんですね?」


「まあ、ここまで露骨ですとねえ。あの鎧の人なんか国王様の仕込みでしょ?」


「うふふ」


オランジェさんの仕込みではあるが仕込みではない部分があった。まあ、そういう事だろう。

そして、オランジェさんの報告を知っており、民が騒ぎ出す鎧の人間を派遣出来る、そんな権限を持つ人間は一人しかいない。そう、国王様だ。


「なるほど、凄く飲めますね」


ジュースポーション程ではないが、あの後、しっかり改造した新ポーションは味の上でも多少向上した。まあ、それでも等級上がらんかったんだけどね。なんでだろうなあ?


「それでは、どうぞ」


彼女が空間から小さい箱を取り出す。あ、コレが本物のアイテムボックス能力か。流石に王剣証が入った箱を持ち歩くのは目立つわな。黒い箱を開けると、門で貰った勲章のマークが入った布に包まれた蒼い銀と言うべきか、特殊な鉱石で作られたであろう剣と盾が重なったレリーフが出てくる。


「確かにお預かりしました。これは鑑定するまでありませんね」


手に取った瞬間、ゾワリとした。いや、不快感や殺気、意思を感じたとかではなく、コレが王剣証だと言う物自体からのアピールを感じたからだ。

鑑定?名前以外弾かれましたが何か?いや、弾いたとかではない。こうコンピュータが演算に演算を重ねてる最中とでも言おうか。鑑定が続いてしまうので打ち切った、が正しい。


「とんでもない代物ですね」


「それが分かる方でよろしかったですわ。質問はありますか?」


あ~、そういう輩も居るって事ね。そりゃ、与えるのに慎重になるわな。と言うか、こういう言葉が出るって事は、余程酷い奴だったんだろうな。あ、そういえば・・・


「そういえば、これって盗難防止があるって聞きましたけど?」


「あ~」


あの、目を逸らさないで欲しいんですけど、なんですか、なんですか?


「それ、持ったでしょう?」


「確認のために持ちましたね?・・・・・・まさか?」


いや、まさか、そんなお約束な。あ、でも、わざわざ箱に入れて持ってきたのって・・・・・・


「え?まさか、直接持っただけで認証する感じですか?」


「ええ、本人が必要なくなった時、つまり死亡時以外では、もう、それは貴方の物です」


ザ・未来の生体認証システムゥ?!ちなみに、これ、ファーストインパクト、つまり、そういう事だ。


「ちなみに、これ、剣と盾のレリーフでしょう?」


「ですね。それが?」


「盗もうとして持った相手を剣が外れて切り刻みます」


「自律兵器?!」


セカンドインパクト?!何それ?!なんでただの証明証にそんな機能持たせたの、作った人?!


「そして、血を払った後、洗浄魔法がかかり、再びレリーフになって、主の手元に帰ってきます」


「なんでそんなホラーみたいな仕様にしたの?!」


「あまりに不敬に扱おうとする人間が証が戻る度に増えましたから、つい?」


なんでやねん!!!!

まあ、これぐらい厳重じゃないと、悪用されますもんね、仕方ないね。え?自分なら欲しいかって、あっはっはっ(目を逸らす)



現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 3


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV 4


鍛冶 LV 3

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