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外伝11  とある日の疑問

天照様こと、アストレア様が神殿にやって来てから数日の事。ある日、自分はそういえばと思った事を聞いた。


「そういえば、自分が老衰で死亡した直後に地球滅んだ訳じゃないんですよね?」


『ですね。カミヤさんが死亡した百数年後の筈です』


おう、思ったより保ったんだな、地球。となると、聞いてみたい疑問がある。


「とすると、自分が生きてた時も結構進んでたテラフォーミング計画も進んでますよね?アレ、ダメだったので?」


所謂、第2の地球とする為に地球に似た環境を作り出す計画。生前は興味こそなかったが、ニュースなどで進捗がたまに報道されていたので覚えていたのだ。生前はある程度は進んでいたが、その後百数年経過したならば、計画完了自体はしている筈。しかし・・・そう、思い出してほしい。人類は滅んだという事を。そこに疑問を持ったのだ。


『結論から言いますと、テラフォーミング()()()()()()()()()()()。確か・・・月と火星の2か所に範囲が限られながらもドーム状の建物の内部に地球と同じ環境を作ったはずです』


なんか、アストレア様が計画自体の成功を強調しているのが気になって、首肯してから先を促す。


『ええ、移住計画自体はありました。そして、実行もされました。ただし、()()()()()()()()()ね』


「ああ~」


なんとなく、察した。神々もそれとなく警告は出していたんだろう。だが、考えてみても欲しい。地球が滅びます、今すぐ避難してください!と言われて、急に移住出来るだろうか?


「つまり・・・テラフォーミング計画自体は完了して、移住計画自体も稼働したけど・・・」


『はい。移住出来たのはごく僅かでした』


どういう事か?簡単である。移住する以上は金がかかるし、地球にあるマイホームをポンと手放せる人間は居ないだろう。多分、宇宙に行く為のシャトル代に現地の家の代金に生活に必要な物を揃える代金もある。ああ、土地代もあるな。何より・・・


「お偉方さんのメンツ優先が足を引っ張りましたか」


『です』


はあと溜息を吐くアストレア様。これまたどういう事かと言うと、まあ、アレである、神から賜った言葉だー!とかテレビで言って、市民がおお!と反応してくれるか?と言うと、自分も自信が無い。しかも、すぐに計画の星へ避難せよ!と言われて、不信感を抱く者が圧倒的になるのが目に見える。そうなると、政治家はどうするか?事がはっきりするまでの隠匿である。これが悪手となったのだろう。


「マジだと感じた時は時すでに遅しですか?」


『はい。それでもわずかに移住した者達が居ましたが・・・』


そこはもう、理解出来る。地球が消滅し、神も暫定的ながら消滅。何より、移住計画はまず1年そこそこで済むようなものではない。最低でも数十年単位の計画だ。なんのかんので地球が消滅する訳がないと思ってた連中、大慌てで移住しようとしたが時すでに遅しである。そして、移住した側にも問題がある。それは・・・


「地球と言う()()()が無くなった」


『その通りです』


どういう事かって、人間、住だけがあってもどうにもならないという事である。衣食は職人や農民などが居なければどうにもならない。先程、アストレア様が言った僅かな人間とはお偉方さんや本当に僅かな人間だったのだろう。んで・・・


「テラフォーミング計画で土地はあっても()()()()()人間が大半。そして、全滅した・・・・・・と?」


『オートメーションもしていましたが、メンテナンスできる人が死んだら・・・ねえ?』


ああ、機械化している可能性考えてなかったけど、それでも食料や衣料、薬に生活必需品の修理とか、もはや人手リソース足りないってレベルじゃなかったんだろうな。んで、緩やかに人類、ジ・エンドと・・・うわあ・・・しか言えねえ。修理できる機械があったとしてもそれが故障したら、そら緩やかに滅びるしかないよなあってなる。


『割と、神様って無力だなと思いました。あ、リンさん、お酒お代わり』


「は~い、今日はこれで最後の一杯ですよ」


う~ん、本当に詰んでたんだな、前の世界・・・と思ったある日の一日。

星間移住計画はなんだかんだで長い計画移住に開拓、開拓する為の補給点が必要ですからねえ。補給点たる地球が消滅したら、そら、人類滅びますわなと言うお話。

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