14話 異世界のお約束(モンスター暴走) 前編
『モンスターが暴走の予兆アリ』
あれから数日、まあ、思った事がフラグとは思えないが、そういう事になった。と言うより、聞いた話、ここ数年は起こっていなかったのが奇跡レベルの話らしい。
その為、結構な範囲で起こるかもと言うのが、学者やかっての参加者の見解でそれなりの備えはしていたらしく、市民の避難場所や物資の運び込みはスムーズに行われていた。
「で、配送ギルドも御覧の有様と・・・・・・」
うん、実にアレだ。目を逸らしたいが、逸らせないから困る。何がって・・・
「配送を止めるとは言い度胸じゃねえかあ、ヨォ!」
「俺達の配送魂をモンスターに見せてやんぜぇ!お前等あぁ、気合入れろぉ!」
『押忍ッッッ!』
「お客様への配送を邪魔する奴はぁ!」
『ぶちのめせッッッ!』『叩きのめせッッッ!』『磨り下ろせッッッ!』『梱包しろッッッ!』
あの、ここ、配送ギルドっすよね?なんで、こんな冒険者や軍人顔負けな濃いのがいっぱい発生してるの?ねえ?あの?なんで配送業がどっかのゲームで見たようなヘビーなメイスを持ってるんですかねえ?
後、最後の方の人、おかしい、梱包って何するの?!ていうか、その手に持った鎖と箱は何?!
「気合いは十分なようね!」
2階からマスターであるオランジェさんが降りてきた。冒険者時代の装備だろうか、レザーアーマーっぽいのとレイピアを帯剣している。ただ、平凡な装備に見えるのに、鑑定結果は全て説明文が???で埋め尽くされている辺り、ただのと言う言葉は付かないのだろう。
まあ、ニックさんも同様な辺りね。ちらっと外で見かけた時、タワーシールドっていうのかな?そういう形状の盾2つと、鎧はフルアーマー的な装備をしていた。兜取ってなかったらロボットに見えたかもしれない。鑑定結果はやはり同様だ。
「今回も皆の健闘を期待すると共に、とある作戦があるわ。皆は前回、大体3年弱前のモンスタースタンピードは覚えているかしら?」
その言葉に対する反応は様々で顔に苦い表情が出る者、溜息を吐く者、思い出して怒りに震える者等様々だが、良い表情は無い。経費的にも人的被害的にもそういう事であろう。
「今回はそう被害を酷くしないための策を献上してくれた人が居るわ。カミヤ君、上がって説明して!」
おおう、まあ、なんとなくだけど、そんな予感はしてた、うん。
まずは自分のスキル、やる策を説明していくと、「クレイジーだ」「いや、でも、確かに」と言う声がどんどん上がってくる。まあ、コレは自分が居る前提の策だしなあ。
いや、まあ、実際、作戦を伝える前に森で試したのだが、正直、自分で考えて何だが、結果にドン引きした。まあ、結果的に敵を安全に倒すという事は出来るのが分かったから、儲け物ではあるのだが、うん。
モンスター達は疾走していた、本能のままに、血を、肉を、破壊を求めるままに走っていた。
本能のままにだ、だからこそ気づかない。もし、本当にもしであるが、理性と知性ある者が先頭に一匹でも居れば、その戦況は変わっていただろう。
『ガァアアアアアアアアア?!』
何が起きたかは分からない、だが、その群れの中に居た一匹はただ、コレだけは分かった。自分は・・・圧し潰されたのだと・・・・・・
さてさて、始まりました、異世界のお約束。しかし、我等がカミヤ君は策があるようで?果たして、その策とは?待て、後編!
現ステータス
NAME
シロウ・カミヤ
SKILL
安全シェルター LV 3
健康的な体 LV MAX
投石 LV 1
鑑定 LV 4
鍛冶 LV 3