121話 神々との謁見、そして・・・ 前編
今年一年もお疲れさまでした。今年最後の投稿となります。
「うし、レベルアップ!」
あれから、配送ギルド内をあまり動かずに年明けが近くなった頃、シェルターのレベルがついに上がった。
安全シェルター Lv 11:手のひら大のシェルターを作る。中はレベルが上がる毎に広くなっていく。このシェルターはあらゆる理であっても壊されない。
このスキルは内部に使用者が居る時間及び期間でレベルアップし、内部が充実していく。現在コスト20/22(居間、台所、トイレ、風呂、大農場、応接間、客室1、露天風呂、海、養鶏場、食堂、ダンジョン、山)
「まずは御褒美からと・・・」
「あれ?取るのは決まってるって言ってませんでした?」
「うん、まあ決まってはいるけど、まずは御褒美からの確認をね。関係してないとも言えないモノだから、ほら」
レインさんからの返答にそう言って、取得したモノを見せる。それは小さな顔が無い女神像だった。そして、鑑定持ちに鑑定で見るように言う。
神像:神殿に置く事でこの世界の神と謁見する権利を得る。また、神への質問権を有する者の証
「「ふぁっ?!」」
現地組の二人が声に出してビックリする。地球組も思わぬものに全員ビックリしているようだ。そらそうだ。コレの凄い所は神と謁見し、質問権まで得る。すなわち、神と同等の権利を有する事が出来るのだ。いや、まあ、真実としては神々に気に入られまくったのでレベル10超えの御褒美に強引に入れられただけなんですけどね、うん。しかし、やはり、こういう鑑定結果か。
「また、とんでもない要素が飛び込んできたねえ」
オウカさんの言葉にうんうんと頷く女性陣メンバー全員。解せぬ・・・
「さて、次はと・・・」
続いて、実は前々からあった神殿部屋を2ポイント消費で取る。客室をレベル2にして、その1部屋を前のように簡易神殿にしても良いのだが、簡易神殿の場合、この像は機能しないから取るしかないのだ。そういう事も向こうで確認済みである。
安全シェルター Lv 11:手のひら大のシェルターを作る。中はレベルが上がる毎に広くなっていく。このシェルターはあらゆる理であっても壊されない。
このスキルは内部に使用者が居る時間及び期間でレベルアップし、内部が充実していく。現在コスト22/22(居間、台所、トイレ、風呂、大農場、応接間、客室1、露天風呂、海、養鶏場、食堂、ダンジョン、山、神殿)
う~ん、もはや外に出る要素が一切ないな、これは!一覧にある小さなダンスホールや大会議場取ったら、もはや外に出る要素ゼロだな、これ。
「神殿は・・・・・・おおう、ずいぶん奥だな」
奥の方にある山と海の扉の間に扉が出来ている。アレかね、聖峰と清冽なる海に近い神殿と見立てるからかね?まあ、うん、こう魔法の心得が無い自分でも分かるものっそい気配がする。というか、自分が持ってる像と相対的に反応してるのか、扉に近づく度に気配が増大していく。
「さて、行きますか」
女性陣が落ち着くまである程度時間を取り、聞くと全員が首肯する。開けると、よくラノベにあるような白を基調とした神殿内部が現れる。そして、奥には像を置く台座がある。広さは小さな教会ってとこかな?
「さて、置きますよ」
置いて、全員が教会で祈るようにすると、目を瞑っていても分かる。おそらくここだけが今を以て別空間になったのだと。そして、目を開ける。
「お久しぶりです、女神アストレア様」
『ええ、お久しぶりですね。カミヤ様、他の転生者の皆様もお久しぶりです』
降臨したのは自分達を転生させてくれたあの女神様だった。その後ろに如何にもな光と闇を讃えた姿があるが、この2人はおそらくは・・・
「最高神ゼウス様と悪魔神サタン様ですかね?」
『『然り』』
ザワッと場がどよめく。しかし、ここからなんだよなあ、本当にざわつくお話。
「・・・・・・もうお察しかと思いますが、よろしいでしょうか?」
『『『うむ』』』
今、この場に居る3人の神が頷く。つまり、自分の考えは正しいという事だ。
「最高神ゼウス、悪魔神サタン、そして女神アストレア。いえ・・・・・・正確には順に、伊邪那岐大神様、伊邪那美大神様、天照大神様ですね?」
『はい?!』
そら、地球、しかも元日本人が多い女性勢は驚くわな。日本神話三大神が別の世界の神様やってれば、驚くなと言う方が無理だ。ちなみに、他の世界の神様をやってると言うのは正確ではない。より正確に言えば、そうならざるを得なかったのである。何故か?
「皆様がおられていたあの時、いえ、あの時よりずっと前に地球は完全に消滅した事を意味する。そうですね?」
『その通りです』
3人の姿が変わる。より日本ティストというか、自分達が知る姿に。そして、天照様が前に出て頷く。
「人間が消えた。それ、すなわち」
『信仰の消滅』
自分と天照様の言葉にあっとなる、地球勢。そう、消えたのは地球に人だけではない、神もまた信仰という依代を発生させる要素を失い消滅したのである。
「だが、神が消えゆく中、皆さんは足掻いた。いや、神話の特性上、足掻く事が出来た。こちらの女性チームに問題、伊邪那岐、伊邪那美と言えば?」
「あっ!国起こしの鉾!」
そう、リンさんの言う鉾だ。この場合は向こうの伊邪那岐、伊邪那美が最後の力を振り絞った星起こしの鉾と言った所だろうか?
「正確には小さな小さな星を起こした。そして、消えゆく中、自分達の残滓を新たな神として名も変えて残した」
「そうか、だから、あの違和感は・・・」
自分の言葉にメイさんが頷く。図書館で神々の事を調べたのを憶えているだろうか?最高神ゼウス、悪魔神サタン、女神アストレア、これらは載っていた。しかし、それ以外の神は名が無かったのである。正確には呼ばれる名がいくつもあるが全て名もなき神も当然だったのだ。
「そう、神々の正確な名前が載っていないのは当たり前だ。だって、まだ神々は目覚めたばかりだからな」
『然り』
天照様と言うか、アストレア様が頷く。そう、神々からすれば何十年、何百年は下手すれば一桁年しか経過してないという可能性がある。いや、ここに居る3神が肯定する以上合っているだろう。さて、続けよう。
「転生の際に大往生した魂をかき集めたのは・・・・・・」
『私です』
「大往生した、つまり、地球から離れつつも地球を知る者の魂。そして、力を最も早く取り戻した天照様はその縁を辿った。太陽信仰は何処にでもあるからね」
ああと女性陣が頷く。国起こしの神2柱は力を使いすぎた故に、新たに生み出された2柱は力を取り戻すまでは まだ 至っていないのだろう。だから・・・
「伊邪那岐様と伊邪那美様が最も力を取り戻しやすい形にゼウスとサタンと言う神の信仰が作られた」
光と闇であり、転生者が最も分かりやすく信仰し、どういう神であるか分かりやすい名である。そして、2柱の逸話に最も近く、適した信仰を集めやすいとも言える。そして、力を取り戻し、今に至るのだろう。あの時は力を取り戻し中だったから居なかったのかね?サタンがヘラじゃなかったのが伊邪那岐様への配慮だろうか?ちょっと、アストレア様、目ぇ逸らすの止めません?
「しかし、他の神はそうも行かなかった、何故か?簡単だ、誰をどの神に据えるかが難しい」
『その通り』
消えた神は10とか20とかではない。今も残滓で力無き神々が居るに違いない。うん、どうやら間違いないな。自分は3柱に向かい合って、言葉を発する。
「そして、僕等、いや、転生者達の使命の真相は・・・・・・神々の名を創り出す事、ですね?」
いよいよ、総まとめのお時間ですというお話。この話で済ますつもりだったんですが、後編に続きます。カミヤが話す真相は果たして?
現ステータス
NAME
シロウ・カミヤ
SKILL
安全シェルター LV 11
健康的な体 LV MAX
投石 LV 1
鑑定 LV MAX
鍛冶 LV 7
念動 LV 4