表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

142/155

118話 芸術大陸への(多分)安全な行き方

『芸術大陸の爆発時期が終わったそうです』


王都から港町に拠点を移して、この情報が飛び込んできたのはあれから2か月経った頃にチェインさんから聞かされた。逆に言えば、2か月も続いてたって事である。芸術大陸の人達、ホントにたくましいな!レベルアップはまだ無いが、芸術大陸に着いた頃には上がっているだろう。ところが、ここで問題が起きた。


「浮遊大陸は芸術大陸には寄らない・・・ですか」


『向こうからそう連絡が入りました』


あ~、うん。まあ、爆発時期が例年より長期化したのがあるんだろうけど、寄りたいか?と言われると、うん、その、なんだ、寄らない理由があれば寄りたくないよね。


「船は時期が悪いと」


ぶっちゃけ、冬が近いのである。って言うか、地球の暦的ならもう冬に入る所である。爆発時期が長かったのが災いした。冬は何が怖いって海面が凍ったり、流氷が流れてくることである。更に冬は天気が変わりやすい。この中で何が厄介って、全てである。海面が凍ってる所に無理して進むと船体が軋むし、流氷が小さかろうと大きかろうと船がぶつかればフレームや装甲面が傷つく。天気が変わりやすいので帆船且つ木製の船が多いこの世界のこの時期は港は休業状態と言う訳だ。


「となると、やはりアレかねえ」


この大陸で空を見上げると飛んでいる船。飛行船の出番であるのだが・・・・・・


「これまた、時期と言うか時勢が悪いと。爆発時期が終わったばかりで直ぐに準備を!なんて出来る訳ないよなあ」


『爆発時期は行きたがらないのにねえ・・・・・・』


そういう事である。一応、チケットみたいなもの自体は受付が始まってはいるが、直ぐに飛ばす事は出来ないらしい。飛行船は魔石で飛んでいるのだが、そのチャージは勿論、向こうの大陸の状況なども調べなければならない。爆発時期なだけに停泊地が爆発に巻き込まれてましたとかシャレにならないからな。


「別にゆっくり待っても良いんだがなあ・・・・・・が、そうもいかないか」


で、更に厄介なのがファーストパス、所謂、爆発時期後最初の芸術大陸行きのチケットに人が群がってる事である。まあ、アレな大陸とは言え、芸術品や特産品に罪は無い。そういう事である。まあ、要するに海のルートが潰れてるから、空のルートで一番乗り!したい奴が次々買っちゃって一般的な飛行船のチケは現在アリマセェン!だそうです。地球か、ここは!!!あ、地球にするための星だったわ。


『今を逃すと多分、2か月ぐらいは乗れないですね。その頃には海のルートが開く寸前っていう』


流石に移動手段が2種類になる時期まで待つってのはなあ・・・・・・


「あ!そうか、別にお客様として乗る必要ないじゃん」


『へ?』


と呆然とするチェインさんと女性陣に話すと、おお!という顔をされる。こうして、自分達は芸術大陸行きの飛行船に一番乗りする飛行船に乗れるのだった。



「なるほどとしか言いようがありませんね、ご主人様?」


「これなら、芸術大陸入った瞬間追いかけられなくて済みますね、姉様、ご主人様」


はい、ナオさんとリセさんからはこう呼ばれるようになりまして、ちゃうねん・・・・・・いや、致した事は違わないけど。で、現在、自分達のシェルターは何処に居るかと言うと・・・


「まさかの荷物の中ですからね、流石です、旦那様♪」


レインさんの言う通り、芸術大陸行きの飛行船の貨物室の中である。うん、アレだ。客として行くのではなく、芸術大陸の配送ギルド行きの荷物として飛行船に入ればいいのだ。ちゃんと、正規の荷物料金を支払ったしね。良く考えると、学術都市も同じ方法で入れば身の危険なかったのでは?いや、よそう。多分、あの変態達は居る場所を察しただろう。学問に狂った連中怖い、怖くない?


「まあ、欠点らしい欠点は外の状況が見えないと言う事なんだよね、車形態で配送ギルドに送るという形にしてるから迂闊に動けんし」


流石に幼女形態だと色々有名になりすぎたんで、車形態で箱に入れてもらい送ってもらっている。と言うか、幼女形態で送ったら、向こうの受け取り主になっているギルドマスターが変態扱いされかねないしね。しかし、こうなってくるとアレである。


『地図、欲しいなあ』


全員が一斉に言う。この世界で売ってる地図は大体の場所やでかい都市しか描かれていないので非常に分かり難い。今回の場合、地球の時のような正確な地図があれば、ドローンに乗ってどこかの島で休みながら芸術大陸を目指すという方法が取れた。まあ、餅は餅屋と言う事である。一応、地図を作ってはいるが、大陸間の移動は船任せの為、地球の地図並か?と言われるとう~ん?である。しみじみと日本地図や世界地図を作った人は化け物であると思う。


「まあ、完全な地図が出来ないのも無理ないんだよねえ」


『  そ  れ  な  』


新入りである2人も含めた全員が同意する。まず、大きな要因が地上にも海にも空にもモンスターが居ると言う事である。これにより、先ず大前提である観測すると言う事が難しくなるのだ。あれ?でも冒険者居るなら、地図出来ない?と言われればその通りだ。実際、開拓大陸みたいな例があるからね。ただ、その場合は・・・・・・


「自然災害で変わった地形や、モンスターによって変えられた地形の更新とかすっげえ難しいんだよね」


「ですねえ」


マスター時代そういう報告を受けた事があるであろうレインさんが同意する。特にスタンピードで変わってしまった地形は地図が一から描き直しレベルになるそうで、ギルドとしては諦観レベルなのが地図の完成らしい。じゃあ、転生者はそういう事しなかったのか?と言われると困るのが・・・


「自然は強い」


『 そ れ 』


モンスターに加えて厄介なのがコレである。日本じゃないからハリケーンとか落雷とか当たり前みたいに発生する。しかも、ファンタジー世界だから複合災害と言うのも発生するのが大きい。つまり、その天候大好きモンスターが現れたりすると地図描いてるどころじゃねえ!と言う事である。ちなみに、この世界に来たばかりの時、その辺があり、自分が地図を描くと言った時、本当に各国の王がその場に居れば土下座で感謝されかねない発言だったらしい、反省。


「まあ、とりあえず、到着まで自由行動って事で」


シェルター内部にはなんぼでも娯楽あるからね。大体1週間前後の行程、楽しんでいこう。

オイラは荷物!で行けばとりあえず、安全に街に入れますからね、多分(目そらし



現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 10


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 7


念動 LV 4

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ