117話 芸術大陸の下調べと氷解した事
「ああ~」
現在地点。ナオさんの親父さんから紹介された図書館。で、調べてるのは・・・・・・
「これ、ホントに行くんですか?」
この言がナオさん。
「うっわぁ・・・・・・」
こちら、リセさん、超ドン引きである調べ物が何かって言うと・・・・・・
「芸術大陸見聞録、これほどSAN値チェックが必要とは・・・・・・親父さんの警告は真実じゃったか・・・・・」
「いやあ、芸術関係で興味あったけど、ここまでとはねえ」
自分の言葉に対する、身内では一番芸術に理解があるオウカさんをしてこのお言葉である。え?何が書かれてるの?って・・・
「まず、うん、アレだ。これはこれで自分達の世界でも芸術は芸術なんだよ、うん。でもさあ・・・・・・」
「抽象画とその理念って先に広がるとこんなにシュールなんだね・・・」
まず、始まりが抽象画を転生者が広めたのが大陸の始まりとある。抽象画を芸術の始まりとした大陸と言えばいいのか、まあ、そういう感じで広がっていき、芸術と言うものが変な方向に進んだ。それが芸術大陸・・・らしい。いや、大陸の人達自覚あったのかよ!と見聞録を描いてる筆者と共にツッコミたい。
「が、芸術に関しての腕は確からしいからな」
「腕は確からしいですわねえ。うちの家にも彫像を作る時来てもらいましたけど、腕は確かですわ。注文を細かくさえすれば」
ナオさん、それフォローのようでフォローじゃないです。むしろ、芸術家にこれよろしくと任せれないって事じゃん。そら、爆発時期とか言うトンチキな慣習がまかり通ってる訳だ・・・
「でも、この見聞録を見る限り。かなり文化が進んでる大陸でもあるんですよね?」
そう、そこだ。じゃあ、芸術面以外の他の面は低いのか?と言われるとそうでもない。風呂の文化に街の清掃面と言う生活環境面ではかなり高い。おそらく、転生、あるいは転移者の成果かも知れないが、先ず広めたのが芸術面であるから、まあ、奇異の目で見られる事ばかりでは・・・・・・いや、爆発時期は無いわ。これだけは言える。
「爆発時期さえ超えれば、安全な都市・・・・・・だといいなあ」
「このシェルターとか機能美!とか言って舐められそうですよね」
やめてくれ、レインさん。言っておいて、あり得そうと顔を歪ませないでくれ。自分もあり得そうと思ってるから・・・・・・
「まあ、ただ、ちょっと行く理由が出来たんだけどね」
そう、ただ、まあ、行きたくはねえなあとは思うけど、この見聞録を見て、少し気が変わったのだ。そこにはこう一文が書かれている。
【この大陸は、全大陸の中で唯一大規模帰還魔法を行使した国でもある】
「大規模帰還魔法ですか・・・・・・あるとは聞いてはいます」
「同じく。ただ、とんでもなく複雑で魔法陣を描くだけでも100年以上かかるという話だ」
とりあえず、見聞録を閉じた後、この世界の住人であるレインさんとリィルさんに聞いてみた。なるほど、普通なら待つと言うのは無理だ。まあ、100年も生きるならば、種族を亜人に変えるしかない。そうすると、今度はこの姿で地球に帰るのか?と言われると、そら悩むだろう。良くて逃亡生活、悪いと国家に捕まって大解剖サンプルだ。う~ん、クソゲー魔法。が・・・
「しかし、あっちで聞いた話と矛盾しますね」
そう、メイさんの言う通りだ。良くある悪神によるクソ転生ならともかく、あそこにいた神々は好きに生きてくださいと言った。そして何より・・・あそこに居た転生者達は大往生で死んだ者達ばかりだった。
「実際、術式とか解いてみないと分からないが、自分の予想が正しければ・・・・・・転移した人間は生きている、ちゃんとね」
ただ、気になるのはそこまで考えられていたか?と言う事。が、自分の予想全てが正しければ、考えられていただろう。女性陣達が何故?という顔をして、こちらを見るので簡潔に答える。おそらく、これで分かるだろう。
「彼等は彼等の思う地球に跳べていない」
『っ?!』
そう、跳べないなら、あの神々はどうしてそのような魔法を許しているのか?おそらく、転移先は・・・・・・
「なるほど。コレである意味、謎の部分だったところが解けましたね」
ユウナさんの言葉に自分を含め全員が頷く。ここまで言えば分かるだろう。そう、この大規模魔法で彼らが飛んだ先は・・・・・・
「この魔法で跳べるのは過去のこの星。間違いないだろう」
そう、女神様が最初に言っていた事でもある地球に近い星。そういう事だったのかと言えるだろう。その証拠が味噌や醬油、公共機関の充実である。これらは例え亜人の寿命だろうと簡単に広める事が出来ない。だが、もし過去に遡り、文字通りにそれを広める人間が居たらどうだ?そういう事である。そして、同時にそれは・・・
『はぁ・・・・・・』
自分を含めた地球勢全員が溜息をつく。どうしようもなく、転生、もしくは転移した人間が一度は考えた、否、考えてしまったであろう事が分かってしまったのだ。何がと言うと・・・・・・
「地球はもう、惑星としては無い。いや、正確には、地球と言う存在そのものが無い」
要するに漫画とかでよくある地球が限界でも迎えたのだろう。いや、まあ、まだ推測でしかないがおそらく合っているはずだ。
「自分達が最後かは分からないけどね。だからこそ、女神様達は地球の代わりを創った。ここを地球とする為に」
全員が頷く。と言った所で、とりあえず、今は芸術大陸の爆発時期が収まるまで自由行動と言う事で解散した。そして・・・・・・
(次のレベルアップが・・・・・・真実を知る事になるんだろうなあ)
おそらく、この時点でそれを予感していたのは自分だけだろう。そして、それは後々に大当たりする事になる。
さて、いよいよ、このお話も終盤に向かっていきます。ポイントは何故、女神は大量の人間を転生させれたのか?です
現ステータス
NAME
シロウ・カミヤ
SKILL
安全シェルター LV 10
健康的な体 LV MAX
投石 LV 1
鑑定 LV MAX
鍛冶 LV 7
念動 LV 4