外伝8 地味な努力は千金を得る
これは、現在のカミヤハーレムが形成されたての頃、オウカさんから提案されたお話。
「ねえ、カミヤさん、ちょっといい?」
「ん?」
「山ってあるじゃない?」
「あるね?」
「アレ、山の木を伐採したらどうなるの?」
・・・・・・目から鱗でしたね、はい。と言うのも、山をご褒美に入れたの、山菜や川で川魚ゲットだぜ!を目的にしていたのだ。伐採するなんてのは全く考えもしなかった。
「カミヤさんのシェルター規格外だから、伐採してもニョキニョキ生えてきたりしてね」
「はっはっはっ!まさか、まさかwww」
草生やしたのがいかんかったか、それとも別の要因か、自分の考えが甘かったのは言うまでない事をこの後、思い知る事になるのだった。この頃から、女性陣の間で、ザ・フラグメイカーと言う大変名誉であり、不名誉な称号が付くのは言うまでなかった。で・・・実際伐採してみると、どうやら、木自体はこの世界の物が多いらしい。ありゃ?てっきり、日本の松とかその辺かと思ったんだが。どうも、そういう木はないようだ。ただ、似通った特性を持つ類似品はある。
「ふむふむ、これなら細工品を作ったり出来るね」
「お、それは良い事ですね」
オウカさんの言葉にそう返す。今までは落ちてるでかい倒木とか、街で売ってる加工された丸太使ってたからなあ・・・・・・うん?
「オウカさん、ちょっと良いですか?伐採した木、丸太に加工出来ます?」
「出来るよ?と言うか、伐採スキル取得は基本だね」
アッ、ハイ。これはもしかして・・・・・・そう思い、自分はオウカさんにある事を話し、同意を得ると、とある人物を迎えに行くのだった。
「ウィンドカッター!」
メイさんである。伐採があるとはいえ、何時間もかけてられないので、メイさんに雑に斬ってもらう。そして、オウカさんが加工して、アイテムボックスに。そんな2人と自分は苦笑いである。
「いやあ、カミヤさんのシェルターは規格外だと思ってたけど・・・・・・」
「ホントですね~。まさか・・・」
うん、使い手の自分もそう思う。まさか・・・・・・
「「「ドア閉めて、再入場で木が復活するなんてね」」」
はい。メイさん呼びに行く前にオウカさんが細工用に一本斬って、切り株状態になってた所が、誰も居ない状態で再入場すると、また生えてたのだ。最初はハテナマークが浮かんだが、うん。とんでもない事実に大量伐採の為に呼ばれたメイさんも呆気取られていた。
「ま、まあ、新たな稼ぎ方が出来ると思えば」
「まあ、そうだね。しかし、そんなに売れる?」
メイさんの言葉に自分がそう言うと、2人はうんうんと頷く。
『乾燥丸太は間違いなく売れます。時間かかりますがきっと!』
この2人の言葉が後にとある事件の解決の一助を担うとはこの時点では誰も分からなかった。
ちょっと、後の話に関わる新たな稼ぎになるかもしれないお話。丸太は、異世界では・・・・・・売れる!




