108話 ちょっとした移動先の変更
「はい?出発と言うか、芸術大陸への寄港を延期する・・・ですか?」
『ええ、本来は芸術大陸予定でしたが、スルーして歓楽大陸に向かおうという話が出てるんです』
「ええ?」
浮遊大陸に戻り、さて、のんびりしようかなと思っていたら、配送ギルドに呼ばれた・・・と思ったら、ギルドマスターであるカリンさんからのこの情報提供である。そういえば、次はどこに寄るか配送ギルドで聞いておいたからかな?
「でも、それ結構な遠回りになりませんか?」
レインさんの言葉にカリンさんが頷く。地図を見る限り、所謂ツアーの順と言う感じなのだが、当然、ツアーに含まれる以上は大きな道程の削除となる。しかも、曰く、芸術大陸を大きく迂回するそうなので、飛んでいるとはいえ、大陸自体を避けるなら大きな旋回移動をしなければならない。
「原因は?」
『芸術大陸のとある時期に入ったからなんですよ。良いですか?落ち着いて聞いてくださいね? 爆発時期です』
「はい?」
『爆発時期です。この時期、芸術大陸は小、中、大、超爆発が大陸各地で発生します。私も何言ってるか分かりません。あっはっはっはっ!』
芸術は爆発だ!ってか、やかましいわ!はっ?!思わず内心でノリツッコミを!いや、どういう事なの?カリンさんの目から生気が無くなっていくんだけど?!
「どう言う事なんですかね?」
『ええ、声が震えるのも分かります。私は勿論、各大陸の様々な方もこの時期の芸術大陸だけは避けるんです』
まあ、そら各地で爆発が起きるとか、交易や商売どころじゃないし・・・・・・ん?
「あれ?その爆発時期とやらの間、商売とかどうしてるんですか?」
『恐ろしい事に何故か流通止まってないんですよね・・・』
なんでや!と言いたいとこだが、何らかのノウハウがあるんだろう!うん、あるんだろう!大事な事なので2度言って触れない事にしました!最近、触れてはいけないこの世界の常識、多すぎませんかね!?
「そうなると、他の大陸に戻るも出来ないので、自動的に歓楽大陸に向かうと?」
『ですね』
まあ、しゃあない。詳しく聞いた感じ、マジで昼夜問わず爆発が起きるし、結界張っても爆発の光で気になる時期だって言うし、シェルターなら安全だけど、爆発が気にならないか?って言われると返答に困るしなあ。こちらに被害が来ないとは限らないし、ふむ、今回ばかりは妥協が必要かな?女性陣も全員こっち見て頷いてくれるし。
『出発は3日後を予定しています。本当は食材大陸でもう少し補給して向かう予定だったんですが・・・』
「あ~、予定してた寄港地避けますもんね。仕方ないですね」
こちらとしてもある意味助かる。そして、3日後まで特にトラブルもなく食材大陸を後にするのだった。ホッとすると同時に歓楽大陸でもなんかあるんだろうなあと思いつつだが。
「わお、ここからでも見える不夜城っぽい都市」
「私も初めて見ますが、ド派手ですねえ」
『うわ~』
第一印象は眠らぬ街。色とりどりの光が港町からしても覆っている。自分達の前世で言うとラスベガスを更に巨大化したモノと言えばいいだろうか。そして、何よりも・・・
「なるほど、全ての大陸への玄関口」
歓楽大陸はあらゆるエンターティメントの中心であり、娯楽の大陸。それ故にここに別荘を持つ王族、貴族は多い。オークションや闘技場などもあり、勿論、歓楽大陸にも王様は居る。例のお金をポンと払う国の王様だ。どんだけ儲けてるんだろうなあ。そんな王様が一番力を入れてるのがこの寄港地である港町である。
「まんま、ラスベガスですねえ」
ユウナさんの言う通りである。現代には無い闘技場などあるが、コレ、まんまラスベガスである。まさかとは思うが、スロットマシーンと言う名の、お金集積機ない・・・・・・よね?いや、ありそう。てか、無いとしても何らかのお金集積の為の何かあるんだろうなあ。
「まあ、分かってたけど、転生者、居るね。王族か貴族辺り。しかも貴族の場合、王族に即相談出来るような立場」
『デスヨネ~』
現地組の二人にも地球について教えてあるので、全員が頷く。しかも、ここまででかくなっていると言う事は相当な手腕だろう。何かしらの対策をしておかないとな。って、あ・・・
「そうじゃん、こういう場合にぴったりなのあるじゃん」
女性陣に言うと、賛同されたので早速準備をする。使える手は全部使わないと損だよね!
芸術大陸は避けて歓楽大陸に行こうね!と言うお話。ちゃんと予定通りのルートなのでご安心ください!いや、だって、爆発がガンガン起きる時期の大陸に寄りたい?ってなりますよね。商魂たくましい商人以外は・・・
現ステータス
NAME
シロウ・カミヤ
SKILL
安全シェルター LV 10
健康的な体 LV MAX
投石 LV 1
鑑定 LV MAX
鍛冶 LV 7
念動 LV 4