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12話 鍛冶の失敗とは?  後編

「うわああああああああああああああああああ!」


はい、あれから2週間、作りに作った作品を持っていくと、オランジェさんが絶叫した。まあ、うん、気持ちはわかる。

とりあえず、2週間の間で上がったスキルはまずはシェルター。これは後程。もう一つが鍛冶である。つまりだ。



鍛冶 LV 3:いっぱしの鍛冶師。それなりの腕になってきた。加工可能鉱石:銅、()←NEW!



うん、2レベル上がって、鉄が加工出来る様になった、後は分かるな?

つまり、鉄板を加工出来るようになったのである。ある意味、シェルターに籠りつつ提出した銅で作った物以上の衝撃であろう。それも、単純な鉄板ではなく、スキルがあれば作れる上に将来的に大量生産も可能な鉄板だ。


「革命すぎますよぉ、コレ・・・・・・」


うん。作っといてあれだけど、自分もそう思う。鉱物で出来た板と言うのは思われてる以上に汎用性が高い。

例えば、銅の板なら盾の簡単な補修やコーティングに近い形で張り付けるという方法が使える。鉄も同様であるし、硬いので更に腕が良い鍛冶師が居れば、盾や鎧のアップデートにも使える。

また、砦や城壁の補強などにも使えるのが大きいだろう。


「でも、これ、どう拡散しましょう?」


自分が言うのもなんだが、コレはある意味、()()()()()()()()()()()()()()()かもしれない。この世界の作り方ではない作り方なら、転生者の領分だ。

だが、作り方が広まれば、この世界の人間にも十分可能だ。ただ、研究に時間がかかるだけになるだろう。


「欠点らしい欠点と言えば、失敗作を使う事・・・銅の場合は2個、鉄の場合は5個失敗したインゴットが必要なぐらいですかね?」


「成功作では駄目だった?」


「と言うより、失敗作でないと同じ大きさの場合は膨張した板が出来上がるんです。これです」


稼いだ金で買った肩ポーチに入っているシェルターに手を突っ込み、取り出して見せる。



膨張した銅板:銅を溶かして出来た板。だが、銅を入れすぎた為に膨張し使い物にならなくなっている。オリジナルレシピ。等級:F



こう、作成に成功した銅板はしっかり板なのだが、成功作のインゴットを使うと許容量を超えた為か、ぷっくりとした板が出来上がってしまったのだ。()()()()()()()()()()()()である。

まあ、もちろん硬い事は硬い。しかし、銅板として使うなら全くの不適格だろうし、これでは加工も難しい。鉄でやっても同様だった。ある程度、インゴット自体に含まれる鉱物の量に左右されるのだろう。


「多分、成功したインゴットはちゃんと詰まってるので普通に失敗したインゴットのと同じ感じで作ろうとすると失敗するんでしょうね」


「なるほど」


「逆に言えば、鍛冶レベルがとんでもなく高い人なら調整が出来るんじゃないでしょうか?ただ、成功インゴットからどれぐらいでかい板が出来るかは分かりませんけどね」


「おや?試さなかったので?」


オランジェさんは今までの成果と、自分のデータへの凝り性も知ってるので、不思議に思ってるのだろう。

まあ、理由は単純で・・・・・・


「買った鍛冶セットから溢れたら困るんですよ、熱々の鉄や銅が、火事は流石に困ります」


「ああ」


買ったセットは店や熟練者が持ってるような高位の物ではない。あくまで見習いのためのセットだ。大きい板を作り出せるか分からないし、一定の薄さにすると、どれぐらい板が大きくなるかも分からない。リスクをどうしても考えてしまうのだ。

ついでに言うと、やはり、火事は怖いし、火傷も怖い。漏れた溶解物からの思わぬ事故も怖いので試していないという訳だ。


「となれば、問題は一つだけですか」


そう、オランジェさんの言う通り、ここに至り、問題点はただ一つ。


「どこに一番最初に流すか?ですね?」


「ええ」


順当に考えれば鍛冶ギルドだし、冒険者の所に卸すなら冒険者ギルドだ。資材として流すなら土木ギルド、ギルド員の一員が見つけたのが優先権利ありとするならこの配送ギルドだ。

また、新素材の情報として流すなら領主の館に恩を売る意味でも良いかもしれない。


「まず、うちでは流せませんね、これ。ポーションみたいな小さなコーナーで片手間で売るならともかくねえ」


「ですよねえ」


まあ、流石にコレを配送ギルドで売る前提で伝手を使うなら鍛冶ギルドに頼むことになるだろう。絶対に大量発注入るだろうしね。何せ、配送ギルド内では現状作れるのは自分だけだ。更に物が物だ。確実に注文が入るのは目に見えている。更に、大量生産となると、結局鍛冶ギルドに情報を回してしまう事になる。まあ、そりゃ、そうだよねえ。


「土木ギルドとかも同様ですかね?」


「ですね。むしろ、鍛冶スキル取得に割ける人員がいるとは思えません」


まあ、流石に専門ギルドは鍛冶ギルド以外はそこまで人員を作れるまで割けるか?と言われると疑問ではある。ゆっくり流すなら良いかもしれないが、そうなると、様々な妨害やスパイがどんどんこの町に送られかねない。


「となると、鍛冶ギルド、冒険者ギルド、領主様への献上という事になりますかね?」


「最後の方は正確には領主様から国王様への献上と言う形になるでしょうね」


おうふ。まあ、そうなるよね。そうなると最優先は領主様、鍛冶ギルド、冒険者ギルドの順だろうか?う~ん、見落としは無いか?あっ・・・


「あ、オランジェさん」


「はい?」

銅が作れるなら鉄も作れますよね!俺は悪くぬぇ!レベル上がるシステムが悪いんや!え?更にレベルが上がるとどうなるかって?(目そらし)



現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 3


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV 4


鍛冶 LV 3

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