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11話 鍛冶の失敗とは? 前編

「ふむ、こうして置いてみるとすっごい違和感あるな」


あれから、オランジェさんに欲しい物を言って、それをシェルターの中庭に置いた後から翌日。目の前にあるのは鍛冶をする為のセットについてきた炉。

初心者鍛冶セットと言うらしい。中庭に購入した際についてきた炉を設置したのが昨日。シェルターに入れる際に置く場所が設定出来てマジ良かった。いや、置けるマップが選べるだけなんだけどね。

本物のアイテムボックスじゃないからね。あったら、炉を置く場所設定できたんだろうけど、その炉が鎮座してるのは日本風の中庭の真ん中にデェエエエン!と設置されている。

これは、違和感しか感じないやつだけど、うん。まあ、動かそうにも重いもんだし、庭の真ん中だからいっかって事になった。


「ええと、次はこのスキルを学べるスクロールで学んでいくと」


こちらは先日購入した調合の本とは違い、ゲームのように使った後、スキルを覚えるというものだ。

初心者鍛冶セットが鉄10枚、スキルスクロールが鉄2枚と考えると、結構散財したなあ。

とは言え、買った以上は使わねばなるまい。開けばいいんだったか?


「おぉ」


光が頭の中に入ってくるとセットの使い方、鎚の振り方、温度の上げ方などが分かる。なんか不思議。取得は出来てるとは思うが、念の為ステータスを確認する。



鍛冶 LV 1:駆け出しの鍛冶師。まだまだ腕は未熟である。加工可能鉱石:銅



「うん、良し」


何故、スキルをこういう形で取ったか?単純である。鍛冶で試したい事があったのだが、一からとなると年単位、まして転生前にそんな職に就いていた訳じゃないので更に倍行くだろう。

更に鉱石のインゴット化に鍛造に仕上げまで一人となると、長々学んでいたらあっという間に年月が過ぎてしまうとオランジェさんと相談して結論した。そこで、このように取得する運びとなったという訳である。

のんびり過ごすのも目標だが、おっさんになるまで究めきれない趣味は持つつもりはない、うん。


「さて、さっそく、飲み水とか用意してと」


鍛冶をやると言っても、武器を作る訳ではない。少し気になった事を検証するためだ。


「まずは、スキルを使ってインゴットをと・・・」


こういう炉とセットが用意されてる以上は手作業の部分もある。スキルのお陰で分かる使い方でインゴッドの作成を開始する。

まずは普通に作る。確かに叩く所や細かい調整はあるが、職人がやってる事の一部って感じだな。それでも、鉱石がインゴットになっていくのは驚きだ。



銅のインゴット(失敗):見習いが作った失敗作のインゴット。このままではとてもではないが鍛冶には使えない。等級:F



失敗と書かれている。だが、自分からすれば成功も成功。()()()である。ボコボコの穴が多数開いたインゴットだが、それでもである。

良~く見て欲しい、作る前は鉱石だった物がスキルを使うだけで抽出・精錬され、インゴットと言う形を取っているのだ。

何より、これはすでに鉱石から取り出された銅と言う物質なのだ。そして、説明文にも このまま ではと書かれている。これはどういう事か、つまりだ・・・


「これは純粋な銅であり、コレは普通の方法では使えないって事だ」


まあ、続きはインゴットを更に作ってからだ。やるぞー!それから、カンカン!と槌を響かせ、頻繁に休憩したりして数時間・・・



銅のインゴット(成功):見習いが作った成功作のインゴット。失敗作に比べ、輝いている。鍛冶に使える。等級:D



失敗作が10個、成功作はこの1個である。しかし、自分は自分の考えが正しいと確信した事が分かったので満足した。本番はここからだけどね。

実は成功作を作るまでは わざと失敗していた のだ。頭に浮かぶ作り方の一部をわざと甘くしたり、手を抜いたりして、成功作は作り方に忠実に作ったのだ。


「うん。これで確定だね」


インゴットでさえ、こうなのだ。どこかで手を抜けば等級が落ちる。つまり、等級が一定しない物は等級低い方がどこかしらで手を抜いているという事だ。インゴットの場合は絶対に失敗作が出来るという事が一つ。


「よし。では、次はこれを」


作ったインゴットの失敗作を並べる。失敗作が10個ではない。()()()()()()()並んでいるという事。

そして、頭の中にあるレシピには無い物を想像する。作るだけなら簡単な物。すなわち、銅板を作る。いや、作れると確信している。


「まずはインゴットの要領で・・・」


インゴットを2個溶かし、それを再構築するのでも武器を作るでもなく、薄い板になるように作っていく。



銅板:銅を溶かして出来た板。柔らかいながらも硬いので様々な物を作る事が出来る。オリジナルレシピ。等級:D




はい、確定。つまりだ、この世界で決まったレシピがあり、作り方などはスキルに左右される。

そして、その作り方以外で作られた物こそがオリジナルレシピなのだろう。しかし、そうなると、新ポーションにオリジナルレシピが付かなかったのはどういうことだ?


「あ、もしかして」


居間に有るメモ帳を取り出し、2つの作り方を書いていく。ああ、なるほどね。


「スキルの有無か!」


そう、新ポーションは自分が作った物はスキルなど一切使っていない。ニックさんも料理スキルを持っているが、あの工程はスキルを使うまでない作り方だ。あくまで料理スキルの知識が必要なだけで。

更に言うなら、錬金スキルで品質向上を付与するにしても、それは錬金スキルを使って完成させた物ではないという事。つまり、オリジナルレシピではないという認識なのだろう。

対して、銅板はインゴット、銅板を作る工程でもスキルを使っている。なるほどねえ。


「引き籠り1日目からコレか・・・・・・テンション上がってきた!」


なお、地球知識があるので、少し分厚めに作った銅板でフライパンなどを作り、数日後、数を揃えて提出すると、配送ギルドの防音室でオランジェさんの大絶叫を聞くことになるとは、神ならぬ身としては思っていなかった。てへ♪

失敗したインゴットでも結局は銅ですからね。その同から銅板作れても不思議ではありませんよね?

カミヤ君がここで熟練した鍛冶スキルだったなら、おでん鍋作れるのにね!


現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 2


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV 4


鍛冶 LV 1

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[良い点] あー、ソフトで絵をフィードバックボタンしてない的な
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