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100話 浮遊大陸での正式依頼 中編

祝・100話目です!

「あの?」


『まっことに申し訳ないッッッ!』


ライさんから呼び出されて、ギルドの応接室に着いた瞬間、件の馬車に乗ってきた女性の貴族の方、執事っぽい人やお供っぽい人達も含めて、先ずは土下座されたのだ。困惑するなと言うのも無理じゃない?じゃない?手の平サイズの幼女に土下座敢行する集団って怖すぎじゃない?じゃない?


「え~と?」


思わず、ライさんの方を見る。苦笑しながら、ライさんが説明してくれる。


『こちら、上級貴族のカーン氏です。そして、今回の件は要するに()()()()()と言う事です』


まず、まあ、冷静に考えてみると、入国の為の証が送られてる時点で、国は自分達を歓迎すべき重要人物と捉えているのだ。で、今回のは所謂、下級貴族、上位に媚を売りたい貴族や商人達の暴走であると言う事だ。上級~中級貴族には通達は勿論、当たり前ではあるが行っており、その傘下の下級貴族にも厳しく通知されたのである。ところが・・・


『お恥ずかしい限りです』


落ち着いて席に座ってもらったカーンさんからの話は良くある話である。要するにこれだけ厚遇されている人物を取り入ろうとする動き、更に言えば、冒険者と言うか、配送ギルド員であるという点も大きかった。要はナチュラルに我々なら件のギルド員を勧誘して、自分の派閥に入ってもらう事が可能だ!と思ったらしい。アレだ、やるなよ、絶対やるなよ!と言われてしまうとやってしまうコント。要はアレである。俺なら出来る!という謎の湧き出る自信。で、結果・・・


「叱れば叱るほど、下は燃え上がった・・・と」


『先日、ようやく鎮火した所でね。本当に申し訳ない』


鎮火は文字通りなんだろうな。要するに、相手は自分よりはるか下の庶民的存在。なら従えれるさ!と一部の貴族が気勢を上げ、なら、俺も、俺も!と言うのが実態だったと言う訳だ。まさに、頭の悪いコントの様相であったと言う。んで、そんなアホ下級貴族共に流石にプッツンした良識ある方々が拳振り下ろして、その報告者として王国で一番発言権がある貴族が派遣されたって訳だ。


「謝罪、確かに受け取りました」


『感謝する』


「で、今日来たのは謝罪だけではないと?」


『うむ、聞いていただけるだろうか?』


カーンさんによると、ライさんと冒険者達のお陰もあり、ダンジョンの探索は順調に進んでいた。ところが・・・


「あ~」


納得の事情である。いや、今までそういう案件と遭遇しなかったというのもあるだろう。いや、似たような案件は一度受けた事があったな。何がって?次の自分の言葉で誰もが納得するだろう。


()()()()()()()ですか」


凄いダンジョンである。凄いダンジョンではあるのだが、そのダンジョンがある大陸や国からすれば、アチャ~である。何故か?単純だ。砂漠に目印は無い。東西南北の概念がほぼ役に立たない。その上、マッピングが非常に難しい。何故か?砂漠には目印になる物が無い。これに尽きる。しかも・・・


『流石に何十日、下手すれば何年もかかりかねないマッピングを冒険者や兵士に強いるのは厳しく・・・』


何故かかるかと言うと、某ゲーム風の()()()()()()()()()()()()()()()()()。詳しく調査するなら罠も重要だが、罠があるかなんか見た目では砂漠の砂で分かる訳もない。まだ、以前受けた同じような難解ダンジョンである海の中ダンジョンの方が見えるだろう。だからと言って、寒暖差が激しい砂漠で歩きながら一歩毎に鑑定・警戒を常時発動しながら、マッピングだとそいつがまずダウンする。で・・・


『砂漠階層の階段部屋、あるいは階段を見つけて頂けないでしょうか?』


まあ、依頼自体はそういう事である。快適に砂漠階層を動けるとしたら自分達の他は居ないだろう。長期になるにせよ、短期になるにせよ、先ずはライさんを見る。


『食料の件はもう大丈夫だろう。すでにカーン氏からの援助と護衛の派遣が決まっている』


ライさん、流石やで・・・・・・はっ?!思わず関西弁になってしまった!じゃあ、後で食料を出して、担当者に預けないとな。


「期限と報酬は如何に?」


『地図は完成せずとも、階段までの道筋で完成とする旨でプラチナ硬貨1000枚は確実に出せるとの事です。期限に関してはそちらのペースに任せる・・・と』


ふむ、条件は良い。しかし、砂漠階層か。


「流石にあるのは1階とかじゃないですよね?」


『ええ。件の階層までは・・・』


『協会の冒険者が護衛しつつ、向かいます。階層は地下10階です』


あ~、ここまで待遇良いと言う事は・・・


「居たんですね、モンスター」


良く居るモンスターでは無い。例えば、砂漠を泳ぐモンスターや砂漠に潜むモンスター。そう、砂漠でしか住めないが砂漠こそがフィールドのモンスターである。それなら退治すればいいと思うだろう?ところが・・・・・・


『砂漠なのだよねえ』


『砂漠なんですよねえ』


ライさんとカーンさんが同時に頭を抱えて呻く。執事の人も頭を抱える仕草だ。砂漠の何が問題か?この階層だけは冒険者は()()()()()()()()()()()()()()()()せねばならない。何故か?割と砂丘などで経験すれば分かるが、砂漠階層では重装備が出来ない。そう、移動の問題である。砂丘でズボボズボボと足が入って移動が困難になった事ないだろうか?まさにあれが続くのが砂漠である。テレビとかでは軽快に歩いてた?そら、映る対象は軽装だよもん。


「レザーシールド、レザーアーマーの自称重装備タンカー」


『やめたげてよぉ!』


うちの女性陣も含めて一斉突っ込みである。そういう事である。移動は勿論、鎖帷子などの生命線は熱持って肌傷つけ続けるから装備出来ない。金属鎧?蒸し焼きで死にたいの?である。じゃあ、魔法付与の装備!と思うだろう?重装備形態はそのままなので、やはり移動には邪魔なのである。じゃあ、朝はシェルター持ちのシェルターに隠れて、夜に動く?ある意味正解ではあるが、その前提を崩すのが・・・


「こう言う所でのモンスターは()()ですね」


コレである。割と自分のシェルターで感覚がマヒしかけているが、シェルターは破壊されない訳ではない。自分のはともかく、他の人のはあの【この世の理で破壊されない】という項目がない。つまり、開拓大陸でもあった事なんだが、モンスターが居る場合、護衛つけなきゃダメなんだよね。つまり、結局、砂漠階層RTAになるって事だよ、オルァン!と、そう言う所に、私が!来たっ!!!状態の自分達に白羽の矢が立ったと言う訳である。長いな、説明!!!


「そうですね、こちらの条件を飲んでくださるなら、お受けします」


『勿論。条件があればお受けしろと我が主から言われている』


少し悩んだが、損がある訳ではない。しかし、念の為、様々な条件を付けさせてもらう。


「まず、シェルターに関しては詳細を聞かない、噂を広げない事」


まあ、コレに関しては二人とも頷いてくれる。なんとなく察したのは間違いない。


「更に、自分達は基本護衛に支援はしないので、護衛を引き受ける事に関しては完全自己責任である事」


自分達に頼るなと言う事である。兵士はともかく、冒険者は自分達の事よく知ってるの多いからね。要は、難易度高いダンジョンでの護衛なので自己責任で受けてと言う事である。まあ、護衛対象に支援されてどうすんだという話ではあるが、そういう手合いを完全にライさんとカーンさんの方で弾いて欲しいという話である。寄生、ダメ、絶対。


『承知した。我が方でも調査を行った上ででよろしいか、ライ殿?』


『勿論です。こちらでも調査もしっかり行いましょう』


うん、じゃあ最後に・・・


「砂漠階層で完全解散。これは絶対守ってもらいたい。よろしいですか?」


『『勿論』』


これだけは絶対守ってもらわなければならない。護衛対象だからって、調査依頼の方まで付いてくるとごねられると困るからである。と言うか、完全に足手纏いだし、知らん人をシェルター内に長期依頼で招くつもりはない。2つ目の事を踏まえてなので大丈夫とは思うが、念入りにお願いしておきたい事である。地図の先を見たいと言うのは分かるが、砂漠で付いて来られて、勝手にピンチになったとしても手助けなどする暇はないだろうし。


『では、よろしくお願いいたします』


カーンさんが頭を下げて出ていったのを見届けると、女性陣は準備を、自分はライさんと契約の確認を行うのだった。砂漠かあ、道程もあるが、さて、どうなるかね?

砂漠はね、ホントに人死にが出ますからね。その癖、襲撃する何かが居ると更に難易度ドン!なのですよ。トラブルが解決したらトラブルじゃないのにトラブル以上の何かが襲い掛かる転生者が居るってマジ?というお話。



現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 9


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 7


念動 LV 4

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