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86話 カジノ船の後始末のオークション

『それでは、本日の目玉に移りたいと思います!』


あれから更に2週間ほど経過した。まあ、港が一応あるとは言え、国家の主賓とか有名な冒険者とか来たら、そうなるわな。地球とは違い、魔法ですぐに建物を確保出来るのがこの世界の良いとこかもしれない。いや、コレ、地球で普及したら建築業者、感涙で咽び泣きそうだな。後、労働者が別の意味で泣きそう。


『とある犯罪転生者が持っていた超大型カジノ船の所有権!犯罪転生者の事件を解決した御方から我がギルドのオークションに出品していただきました!』


うん、嘘は言ってないな、嘘は!あ、言い忘れていたが、現在、オークション会場のVIP席でその様子を見ている。まあ、手乗りサイズ幼女がちょこんとテーブルの上に座ってるだけなのでシュールな光景とも言えるが。かと言って、車形態はもっとシュールだろうしなあ。


『まずはこちらの映像魔石をご覧ください!』


と、司会がそういうと、持ってこられた映像魔石が起動し、船内、船外、状態の鑑定結果などが映されていく。そして、勿論だがざわめきも大きくなっていく。そらな、ここまで設備が整っている、いや、整いすぎてる掘り出し物は早々に無いだろう。


『御覧頂けた所で開始価格を発表いたします!プラチナ100枚からスタートです!』


ワアオ、そう来たか。そう来たかあ・・・・・・ここでまず脱落するのが冒険者である。設備を見た時、扱いきれないと諦める者、買えたとしても維持費関連などで諦める者、プラチナから始まりと聞いて自信満々が崩れ去る者。


「ギルド関係者もある程度で脱落だろうな」


リィルさんの言葉に頷く。一応、落札の目はあるにはあるが、この後の金額アップ祭のインフレにはついていけないだろう。何故なら・・・


「確実に競り争うのが国って事ですからね」


自分の言葉に全員が頷く。船が使える国がほぼ制限無しの競り合いしていくのは間違いない。例え、大きなギルドが組んだとしても国相手では分が悪いだろう。そういう意味でのプラチナ100スタートにしてる辺り、この司会と主催は分かってるなあ。


「これ、手数料として1割取られたとしても相当ですよね?」


はい、そこで皆さん、目を逸らすのはやめよう、やめよう。大事な事なので2度言いました!



『これ以上の価格アップ、ありませんか・・・・・・・・・ありませんね?では、カジノ船所有権・・・プラチナ5000万枚でハンマープライスです』


終わった・・・・・・いや、もうなんていうか、途中から、自分も女性陣もあそこに立ってる司会さんも現実逃避したくなるほどの激戦であった。後でオークション主催とあの司会者さんに日本産の強力胃薬を送ってあげようかな・・・・・・


「なんでこんなに・・・・・・」


「競り落としたのは・・・ああ、これはまた珍しい。浮遊大陸の王都の方のようです」


どうしてここまで上がったかと言うと、まあ、言うまでなく国同士の競り合いなんだが、どういう訳か、件の浮遊大陸の参加者は何故か退かずにどんどん値を釣り上がって行ったのだ。最終的にオークション参加者が全員顔を引き攣らせてフィニッシュとなった程である。


「しかし、本当に激戦でしたね。と言うか、浮遊大陸に海上渡る船がそんなに必要なんですかね?」


自分で言っておいてなんだが、ここまでして手に入れるような物なのだろうか?となる。


「改造する気・・・なのかもしれませんね」


ここで、メイさんの言葉に全員がハッとする。そういう事か。


「確か飛行船への改造は・・・」


「ええ。浮遊大陸は一日の長があるはずですわ」


自分の言葉にレインさんが頷く。つまりだ、浮遊大陸側は・・・・・・


「世界初と言えるかは分からないが、超巨大且つ、戦闘にも使える浮遊娯楽船を作る気なんだな」


「なるほど、それならプラチナがタワー建つ程の金額でも取り戻せると言う訳か」


自分の言葉にリィルさんが頷く。元カジノ船なだけに娯楽施設はある。娯楽で儲けるだけではなく、戦闘にも使えるだろうからかなりの抑止力になるだろう。とは言え、まだ少し引っかかる部分もあると言えばあるのだが。


「きっと、上から予算度外視でなにがなんでも取って来いって言われたんだろうなあ・・・」


あ~となるシェルター内。うん、とりあえず、準備もしておこうかな。確か、通販機能で買えるのに金庫あったよな。大型があれば注文しとこう。

カミヤさん、思わぬ所で大金持ち!まあ、勿論、浮遊大陸側にも思惑あるんですけどね。それはまた後の話にて。次回は外伝です。


現ステータス


NAME


シロウ・カミヤ



SKILL


安全シェルター LV 9


健康的な体 LV MAX


投石 LV 1


鑑定 LV MAX


鍛冶 LV 7


念動 LV1

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