少女と魔法使い
「なんだろうこの穴…うわっ…!!!!」
少女は大きな尻もちをついた
「あ、落ちちゃった」
少女が落ちたのは大きな地下洞窟
その深さからもう一度あがってくることは不可能
誰かが気づいてくれなければ
長い洞窟を永遠と彷徨うことになるだろう。
普通の人物は泣き叫んだり、喚いたり、暴れたりするはずだが
少女は違う。
「まぁ、いっか…洞窟探検でもしよう」
そういって洞窟の奥深くに入っていった。
洞窟は思いのほか快適だった。
少々薄汚れた空気だが、所々に火が灯されていたため
明るさは十分である。
「なにも……ない」
少女はすぐに洞窟探検に飽きてしまった。
それもそうだ。
少女は育ち盛り遊び盛りの女の子。
そんな子が1人でなにもない洞窟をひたすら歩くなんて無理がある。
「お母さんとお父さん、探してるかなぁ」
そういってスカートのポケットに入っていた飴玉を口の中に投げいれる。
「うーん…少しだけ寝よう!そうしよう!」
歩き疲れた少女は横になった瞬間に眠りについた
「ねぇ、私たちずっと友達だよ」
「裏切るなしだからね!」
「ねぇねぇなんで電話でてくれないの」
「すぐ返信してよ、友達でしょ?」
「私の事嫌いなんだ、そうなんだ」
「…はっ!」
「夢か、そっか」
「携帯なんて…SNSなんてなくなっちゃえばいいのに」
昔から電話やメールが苦手な少女にとってどんどん人の繋がりが重要になってきているこの世界は酷く苦痛であった。
別に友達が嫌いなわけじゃない。
ただ、人と深く関わるのが得意では無いのだ。
学校では仲良くしても学校外でまで仲良くする必要性が分からなかった。
「自分の時間だって…大事じゃんね…はは、怖い夢見たらお腹すいちゃった」
だが少女は先程食べた飴玉以外何も持ってきていなかった…
というかそもそも洞窟探検をする気などなかった。
少し洞窟をみたら帰るつもりだったのである。
「あぁ、なんか走馬灯が見える気がする」
「私の人生あっけな…」
そういって少女は目を閉じた。
「んぇ…いい匂い」
少女はゆっくりと目を開けた。
驚くことに目の前に非常食らしきものが5つほど置かれていた。
「カレー…スープ…ラーメン…あとこれなんだろ」
非常時の対策などは母に任せていただけにあまり非常食に詳しくなかった。
「誰が置いていってくれたんだろう…」
洞窟にはお金になるものは何も無いはず。
珍しいものもないのに自分から洞窟には入る人間などいるのだろうか。
でも非常食を持っているということはいるのだろう。
「はぁ…生き返るぅ」
少女はお湯がなくても食べられると書かれているラーメンを
凄まじい勢いで食べきった。
「でも、生きちゃうもんだね…嬉しいんだか悲しいんだか」
少女は洞窟には落ちた瞬間から死を覚悟していた。
だが人間はしぶといものだ。
極度の空腹で限界を迎えているというのに身体はまだ生きようともがいている。
「よし、することもないし食料をくれた人を探しに行こう」
そういって少女は洞窟をひたすらに進んでいった。
「でも、もしあの人がちょうど帰る途中に私を見つけたんだったらどうしよう」
非常食をもっている人物は上に登る手段もあるはずだ。
もしかしたらもう帰ってしまっているかもしれない。
「こういう時は歌でも歌おうか」
そういって少女は大声で歌い始めた。
少女は歌うことが好きだった。
特別上手いわけでもないが、一つ一つの歌詞に書いた人の人生が込められていて、それをまた誰かが歌う。
そんな人生の受け継ぎが大好きだった。
そんな時
「ふざけんなよ!!」
少し先の方でどなってる声が聞こえた
「…ん!…誰かいるのかな、すみませーん」
少女は生きてきた中で最大と言っていいほど大きな声で叫んだが
反応はなかった。
怒鳴り声もいつしか聞こえなくなっていた。
「聞こえてないのかな…すみませーん!!」
それでも反応はなかった。
「なんでなんで…すみませーん!すみませーん!おーーい!」
「うるせぇな黙れねぇのか」
前方から大きなリュックサックを背負い大柄で目付きが鋭い男が苛立ちながら歩いてきた。
「あ…すみません…」
あまりの形相に洞窟仲間同士仲良くしようと思っていた少女も早々にその場を立ち去りたくなってしまった。
「で、なに?」
「…え?」
「呼んだだろ、でっけぇ声で」
「あっ…1人は心細かったので…」
「知らねぇよ」
そういって男はその場を立ち去ろうとした。
まるでお前が勝手に落ちたんだから自業自得だろ…と言わんばかりに
「あ…あの…!待って下さい!!」
「んだよ」
「ありがとうございます」
少女は深々とお辞儀した
「なんでだよ」
男は予想外の言葉に驚き先程以上に鋭い口調になってしまった。
「貴方ですよね…私を助けてくれたの」
「何言ってんだよお前、頭沸いてんのか」
誰がどう見ても人に親切をするような男ではない。
むしろ人を陥れて金をだましとる人間のように見える。
「…なんで根拠もないのにそう思った」
だがあまりの少女の真剣さに圧倒され否定できなくなっていた。
「分からないんですけど、でも貴方のような気がするんです」
「…分かった。俺はロープを持ってる、お前にやるからとっとと帰れ」
そういって男はぶっきらぼうにロープを投げた。
「え、あ…」
でも少女は拾おうとしなかった
「どうして拾わない。お前は洞窟に落ちたんだろ、こんなところ早く出たいだろ」
「そうです…分かってます…けど…」
少女は瞳から大粒の涙をポロポロとだした。
「なんで泣くんだよ!!!」
善意でやったはずの行為で泣かれてしまい男も身動きがとれなくなってしまった。
「ごめんなさい…ごめんなさい」
「…分かったよ、1人じゃあの場所まで行くのが怖いんだろ?ついて行ってやるからいくぞ」
そう言うと男は少女の腕を強く引っ張った。
「いたっ…違う…の」
「じゃあなんだってんだよ」
先程以上に泣かれてしまい男はその場に座り込んでしまった。
「帰るのは…怖い」
少女は身体を震わせながらやっとの思いでまともな声を出した。
「あっそ…じゃあここにいれば」
「えっ…」
どうやら男の言葉は少女の予想とは違ったようだ
「は?帰りたくねぇんだろ?じゃあ帰るなよ」
予想外の言葉の連発に先程まで泣いていた少女は笑ってしまった。
「ふふっ、そっか…そうかもね」
なんで笑われたのか分からなく小馬鹿にされたような気がした男は少女を叩くふりをした。
「うるせぇよ」
本気で怒っていることを感じ取った少女は身をすくめた。
「違う違う!それでも帰れって言われると思ったの」
男はその言葉に納得した様子だった。
「あぁ、まぁ帰る家があるのにここにいるのは意味わからねぇが、居たくねぇ場所にいる必要はねぇだろ」
男はいい事を言っただろう…と言わんばかりのどや顔をしていた。
「ねぇ…私貴方と一緒にここにいたい」
少女は真剣な顔で男の目をみて訴えた。
「それはダメだ」
正直今の雰囲気だったら上手くいくであろうと思っていた少女は不満げな表情で肩を落とした。
「どうして…?」
「俺は他人と馴れ合いたくはねぇんだよ」
先程まで笑いあってたはずなのに男は突然真顔に戻ってシッシッと少女を突き放す仕草をした。
「やだ…!」
「やだじゃねぇよ」
「やだやだやだ…!!」
「やっぱお前帰れ」
そんなやり取りを何回しただろうか。
お互いが疲れ果ててしまってその場にへたりこんでしまった。
「私…絶対帰らないよ、だから貴方がいなければそのうち食料もそこを尽きて飢え死にしてしまうかもしれない」
「はぁ!?」
少女は男が自分に食料を置いていってくれたと信じている。
だからこそ男が突き放せない人間だと分かっているのだ。
男の良心をつくような発言は少し胸が痛んだが仕方がない。
「あぁ…辛いなぁ…そんなことになったら…はぁ…」
そういって少女は男の方をチラチラと見た。
「俺といてもおもしれぇことなんてねぇぞ」
男は深くため息をついた。
「それでもいい!!」
「わかったよ、後悔してもしらねぇから」
男は少女の勢いに負けた。
「ありがとう!!」
そういってキラキラと目を輝かせる少女を見て男の心が少しだけあたたかくなったのはここだけの秘密である。
「お前…なんつーの?」
「えっ??名前??あててみてよ!」
人を突き放す男が自分に対して質問をしてくれたのが嬉しくて
少女は意地悪をしてみた。
「わかった、もうお前はお前でいいわ」
明らかに機嫌を損ねてしまった男をみて少女は自分の行いを少しだけ反省した。
「うわー!ごめんごめん…結愛だよ!結ぶ愛って書いてゆあ」
「結愛ね、まぁお前って呼ぶわ」
そういって男は鼻で笑った。
「なんでよ!お兄さんは?なんていうの」
先程の意地悪を平謝りしながら結愛は尋ねた。
「俺?お兄さんとでも呼んでおけば」
まだ意地悪したことを気にしているのだろうか。
なんとなく嫌悪感がこもった目をしている。
「意地悪したことは謝るって…だから名前教えてよ」
結愛は再度平謝りを繰り返した。
「んなこと気にしてねぇよ、名前を言うかなんて俺の自由じゃねぇか」
しつこいと言わんばかりの形相に結愛は圧倒されてしまった。
「お兄さん…さっきから顔で威嚇するのやめて」
「してねぇよ、お前が勝手にビビってるんだろうが」
そう言いながら男は結愛の頭に軽くチョップした。
「むむむ…ふふっ、お兄さんと話すの楽しい」
「こんな会話どこでもできるだろうが」
男は結愛の言葉が理解できないようで少しイライラしながらその場に転がっていた石ころを遠くまで蹴り飛ばした。
「お兄さんは…普通じゃないから」
結愛は恥ずかしそうに頭を掻きながらいった。
「それがなんだよ」
男はやはり理解できないようで洞窟の地面まで蹴り始めたが
あまりの威力に本当に地面を蹴り飛ばしちゃうんじゃないかと
結愛は少しヒヤヒヤした。
「あのね、普通でいなさいってみんな言うじゃない。
私にはあれが理解できないの。みんな違うのは当たり前よ。
多くの子にはできても全員にできるわけじゃない。
それなのに同じ意見を持った多くの子を正しいとして
少数の意見は不適切だとされるのよ。
私は…別にその少数を理解して欲しいなんて思ってない。
ただ…間違いだなんて…悪者だなんて言わないで欲しいの
否定して欲しくないだけなの。ただ…ただ…そういう考えもあるんだねって…そういう人もいるんだねって納得してくれればいいの」
まだまだ言いたいことはたくさんあるのに感極まって結愛は泣き始めてしまった。
先程の帰るか帰らないかの言い合いなんて比じゃないほどに
「それは無理だな」
あまりにあっさりと言うものだから結愛の涙は行き場を失った。
「そんなの分かってるけど…!そうやって諦めなきゃいけないのは分かってるけど…もう生きていたくない」
結愛は奥歯を噛み締めていった。
そう、だから結愛は洞窟には落ちた時必要以上に喚かなかったのだ。生きる気力が失われていたから。
もしこのまま落ちていなくてもじきに結愛は自分でこの世を去っていたかもしれない。
「うーんと…そっか」
男は返答に困った。
「あ…ごめんなさい…困らせるつもりじゃ」
結愛は学校でも家でも胸の内をさらけ出すことはそうそうなかった。人は頼られることは好きだ。感謝されることも好きだ。
でもそれはペットボトルのキャップをあけてほしい。
少し恋愛相談にのってほしい。そんなことだろう。
誰にも解決できない結愛自身の性格の辛さなんて
こんな重い話はされたほうも重い気持ちになるだけだ。
「あぁ、いや悪い。別にウザがってるとかじゃねぇんだ」
結愛の表情の暗さに気づいた男は慌てて慰めた。
「…ありがとう、ごめんなさい…」
まだ会って間もない男に重い話をして気を使わせるなんて
結愛にとって死と同じくらいに辛い状況だった。
「あのな、これは…俺の意見だけど。辛いって思ったら逃げれば?
学校が嫌だって思ったらやめたらいいし、こんな場所やだって思えば引っ越せばいいし…海外なんかもいいんじゃねぇか?
人生観変わるって言うしな、後は泣きたい時は泣けばいい」
全く意味がわからない言葉だけれど男にとっては精一杯の声掛けだった。
「引っ越すにはお金だってかかる、泣いてもきっと誰も助けれくれない、そんな簡単じゃないんだよ…」
結愛は自分の苦しさを男に単純で簡単なものだと言われたような気がして腹が立った。
「でもさ、意外と引っ越したら上手くいっちゃうかもよ?
たまたま拾った宝くじで1等とかあたっちゃうかもしれねぇし
辛いってうちあけたら必ず誰かが助けに来てくれるぜ
それが身近なやつか、他人かは分からねぇけど」
男は結愛の頭を荒く…だが温かく撫でた。
「そんな簡単じゃないし…」
だが結愛はやはり納得できなかった
それもそのはずだ、結愛は長い間人と違う性格に悩まされてきた。それがこの会話だけで解消できるはずがない。
「辛くなったら捨ててみろ」
男は大きく両手を広げた。
「そうしたら…全部なくなっちゃうよ??」
少女は意味がわからず首を傾げた。
「だと思うだろ?でも違うんだよ、全部捨てても大切なものは残るし、捨てたことで新しい何かが見えてくる」
男は不器用に笑ってみせた。
「よく…わからない」
「まぁお前まだガキだしな」
結愛は男を睨みつけた。
「お兄さん…嫌な人…」
そういってそっぽを向くと男は結愛が男に意地悪した時の平謝りを真似た。
「悪かったって…まぁつまり何が言いたいかって言うと、“生きろ”
なんて酷なことは言わねぇよ、ただもっかいやり直すって選択肢も考えてみろ、お前は大丈夫だから」
やはり目付きは鋭く怖い印象はいつまでもぬけないが
言葉は1音1音があたたかい。
「お兄さん、なんか魔法使いみたい」
結愛は男に抱きついた。
「暑苦しいわ!…もう時間じゃねぇか?」
男は自分の腕時計をみせた。
「え…お兄さん時計なんかつけてたっけ?…でもお兄さん…」
結愛の質問を遮って男は結愛が落ちた場所まで連れていった。
「まだ今なら親も許してくれる。これ以上ここにいたら捜索届けなんかだされちまうかもしれねぇぞ」
男は結愛の言葉なんて聞こうとしない様子だった。
「さっきまでずっと話聞いてくれてたのに…意地悪」
きっと結愛はもう大丈夫だと思ったのだろう。
「さぁ、着いたぞ」
「はやっ!!」
まだ5分も歩いていないはずだが…
結愛は男に会うまでに体感で30分以上は歩いた記憶があった。
そそくさと男は長いロープを深い穴の上にある木に巻きつけた。
上手すぎてその道のプロかと思うほどだ。
「まだ行きたくない」
いくら男の声が響いたとしても100%頑張ろうと思えたわけではない。まだ結愛にとっては洞窟の上の世界よりも男と話している方が楽しいのだ。
「辛い時はまた会いに行くよ」
その男の言葉に結愛の気は緩んでしまった。
結愛がどこに住んでいるのかもなにも知らないはずなのに。
でも男の言葉は力強く真実味があった。
だから結愛は男の言葉を信じ前を向くことにした。
時々後ろを向くこともあるだろうけど、少しずつ。
「ロープ…初体験でちょっと怖い」
死を覚悟していても実際怪我は怖いし、できるだけしたくない。
「大丈夫」
男は結愛にこれまでにないほど優しい笑顔を見せた。
こうやってみると強面俳優になれるのではないかと思うほどにかっこいい。
たった一言がこんなにも勇気をくれるとは。
やっぱり男は魔法使いなのではないか。
「うん。私は大丈夫」
結愛は少しロープに足を絡ませてはにかんで男に笑ってみせた。
「下向くな、登ることに集中しろ」
笑い返してくれるかと思いきや澄ました顔で怒られ結愛は少しふてくされた。
「…頑張れよ、結愛」
「はぁ…はぁ」
かなり登ってきただろうか、ずっと聞こえていた男の応援が
いつしか聞こえなくなっていた。
正直ずっと登りすぎて手の感覚がない。
もう少しで疲れきって手を離してしまう…その時
「結愛ちゃん!!」
誰かに手を掴まれた。
「結愛!!」
聞き覚えのある優しい声だ。
「お母さん!お父さん!」
「あぁ、結愛ちゃん心配したのよ。突然家からいなくなったかと思ったら結愛ちゃんのカバンがこんな大きな穴の近くに落ちてたんだから」
お母さんは結愛を強く抱きしめた。
「さぁ帰ろうか」
お父さんが優しく結愛の手を引いた。
「でも奇跡のようね、あんな底が見えない穴に落ちたのに無事だったなんて」
確かに…結愛は尻もちはついたが怪我はひとつもしていない。
しかもカバンなんて持ってきていないはずだが…
「ねぇ…お父さん、お母さん。私学校やめたい」
こんな状況で言うなんてバカみたいだと結愛自身もわかっていた。
それでも今言わないとダメな気がしたのだ。
「…そうか、じゃあついでにペットが買える家にも引っ越すか」
お父さんは結愛の頭をわしゃわしゃと掻き乱しながらいった。
「そうねぇ、今の家ちょっとせまいものね」
お母さんも頷いた。
結愛は分かっていた。
正直に言ったら分かってくれる両親だと。
でもどうしても言えなかったのだ。
それが自分のプライドか両親への気遣いか、はたまた勇気のなさなのかは分からないが
「いつもありがとう」
結愛は精一杯の笑顔でそういった。
「ねぇ!結愛先生!これ読んで!」
大人になり結愛は子供担当のカウンセラーをしている。
「また絵本?どれどれ、子供と魔法使い?」
聞いたことの無い名前に結愛は困惑した。
「読んで、先生読んでよ!」
「こんな本あったかなぁ…まぁいっか!えっと…」
結愛が絵本を読む体制に入るとその男の子は結愛の膝の上に座り込んだ。
「あるところに子供がいました…変な始まり方だな」
「先生のツッコミはいいから!!」
男の子はかなり絵本が気になるらしく先生の頬っぺたをつねった。
「はいはい…その子供は生きたくありませんでした…」
きっとこんな絵本子供の前で読むものではないのだろう。
でも結愛にとってこの聞き覚えのある話はどうしても読むことをとめられなかった。
「ある時、大きな穴に落ちてしまいました…その穴は深く
自分ではでられません、困っているとその子の前にある男が現れました。その男は子供を助けてあげ、生きる素晴らしさを教えてあげました。子供は元気になり洞窟からでていきました。」
結愛はふふっと笑った
生きる素晴らしさって…そんな大層な感じじゃなかったぞ?
「男は口が悪くて怖く見えましたが本当はとても優しい…」
あの男はきっと…いや絶対に
「魔法使いでした」
読んでくださりありがとうございます(。ᵕᴗᵕ。)
どんどんと息苦しくなる世の中です。
そんな縛られた世の中はなかなか厳しいものですが読者様に幸運があることを心から願っています。