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慙愧伝  作者: 勝本誠
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第9話 空からの来訪者

桃太郎 女性に手を出すのは、本意ではありませんが仕方ありませんね。

かぐや あら、隙の無い良い構えね。

    でも、妾をその辺の女と一緒と思わない方がいいわよ。

    それに・・・


    かぐやが鉄の扇を煽ぐと不思議な香りが辺りに立ち込める


かぐや 空気が淀むと言ったでしょう。

桃太郎 この甘い匂いは・・っく、目がくらむ。

かぐや 隙あり!


    かろうじてかぐやの攻撃をうけとめる桃太郎


桃太郎 ぐはっ!

かぐや おぉ、よく妾の攻撃を受け止めたわ。でも、


    またも、鉄扇から匂いが立ち込める


桃太郎 またこの匂い・・・

かぐや いい香りでしょう?妾の幻視香は。

桃太郎 駄目だ・・・立ってられない。


    桃太郎、刀を落とす。


かぐや ふふ、ここまで頑張った挑戦者はそなたが初めて。

    喜ぶがいいわ。この妾が褒めてつかわす。

桃太郎 く・・・。

かぐや 最後は、妾の華麗な技で、決めてあげる。


    かぐやが鉄扇をより一層激しく煽ぐ


かぐや 甘い夢に抱かれて眠るがいい。

    扇舞!百花繚乱!!


    突風が巻き起こり、桃太郎を吹き飛ばす


桃太郎 ぐわぁぁ!!


    吹き飛ばされる桃太郎


かぐや そなたの負けよ。桃太郎!

桃太郎 ・・・まだです。

かぐや 何!妾の技を受けてまだ立ち上がられるの!?

桃太郎 あなたが攻撃したのは幻覚ですよ。

    もっとも、匂いではなく、空気を操っただけですけどね。

    蜃気楼みたいなものです。

かぐや 空気を操るですって、そんなことが!


    桃太郎に鉄扇で斬りかかるが、空振り続ける


かぐや ふん、ふん、ふん!・・妾の攻撃が当たらない!

桃太郎 無駄ですよ。あなたに私はとらえられない。三の太刀!空裂斬!!


    真空の刃がかぐやの鉄扇を壊す


かぐや きゃぁぁ!

桃太郎 あなたの武器は壊れました。私の勝ちですね。

かぐや ・・・・そんな。妾が負けるなんて・・・。

桃太郎 これで、ようやく話ができそうですね。私たちは

かぐや 仕方ないわ。約束は約束ですもの。

桃太郎、妾との付き合い許してあげましょう。光栄に思うがいいわ。

桃太郎 付き合い?

かぐや 妾を倒した人と、交際をするということ、そなたもそれで来たんじゃないの?

桃太郎 違います。私は、鬼についてあなたに聞きたいことがあって。

かぐや 鬼について?

命   金太郎兄ちゃんが言ってたよ。かぐやさんはなんでも知ってるって。

かぐや 金太郎・・・あぁ、あの山姥と一緒にいた坊やか。なるほど。

    いいわ。妾が、そなたたちに何でも教えてあげる。

桃太郎 あ、ありがとうございます。

かぐや でも、ただで質問に答えるわけにはいかないわ。

    そうね、今から妾の言う課題を成し遂げれたら、答えてあげる。

命   あ、ずるーい!さっきと言ってること違うじゃん!

かぐや さっきはさっき。今は今。女心は変わりやすいものよ。

桃太郎 その課題とはなんですか?

かぐや 最近この村に、人の言葉を話す鬼が現れ始めたの。

桃太郎 (人の言葉を話す鬼・・まさか戍亥・・・)

かぐや その鬼、どうやら普通の鬼とは強さも桁違いらしいの、そこで。

桃太郎 私にその鬼を退治しろと。

かぐや ご明察。

命   なんで?かぐやさんが戦えばいいじゃない?

かぐや 妾が戦えば負けることはないでしょうけど、大事なこの肌に傷がつくかもしれない。

桃太郎 わかりました。その話お受けします。

    その代り、約束はちゃんと守っていただきますよ。

かぐや もちろん。

命   本当かな・・・。


    召使が走ってくる


召使  かぐや様!鬼が・・・人語をしゃべる鬼が現れました!

かぐや あら、噂をすればなんとやらね。桃太郎、早速働いてもらうわよ。

桃太郎 わかっています。命、あなたは屋敷の中で待っているんですよ。

命   うん。桃太郎さん気を付けてね。

桃太郎 大丈夫ですよ。

かぐや それで、鬼は今どこにいるの?

召使  上です!鬼は今、この屋敷の上にいます!!


    上空から玉臣が屋根を突き破って現れる


桃太郎 っく!・・・戍亥ではない、羽の生えた鬼。

玉臣  我が名は玉臣。伊佐芹様に仕えし三眷族が一人。

    この屋敷の主かぐやよ。あなたの命、もらいに参りました。


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