第3話 浦島の秘密
浦島 いきなりなんだってんだよ!
乙姫 しらを切るつもり?この浮気者!
浦島 浮気!?そんなのしてねーよ!
乙姫 じゃあ、この女はいったい誰なの!
命 え、命のこと?
浦島 お前馬鹿か!俺がそんなガキに手を出すわけねーだろ!
亀吉 いや、浦島の兄貴なら・・・
乙姫 やっぱりーー!
浦島 バカ野郎!
桃太郎 あのー、ちょっといいでしょうか。
乙姫 何!
桃太郎 ややこしいことになってるんで、落ち着いていったん整理しませんか?
亀吉 それならおいらの家にきませんか?
亀吉の家
乙姫 やだ、そういうことだったんですね。私ったら早とちりして、恥ずかしい・・。
ごめんね命ちゃん。
命 いいよー!
乙姫 桃太郎さんも、ご迷惑をおかけして・・・
桃太郎 いえ、私は全然。
乙姫 改めまして、私、乙姫と言います。浦島様の伴侶です。
浦島 誰が伴侶だ誰が!そもそも、付き合ってすらいねーだろ!
乙姫 もう、恥ずかしがっちゃって浦島様ったら可愛い!
浦島 あのなぁ・・・ん?何にやにやしてんだよ亀吉。
亀吉 乙姫様がおいらの家にいるのが嬉しくて。
浦島 はぁ?お前なぁ!!
亀吉 あ、茶菓子が無くなったでやんすね。ちょっと買ってくるでやんす。
亀吉、家から出る
桃太郎 ・・・あの、浦島さん聞きたいことが。
浦島 ん?そういや、あんた俺の速さの秘密知りたがってたな!?秘密はこれだ。
浦島、箱をとりだす。
桃太郎 箱ですか?これがいったい?
浦島 この箱は玉手箱といってな、中には煙が入ってたんだ。
その煙を吸った時から、俺はあの力を手に入れた。
桃太郎 煙を吸っただけで?
命 不思議だね~。
桃太郎 いったいどこで、この箱を。
浦島 さぁな。箱は俺の爺さんの物だから詳しくはわかんねーよ。
乙姫 この箱、私の家の箱よ。
浦・桃 えっ?
命 そうなの?
乙姫 えぇ、この箱に書いてある龍の家紋、私の家の家紋と一緒ですもの。
桃太郎 そうだったんですか。でも、どうして乙姫さんの箱を、浦島さんが。
乙姫 そう言えば昔、おばあ様が、愛した男性に少しでも早く会いに来てほしいからって
我が家の家宝を渡したとか・・
桃太郎 それが、この玉手箱。
浦島 ん?ってことは、俺の爺さんと乙姫の婆さんは昔、愛しあったってことか?
桃太郎 そうなりますね。
命 うんめいだね~。
浦島 ガキ!余計なことを言うんじゃ・・・
乙姫 そう!これは運命よ!浦島様!!
浦島 だぁ、うっとうしい!!
亀吉帰ってくる
亀吉 た、大変でやんす浦島の兄貴!!
浦島 どうした亀吉!!
亀吉 む、村に大量の鬼が!
桃太郎 なんですって!
浦島 わかった。すぐ行く!!
乙姫 私も!
命 命もいくよ!!
潮騒村
逃げ惑う人々の声、複数の鬼の咆哮
浦島 なんだあの数!
桃太郎 10・・いや、20は村の中にいます!
浦島 鬼どもが!好き勝手しやがって!
桃太郎 浦島さん一人では
浦島が高速で移動をする
桃太郎 ・・・・っく・・。仕方ない。
命、乙姫さん、亀吉さんはどこかに隠れていてください!
乙姫 嫌です。
桃太郎 乙姫さん?
乙姫 私と浦島様の村をめちゃくちゃにされて、黙っているわけにいきませんわ。
桃太郎 ですが、ここにいては危険です!
鬼の咆哮
桃太郎 しまった!見つかった!
乙姫 下がっていてください。ここは私が。
桃太郎 乙姫さん!危険です!
乙姫 大丈夫です。私、こう見えて結構強いですから。
さぁ、私が相手よ。どこからでもかかってきなさい!!