第2話 俺の時間
潮騒の村
命 ここが潮騒の村かー!
すごーい!ねぇねぇ桃太郎さん!海が見えるよ!
桃太郎 本当ですね。
さ、それでは早速、浦島太郎という人を探しましょうか。
命 えぇー!もう?ちぇっ、遊びたかったのにな。
桃太郎 命、私たちは遊びで旅をしてるんじゃないんですよ。
命 はーい。ん?桃太郎さん、あれなんだろう?
桃太郎 ん?砂浜で何かもめごとでしょうか?
命 行ってみようよ!
砂浜
浦島 亀吉!もう一回言ってみろ!
亀吉 何度でも言ってやるでやんす!
今日限りで、あんたの子分やめさせていただくでやんす!
浦島 てめぇ、鬼に襲われたとき助けてやった恩を忘れやがったのか!
取っ組み合いのけんかを始める二人
命 ねぇねぇ、なんで喧嘩してるの?
浦島 あ、なんだこのガキは?
桃太郎 こら、命!
亀吉 ・・・・あんたたち、見かけない顔だけど、旅人でやんすか?
桃太郎 はい。
命 命たちね!鬼退治してるの!
浦島 鬼退治?ガキを連れてか?
桃太郎 えぇ、まぁ。
命 それでね、この村に浦島太郎って言うすごく強い人がいるって聞いたから、会いに来たの。
浦島 すごく強いねー。
まぁ、確かに。で、あんたら浦島に会ってどうするんだ?
桃太郎 たった一人で村を守ってる浦島という人、さぞ勇敢な方だとお見受けします。
是非とも、一度お会いしてお話をしたいと思いまして。
亀吉 やめといた方がいいでやんすよ。
女好きのろくでもないやつでやんすから。
浦島 あぁ?誰がろくでなしだって?
亀吉 浦島が!でやんすよ!!
浦島 このやろう!!
またも喧嘩を始める二人
命 また、始まっちゃったね。
桃太郎 やれやれ・・・お二人とも、喧嘩はやめてください。
そもそも、何が原因なんですか?
亀吉 よく聞いてくれたでやんす旅のお方!
桃太郎 桃太郎です。
命 命だよ!
亀吉 あ、こいつは失礼したでやんす。おいら亀吉って言いやす。
喧嘩の原因は、女性のことでやんす。
桃太郎 女性?
亀吉 そうでやんす。この人、おいらが狙ってたこの村一番の美女、乙姫さんを奪ったんでやんすよ。
浦島 あぁ?乙姫はお前の彼女ってわけでもなんでもないだろうが!
亀吉 乙姫さんを、乙姫って軽々しく呼ぶなでやんす!ふん!!
亀吉去る
浦島 どこ行くんだ!話はまだ終わってねぇぞ!!・・・ったく。
桃太郎 ・・・・奪ったんですか?
浦島 奪ってねぇよ!あいつの勝手な勘違いだ。
乙姫の方から、俺に言いよってきたんだ。って、なんで見ず知らずのお前らにこんな話をしな きゃいけねーんだよ!
桃太郎 確かにそうですね。
命 でも、ほら、犬も歩けば棒に当たるって言うし!
浦島 はっ?
桃太郎 袖すり合うも多生の縁。ですね。
命 あれ?そうだっけ?
浦島 ははっ。お前ら面白いな。
命 命、褒められたー!
桃太郎 違うと思いますよ。
そういえば、あなたの名前をまだ伺ってなかったですね。
浦島 あー、俺は・・・・
亀吉 うわー!助けてでやんす!!
亀吉が鬼を連れて走ってくる
浦島 亀吉!後ろにいるのは・・・鬼か!!
桃太郎 命!私の後ろに!
命 うん!
亀吉 浦島の兄貴!助けてー!
桃太郎 浦島!?あなたが?
浦島 まぁな。
亀吉、俺の子分やめたんじゃないのか?
亀吉 そんな意地悪言わないでほしいでやんす!
鬼の咆哮
亀吉 ひぃ!!
浦島 ったく、しょうがねぇ子分だな。
桃太郎 5匹ですか、少し数が多いですね。
浦島 あんたは何もしなくていいよ。これだけなら一人で十分だ。
桃太郎 えっ!しかし・・・
浦島 まぁ見てなって。
鬼ども!この村に来たのが運の尽きだな。
お前たちの時間はここで終わりだ。今からは、俺の時間だ!
高速で動き次々と鬼に攻撃する浦島
浦島 疾風天破!!
鬼が悲鳴をあげて倒れる
浦島 ふぅ、一丁あがり!
亀吉 ひゅう!さすが兄貴!
命 何、今の?何がどうなったの?
桃太郎 もの凄い速さで何度も拳を鬼に叩きつけたんですよ。
浦島 へぇ、今のが見えたのか。あんたすごいな。
桃太郎 かろうじてですけどね。しかし、人の限界を超えたその速さはいったい・・・。
浦島 あぁ、それは・・
乙姫 浦島様ーー!
乙姫が走ってくる
浦島 げっ、乙姫!!
命 へぇ、あれが乙姫さんなんだ。すっごい綺麗な
乙姫 この浮気者!!
浦島を蹴り飛ばす乙姫
浦島 がはっ!・・・何すんだよいきなり。
乙姫 問答無用よ!あなたを殺して、私も死にます!!
浦島 はぁ~~~~!?